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12:復讐のために約束するピヨちゃん
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3日3晩後、僕はいよいよ復讐のためにベテルギウス王国へ行こうと考えていた。しかし、まず今目の前になる問題を片づける必要がある。
「ティラノたんひとりで、ベテルギウス王国へは行かせない。ピヨちゃんのように幼気な子を全裸で見世物にして、変態ぞろいの竜神だらけの国に繋がる、崖に突き落とすような野蛮な国に僕の最愛の番をひとりで行かせるなんて正気を疑う」
「その変態だらけの竜神のトップをひた走る貴方に言われるとすごく説得力がありますね。けれど、あの時、その変態に魂や色々売りさばいてもかまわないと思うくらいに、僕はあの国を憎んでいるのです」
真っすぐにヨグ様を見つめる。その黄金に輝く瞳から、なぜか一筋の涙が零れた。
「ティラノたん、そうだね。君はどれほど酷く苦しい目にあったのか、僕には分かる分かってしまう。竜神には番の全てが分かる特殊能力がある、だからティラノたんがどれほどあの国を王族を憎んでいるか、どれほど酷いことをされていたかがはっきりと伝わってくる。本当に本当によく耐えたね」
そう言って、僕をその胸の中に抱き込んだ。結構しっかりホールドされたので苦しいが、まともなことを言っているし、それにそんな風に言ってもらえたことは、今まで母が死んでからは一度もなかったので例え変態であっても振り払う気にはなれなかった。
「……苦しいです。でも分かったなら、僕が復讐をする理由もご理解いただけたかと」
「ああ。ただ、ひとりでは行かせないという考えは変わらない。ティラノたんでいられる時間は不安定だし、魔法を使えばもっと早く戻る可能性が高い。ティラノたんがまた傷つけられるなんてしたら僕は世界をそれこそ滅ぼしかねないだから、僕も同行する」
確かに、元の姿に戻ればはろくになにもできない事実、そして最悪ベテルギウス王国で捉えられてしまう可能性もあり危険であることは理解している。
だから変態といえど竜神である、ヨグ様が同行してくれるというのは合理的に考えればとてもありがたい。しかし、大きな問題、この変態が問題を起こさないでいてくれるかという部分がクリアされていない。
僕は一瞬で国を燃やしたいなんて考えていないし、もっというとあくまで僕に邪悪なことをした連中だけに復讐をしたい。生贄にされた時は世界ごと滅ぼしたいなんて思ったが冷静になればそれではあまり僕自身がそこまで良い気持ちになれない。
(なら、ここでしっかりと約束をしてから復讐をはじめよう)
「わかりました。ベテルギウス王国へ行く際はヨグ様も一緒で構いません。ただし、いくつか約束をして頂きたい」
「なんだい、ティラノたんとの約束か。それはとてもエッチな感じかな。そういうプレイもしてみたいから構わないよ。はぁはぁ。縛りがあるとより快感は増すからね」
何故か性的なことに結び付けている安定の変態を、冷めた目で見ながらもとりあえずスルーする。そうしないと話が永遠に進まない。
「まず、ヨグ様は僕が危ない目に合わない限りは基本的に手出しをしないでください。また手出しする場合も「国ごと滅ぼす」、「目の前の人間を一気に廃人にする」などの過剰な行動はしないでください。あくまで僕を助けるという部分だけでお願いします」
「ええっ。ティラノたんに危険があれば僕は、完全に燃やしてやるつもりだったのに駄目なの??後は涎を垂らしながら竜王の番ピヨちゃんのキャロルしか歌わない廃人にするつもりだったのにそれもだめなの??」
「駄目です。後、竜王の番ピヨちゃんのキャロルとか変な歌を歌わせようとしないでください、なんですかその歌は……」
「作詞作曲は全て僕の作った曲だね。ちなみに「天仰げ 空高く 今宵 番戻る」が歌い出しで……」
「やめてください。星辰が正しい位置に揃ったら現れる邪悪な神みたいに僕をしないでください。却下ですし、その歌を歌うことも正気を失いかねないので禁止です。話が逸れましたが基本的に手出しは不要ということです。まあ、もうひとつこの復讐が終わるまでは補給以外の性行為はしませんし、よくヨグ様が望む1年単位の行為もしません。何故なら僕はこの復讐を1年以内に果たさないといけないのです」
