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29.あいつは忘れた頃に存在をしらしめてくるらしい
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それは確か僕の嫌いな夕暮れ、黄昏時だったと思う。
ちょうど、その日、僕は初めて婚約者のナターリエに会ったのだけれど、彼女の優秀さや美しさの前で自分がとても小さく見えて荒れていた。
そうして、夕暮れの薄暗さと、ナターリエへの言葉にできない劣等感と、もし優秀な兄ならば彼女の婚約者にふさわしかっただろうにと思う、兄上へのコンプレックスが重なり、不安で憂鬱でしかたがなかった。
「自分のような、人間は捨てられてしまうのではないか?」
漠然として不安を抱いていた時、そこへ偶然にも兄上が通りかかった。だから、あの時、僕は叫びだしたいような気持ちで聞いたのだ。
「僕のことを兄上は好き?」
涙目になりながらそう聞いた。すると兄上はいつも以上に優しい笑顔で僕の額にキスを落とした。
「もちろん好きだよ。永遠にそれは変らない」
そう優しく言われて嬉しくかった。だから、
「僕も兄上が大好き」
と言って泣いて兄上に縋った。多分あの後から刷り込みされたひよこみたいに兄上に付きまとうようになった気がする。
僕にとって、兄上はけっして裏切らない人だという認識になったのはその時だった。
それでも僕が自分のウザい行動に自己嫌悪を後ほどして、嫌われてるかもしれないと思って距離を置くようになったのはだいぶ先の話だけど。
今、兄上はそんな僕の自由を意思を塗り替えようとしている。どうして、こうなってしまったのだろう。
「兄上は……」
「「もちろん好きだよ。永遠にそれは変らない」と答えた。私の気持ちはあの日からひとつも変わっていない。けれどルークは違うね」
確信に満ちたその言葉に僕は答えることが出来なかった。あの日から僕が変わっていないかと言えばものすごく変わったと思う。
感情もだけど、なんせ僕は廃嫡から平民落ちというか実質、奴隷落ちしてさらに人間としての尊厳を失いかけて今も絶賛失っているのだから……。
という部分は置いておいて、兄上との立場も変わってしまった。あの時に純粋な子供が感じた感情と今兄上に抱いている感情が同じかと言われたら絶対に違うと言いきれる。
さらに今もここに監禁されて無理やりにでも、僕自身の感情を変えようとしている兄上の本心を知ってさらに変わり続けている。
「それが許せないんだ。ごめんねルーク、私は君をこれ以上変えたくないんだ。それが君を損なうことになっても……」
ひんやりとした空気にその言葉が溶けていった。まるで今の僕の心みたいに。そして、兄上はまるであの日のように僕の額にキスを落とした。
「だから永遠に私だけのルークになろうね」
とても優しいのに、とても怖い。
僕はこれからどうなってしまうのだろうか?そう考えると恐ろしい。
(叔父様助けて……)
無意識に心の中でそう叫んでいた。叔父様は確かに色々アレだけれど、僕自身を変えようなんてしたことはなかった。あるがまま、なすがまま、なんなら醜態を醜態のままそのまますべて受け入れてくれた。
やっぱり、感情を上書きして愛し合うなんて間違っている。兄上がずっとずっと苦しかったのは分かるけどそれでもそれは違う。
けれどそれを今目の前で幸せそうに僕の髪を撫でている静かに狂っている人に言えそうにはない。
正直に言いましょう。めちゃくちゃこわいんじゃい!!叔父様に対して感じる恐怖とは意味が違う、臓腑が冷えていくような本当の恐怖。
叔父様がクトゥルフ〇話みたいに正気度を減らしてくる系の脅威だとすると、兄上は残穢みたいなこう本格的なジャパニーズホラー系のしっとり真綿で絞めるように殺してくる脅威とでもいうか……。
「そういえば、ルーク。その首輪とても良く似合っているね」
「あ、えっ……」
そう言って、僕の首筋に触れる。頸動脈とか切られないかなという生存本能からくる不安を必死に押し殺す。
首輪なんてマニアックアイテムそういえば嵌められていましたね。なんなら手錠(ソフトSMくらいの本格的ではない腕に跡のつかない柔らかいタイプのヤツ)も嵌められてます。
「私はずっとルークに首輪をはめたかったんだ」
その言葉に恐怖もありますが、僕の中で前世姉から聞いた、いらない知識のひとつがよみがえってきました。
『ねぇ、恋人にチョーカーとか首輪を嵌めたがるのって「あなたを縛りたい」って意味らしいんだけどどちゃくそシコくない?』
姉よ、今まさに「あなたを縛りたい」って目的で僕、首輪されてますよ、この状態見たら薄い本がはかどるとかあの人テンション上がるだろうな……。
なんとか恐怖を笑いで塗り替えようと思考してみたけど駄目だ。首輪を優しく撫でている手が怖すぎるんよ。いつ首を絞めたりするのかと考えると怖くて仕方がない……ん?
その時、僕の中、あ、これは心の中とか精神の中でなく物理的胎内の中から振動がする……ずっと忘れてましたが「魔導式貞操アナルプラグ」が荒ぶるものが僕の胎内で猛り狂い始めた。
(嘘、な、なんでここで!!!)
