【第1部終了】断罪されて廃嫡された元王子に転生した僕は救国の英雄の叔父に監禁されえげつない目にあうようです

ひよこ麺

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25.また監禁された疑惑と狂信者との再会と

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懐かしい王都についたのにあまり心は晴れなかった。ここで楽しく過ごしていたのはある程度自由やバカができたからで今の身分の僕ではここで自由に歩き回ることはむずかしいだろうから。

それに、ずっと沈黙しているけど尻の中に未だに「魔導式貞操アナルプラグ」も挿れっぱなしな訳で……いきなりこれが街の中で振動したら僕は人としての尊厳を著しく損なう。閉ざされた屋敷で限られた人の前で失うのとはどえらい差である。

「あ、エドワード、僕はその王城へ連れていかれるの?」

「いえ、王城にはナターリエ公爵令嬢もいらっしゃいますので、ルーク様は王都の外れにあるタウンハウスに連れて行きます」

タウンハウスとは王城以外で持っている別邸みたいなもので、王都の外れのタウンハウスはそこそこ大きなお屋敷だったが、僕はあまり行ったことはなかった。

そもそも、あのタウンハウスって確か何代か前の愛妾を囲っていたという噂の場所で昼なお暗い鬱蒼とした木々が生い茂ったちょっとあんまり近づきたくない屋敷だったような……。

(まぁ、廃嫡されている人間を保護するなら目立つとヤバイよな)

しばらくするとそのタウンハウスの前に馬車が止まる。再びエドワードにエスコートされて、その門をくぐった瞬間、重々しく門が閉まった。

「えっ?」

「念のための戸締りですのでお気になさらず」

そう言われたけどとても嫌な胸騒ぎがした。しかし、もう戻るに戻れない。僕はペンダントを握りしめながら歩いた。薄暗い木々を抜けた先にそれは堂々と姿を現した。

黒い屋根の重厚なつくりのそれは、前世のバロック建築のような装飾過多なその建物に妙な違和感を覚えた。愛妾を住まわせていたという割にとても絢爛豪華だったからだ。

そもそもタウンハウスとは仮住まいのようなものだからそこまで派手に作られていない。けれどその建物はよく言えば絢爛豪華、悪く言えばまるで豪華な鳥かごのような雰囲気があった。

「あの、ここにレイズ殿下がいらっしゃるのですか?」

「今はまだいらっしゃってませんが……お仕事が終わられたらいらっしゃるそうです」

そう言ってエドワードが扉を開いて中へ僕を招き入れた……が、

ガチャン

後ろにいたはずのエドワードがいつの間にか外に出ていて扉を閉めてしまった。やられた、完全に閉じ込められてしまった。

「なっ、ちょっと開けて!!」

「申し訳ありません。ルーク様、僕はここまでです。中に別の者がおりますのでそちらに案内してもらってください」

「違う、そうじゃない、なんで閉めたんだ」

扉を見て僕は焦っていた。だってその扉は内側にも鍵穴があり、内側からも鍵がなければ開かない仕組みのようだったから……。実際扉を開けようとしても開かなかった。しばらくガチャガチャやりながら、エドワードの名を叫んだが……僕の問いにエドワードは答えないというか既に気配が消えていた。

(クソっ、これ閉じ込められたのか??てかまた監禁されたんじゃないかこれ?)

新しい監禁場所へドナドナされた疑惑。エドワードに騙されたのかもしれない。レイズ殿下の話も嘘という可能性もある。とりあえず、状況を判断しなければいけない。

そう思って向き直った時、屋敷のひんやりとした空気の中に彼は現れた。

「ルーク殿下ですね、遠路はるばるよくいらっしゃいました。覚えておりますか?」

そう言って修道士の服を着たプラチナブロンズの髪にアイスブルーの瞳をした冷たい美貌の青年が、ニコニコと笑っていた。

覚えているも何も彼はマーティンともうひとりいた僕の側近で、公爵令息だったグレゴリーだ。グレゴリーはマーティンとは違い少し潔癖気味の子だったが、なぜか僕を異常に崇拝していた。

