【第1部終了】断罪されて廃嫡された元王子に転生した僕は救国の英雄の叔父に監禁されえげつない目にあうようです

ひよこ麺

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80.かえってきたアイデンティティは強くなっていた

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叔父様と結ばれて、お嫁さん認定されてから数日後、僕はめずらしくとてもしっかりとした正装を朝早くから着せられていた。

普段も別にみすぼらしい格好はしていないけれど、全裸または普通の清潔な服装のルーティーンだったのが、今日は、まるで舞踏会とか式典に出るような正装をするらしい。

ただ、正装させられただけなら良かったのだけれど……

「可愛い僕だけのルーク、今日はにいかないといけないから、これをつけよう」

すごく馴染みのある装備を見せられた。いや馴染みのある装備に似ているけれど少し違う気もする。そう、一時は僕のアイデンティティでもあった気がする「魔導式貞操アナルプラグ」っぽいものである。

っぽいものといったのは、前は飾り気のない黒いフォルムだったそれが白い少しおしゃれな感じに仕様変更しているし若干太くなっている。後、なんだろう僕の勘違いでなければすごくウェディング感がある。勘違いであってほしい。

「あの……マクスおじ……マクスは前に外出する際は、これを外してくれたのに今回はどうしてつけるのですか?」

倫理的に問題があると、とてもまともなことを僕の記憶が正しければ言っていたはずだ。しかし、今真逆のことをしようとしているのでその真意を問いただしたい。小1時間問い詰めたい。

「当時はまだ僕だけのルークではなかったから、倫理的に問題があった。今は、僕の妻の貞操を狙うものから守るためにこれが必要になった」

「……でもこれいきなり動いたりしますよね?前、確かマックスたんの時に叔父様のミスで発動して大惨事が起きた記憶があるのですが……」

兄上のドSスイッチを入れてしまうという大惨事が発生したことは、流石に忘れていない。その言葉に叔父様がとても良い笑顔になる。この笑顔はあまり良くない予感がする。

「それについては改良してあるから問題ない。流石に陛下と謁見の際にルークが可愛い顔で悶えてしまう事態になれば、陛下はともかくウィリアム兄さんが僕の残機を減らしに来るのは目に見えている」

さりげなく恐ろしい単語が混ざっていたがそれについては今はスルーしよう。

「あの、もしかして今日も王城へ行くのですか?」

「そうだ。褒章を陛下より授与されることになっている」

叔父様が当たり前のように軽く答えた。

褒章ってすごく誉れ高いことで、なんなら一生に一度もらえるだけでものすごい栄誉あることなのだけれど、なんせ救国の英雄にして、それ以外にも色々功績を立てている叔父様からすれば日常茶飯事なことなのかもしれない。

「なるほど、だとして何故、僕も正装をしているのですか?」

「ルークにも式典に参加してほしいからだ、一緒にきてくれないか?」

珍しく真摯な態度でそう言われた。叔父様の中で僕が嫁ポジだからかもしれない。実際は特に婚姻は結んではいないから事実婚程度ではあるのだけれど。

「わかりました」

真剣に言われてしまうと、断ることはできない。個人的には「魔導式貞操アナルプラグ改」はやめて欲しいけれど、仕方なく参加を了承した。「魔導式貞操アナルプラグ改」は本当にいやだけど。

上記のやり取りの後、準備ができた僕らは、慣れ親しんだ王城へ参じた。

この間と違い、式典の厳かな雰囲気と準備が進んでいるようだった。ちなみに王太子の頃の僕は大体式典は半分寝ていた。だから今日も最後まで覚醒していられるか心配だ。

そんな僕にいつもより恭しく叔父様が手を差し出す。

「行こう、僕だけのルーク」

「はい、マクス」

僕は差し出された叔父様の手を取った。エスコート、間違いなくこれはエスコートの動きだ。いままではどちらかというと普通に繋いだりしていたけれど、今回はとても尊重されているような大切にしています感がさらに増している気がする。完全に大切な嫁認定である。

「ガルシア公爵、久しいな」

礼服に、黒い眼帯をしている兄上が僕らに声をかける。眼帯、滅茶苦茶似合う。なんかこう怪しさが加わっていままでの清廉潔白な兄上がワンランク魅力アップしている。いいな、中二心が刺激される。

「お久しぶりです、レイズ王太子殿下」

叔父様は洗練された動作で臣下の礼をとり挨拶した。

(よし僕もここで元王太子の威厳をみせねば!!)

など意気込んで、挨拶をしたのだけれど……

「レイジュ王太子れぇんか、おひしゃしぶりです…ひゃい!!」

噛んだ、ものすごく僕は噛んでしまった。しかも臣下の礼をしようとしてしたことないから足がもつれて転びかけた。慣れないことをいきなりしようとすると、大やけどするという実例を見せてしまった。せめて反面教師に役立ててほしい。

本来なら不敬なんだけど兄上はくすくす笑う。

「ああ、相変わらず其方は可愛いな」

いつもと違う口調なのは、周りに王侯貴族がいるためだ。けれど兄上はとても優しく僕を見つめる。

「ありがとうございます」

もうやけになって答えた僕の耳元で兄上が、僕だけに聞こえるように小さくそして甘く囁く。

「例のご褒美は決まったので、式典が終わったら伝えさせてもらうよ。ルーク」
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