ビィィイィイ
静かな室内にモーター音が響く。そしていつものごとく的確に僕の前立腺が刺激される。
「なんの音だ?どうしたのルーク?」
「ひぃ……ああっ、ら……みらぃれ……」
僕は必死に人間としての尊厳の値を減らさないために耐えようとしてみた。
ちょうど、その日、僕は初めて婚約者のナターリエに会ったのだけれど、彼女の優秀さや美しさの前で自分がとても小さく見えて荒れていた。
そうして、夕暮れの薄暗さと、ナターリエへの言葉にできない劣等感と、もし優秀な兄ならば彼女の婚約者にふさわしかっただろうにと思う、兄上へのコンプレックスが重なり、不安で憂鬱でしかたがなかった。
「自分のような、人間は捨てられてしまうのではないか?」
漠然として不安を抱いていた時、そこへ偶然にも兄上が通りかかった。だから、あの時、僕は叫びだしたいような気持ちで聞いたのだ。
「僕のことを兄上は好き?」
涙目になりながらそう聞いた。すると兄上はいつも以上に優しい笑顔で僕の額にキスを落とした。
「もちろん好きだよ。永遠にそれは変らない」
そう優しく言われて嬉しくかった。だから、
「僕も兄上が大好き」
と言って泣いて兄上に縋った。多分あの後から刷り込みされたひよこみたいに兄上に付きまとうようになった気がする。
僕にとって、兄上はけっして裏切らない人だという認識になったのはその時だった。
それでも僕が自分のウザい行動に自己嫌悪を後ほどして、嫌われてるかもしれないと思って距離を置くようになったのはだいぶ先の話だけど。
今、兄上はそんな僕の自由を意思を塗り替えようとしている。どうして、こうなってしまったのだろう。
「兄上は……」
「「もちろん好きだよ。永遠にそれは変らない」と答えた。私の気持ちはあの日からひとつも変わっていない。けれどルークは違うね」
確信に満ちたその言葉に僕は答えることが出来なかった。あの日から僕が変わっていないかと言えばものすごく変わったと思う。
感情もだけど、なんせ僕は廃嫡から平民落ちというか実質、奴隷落ちしてさらに人間としての尊厳を失いかけて今も絶賛失っているのだから……。
という部分は置いておいて、兄上との立場も変わってしまった。あの時に純粋な子供が感じた感情と今兄上に抱いている感情が同じかと言われたら絶対に違うと言いきれる。
さらに今もここに監禁されて無理やりにでも、僕自身の感情を変えようとしている兄上の本心を知ってさらに変わり続けている。
「それが許せないんだ。ごめんねルーク、私は君をこれ以上変えたくないんだ。それが君を損なうことになっても……」
ひんやりとした空気にその言葉が溶けていった。まるで今の僕の心みたいに。そして、兄上はまるであの日のように僕の額にキスを落とした。
「だから永遠に私だけのルークになろうね」
とても優しいのに、とても怖い。
僕はこれからどうなってしまうのだろうか?そう考えると恐ろしい。
(叔父様助けて……)
無意識に心の中でそう叫んでいた。叔父様は確かに色々アレだけれど、僕自身を変えようなんてしたことはなかった。あるがまま、なすがまま、なんなら醜態を醜態のままそのまますべて受け入れてくれた。
やっぱり、感情を上書きして愛し合うなんて間違っている。兄上がずっとずっと苦しかったのは分かるけどそれでもそれは違う。
けれどそれを今目の前で幸せそうに僕の髪を撫でている静かに狂っている人に言えそうにはない。
正直に言いましょう。めちゃくちゃこわいんじゃい!!叔父様に対して感じる恐怖とは意味が違う、臓腑が冷えていくような本当の恐怖。
叔父様がクトゥルフ〇話みたいに正気度を減らしてくる系の脅威だとすると、兄上は残穢みたいなこう本格的なジャパニーズホラー系のしっとり真綿で絞めるように殺してくる脅威とでもいうか……。
「そういえば、ルーク。その首輪とても良く似合っているね」
「あ、えっ……」
そう言って、僕の首筋に触れる。頸動脈とか切られないかなという生存本能からくる不安を必死に押し殺す。
首輪なんてマニアックアイテムそういえば嵌められていましたね。なんなら手錠(ソフトSMくらいの本格的ではない腕に跡のつかない柔らかいタイプのヤツ)も嵌められてます。
「私はずっとルークに首輪をはめたかったんだ」
その言葉に恐怖もありますが、僕の中で前世姉から聞いた、いらない知識のひとつがよみがえってきました。
『ねぇ、恋人にチョーカーとか首輪を嵌めたがるのって「あなたを縛りたい」って意味らしいんだけどどちゃくそシコくない?』
姉よ、今まさに「あなたを縛りたい」って目的で僕、首輪されてますよ、この状態見たら薄い本がはかどるとかあの人テンション上がるだろうな……。
なんとか恐怖を笑いで塗り替えようと思考してみたけど駄目だ。首輪を優しく撫でている手が怖すぎるんよ。いつ首を絞めたりするのかと考えると怖くて仕方がない……ん?
その時、僕の中、あ、これは心の中とか精神の中でなく物理的胎内の中から振動がする……ずっと忘れてましたが「魔導式貞操アナルプラグ」が荒ぶるものが僕の胎内で猛り狂い始めた。
(嘘、な、なんでここで!!!)
ビィィイィイ
静かな室内にモーター音が響く。そしていつものごとく的確に僕の前立腺が刺激される。
「なんの音だ?どうしたのルーク?」
「ひぃ……ああっ、ら……みらぃれ……」
僕は必死に人間としての尊厳の値を減らさないために耐えようとしてみた。
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