だから、マーティンとこっそり狂信者と呼んでいたとかいう話は置いておいて、何故グレゴリーがここに居るのだろう。

「グレゴリー様、久しぶりです」

「やめてください。ルーク殿下。前のようにグレゴリーと、なんならグレッグと呼んでください」

そう熱を帯びた瞳で彼はいった。彼は昔から僕をどこか熱い眼差しで見つめてくるので苦手だった。

ジャックも崇拝タイプだけれど、彼はちゃんと判断して正しくないことはちゃんと怒れるんだけど、グレゴリーは熱に浮かされて虚構の僕に耽溺していて、なんかあると「ルーク殿下はこんなこと言わない」みたいなことを言うようなところがある気がする。つまり狂信者。

確か、僕とマーティンは廃嫡されたが、グレゴリーは断罪事件には関与しておらず、確かに僕らの愚行を防げなかった部分はあるが、被害者のナターリエの従姉妹である事もありなんの罰も与えられないはずだった。

ただ、僕が廃嫡されたショックで修道院へ入ったとは聞いていたけれど、だとしたら何故ここにいるのだろうという疑問が沸く。

「いえ、僕は今は平民、なんなら奴隷のような身分ですから、そのようにお呼びするのは……」

「何をおっしゃいますか。ルーク殿下へのあの処遇は誤りです。あのようなお遊戯のような断罪劇程度でルーク殿下が平民に落ちるなど間違いです。浮気部分は問題ですが、それだってあの女狐を側妃か愛妾にすればよかっただけですし、重くても臣下降下か王太子を下りる程度が妥当でした。それなのに……それにバローズ公爵家が貴方に求めた賠償金だって本来なら支払う必要はなかったのに……」

バローズ公爵家とはナターリエの生家のことである。まぁ僕が浮気してさらに名誉棄損しての婚約破棄だからそれなりの金額請求は妥当だとは思うんだよな。その結果、僕は辺境兵士の兵役の給金で賠償することになり平民落ちしてるんだけど、辺境兵士の兵役おじさまへのごほうしが実情ではあるけど。

「いや、あれは僕が悪かったことだし……賠償金も妥当だとは思うよ」

具体的な金額は実は全く知らんけど。そういうとグレゴリーは瞳に涙をためて首を振る。

「ルーク殿下は純粋で無垢でいらっしゃるから外の醜い事情に疎いのでしょう。バローズ公爵家はそもそもルーク殿下が無償で預かっていた領地の収益などたくさんの利益を元から受け取っておりました」

「それは運営してもらっていたし……」

「それでも全ての利益を享受して特にルーク殿下への還元をしていなかったのは問題です。その土地だってあの廃嫡の際にうやむやにして自身の土地同然にしているのですから、ルーク殿下が彼らに支払う必要がある金額などとうに弁済されてしかるべきです」

なんか難しい話をされて僕は割と死にかけているけれど、どうやらグレゴリー的には僕の賠償金の支払い金額や、平民落ちが不当だと憤ってくれているらしい。案外良い子なのかもな。

「大体、高貴で美しくてこの世の至宝というべき麗しいルーク殿下を平民にすること自体、この世界が間違っております。ルーク殿下はその髪の毛1本だけで金塊1つ以上の価値をお持ちだ。本来ルーク様と同じ呼吸を吸うだけでそこは全てが楽園に変わるというのに……」

前言撤回。ヤバイ教信者だよ。ルークの価値爆上げしすぎだよ。この子に僕が人間の尊厳を失いかけていて、水たまり製造機となり、なんなら今胎内に「魔導式貞操アナルプラグ」埋め込まれているとかいったら死ぬんじゃないかな。

「グレゴリー、久々にルークに会えてうれしいのは分かるけれど、さすがに玄関で話すのはどうかと思うよ」

グレゴリーにドン引きしていた時、背後から澄んだ聞きなれた声が聞こえた。

「レイズ殿下……」
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