そう、僕はベテルギウス王国、いや父王、正妃、そして僕を嵌めた連中への裁きをどうしても1年以内で行う必要があった。それを過ぎてしまえば、僕がもっとも望む形での復讐が不可能になってしまうのだから。
「何故、1年以内で復讐を完遂させたいのだい??よく考えたら僕と1年籠ってエッチなことフルコースしてからの方がティラノたんからピヨちゃんに戻るリスクも減るし良いと思うんだけれど。あ、僕的にもやりたいプレイを色々試せて随時ティラノたんの良いにおいや綺麗な足を撫でたり舐めたりできるし、最高だからとかそんなことしか考えてないけれど……」
「それは……」
「ティラノたんひとりで、ベテルギウス王国へは行かせない。ピヨちゃんのように幼気な子を全裸で見世物にして、変態ぞろいの竜神だらけの国に繋がる、崖に突き落とすような野蛮な国に僕の最愛の番をひとりで行かせるなんて正気を疑う」
「その変態だらけの竜神のトップをひた走る貴方に言われるとすごく説得力がありますね。けれど、あの時、その変態に魂や色々売りさばいてもかまわないと思うくらいに、僕はあの国を憎んでいるのです」
真っすぐにヨグ様を見つめる。その黄金に輝く瞳から、なぜか一筋の涙が零れた。
「ティラノたん、そうだね。君はどれほど酷く苦しい目にあったのか、僕には分かる分かってしまう。竜神には番の全てが分かる特殊能力がある、だからティラノたんがどれほどあの国を王族を憎んでいるか、どれほど酷いことをされていたかがはっきりと伝わってくる。本当に本当によく耐えたね」
そう言って、僕をその胸の中に抱き込んだ。結構しっかりホールドされたので苦しいが、まともなことを言っているし、それにそんな風に言ってもらえたことは、今まで母が死んでからは一度もなかったので例え変態であっても振り払う気にはなれなかった。
「……苦しいです。でも分かったなら、僕が復讐をする理由もご理解いただけたかと」
「ああ。ただ、ひとりでは行かせないという考えは変わらない。ティラノたんでいられる時間は不安定だし、魔法を使えばもっと早く戻る可能性が高い。ティラノたんがまた傷つけられるなんてしたら僕は世界をそれこそ滅ぼしかねないだから、僕も同行する」
確かに、元の姿に戻ればはろくになにもできない事実、そして最悪ベテルギウス王国で捉えられてしまう可能性もあり危険であることは理解している。
だから変態といえど竜神である、ヨグ様が同行してくれるというのは合理的に考えればとてもありがたい。しかし、大きな問題、この変態が問題を起こさないでいてくれるかという部分がクリアされていない。
僕は一瞬で国を燃やしたいなんて考えていないし、もっというとあくまで僕に邪悪なことをした連中だけに復讐をしたい。生贄にされた時は世界ごと滅ぼしたいなんて思ったが冷静になればそれではあまり僕自身がそこまで良い気持ちになれない。
(なら、ここでしっかりと約束をしてから復讐をはじめよう)
「わかりました。ベテルギウス王国へ行く際はヨグ様も一緒で構いません。ただし、いくつか約束をして頂きたい」
「なんだい、ティラノたんとの約束か。それはとてもエッチな感じかな。そういうプレイもしてみたいから構わないよ。はぁはぁ。縛りがあるとより快感は増すからね」
何故か性的なことに結び付けている安定の変態を、冷めた目で見ながらもとりあえずスルーする。そうしないと話が永遠に進まない。
「まず、ヨグ様は僕が危ない目に合わない限りは基本的に手出しをしないでください。また手出しする場合も「国ごと滅ぼす」、「目の前の人間を一気に廃人にする」などの過剰な行動はしないでください。あくまで僕を助けるという部分だけでお願いします」
「ええっ。ティラノたんに危険があれば僕は、完全に燃やしてやるつもりだったのに駄目なの??後は涎を垂らしながら竜王の番ピヨちゃんのキャロルしか歌わない廃人にするつもりだったのにそれもだめなの??」
「駄目です。後、竜王の番ピヨちゃんのキャロルとか変な歌を歌わせようとしないでください、なんですかその歌は……」
「作詞作曲は全て僕の作った曲だね。ちなみに「天仰げ 空高く 今宵 番戻る」が歌い出しで……」
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「それは……」
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