【第1部終了】断罪されて廃嫡された元王子に転生した僕は救国の英雄の叔父に監禁されえげつない目にあうようです

ひよこ麺

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番外編:マーティン編

07.飼い主しゃんはバリ最強の男だったんよ(マーティン(廃嫡フレンズ)編)

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※血みどろなシーンが入ります。グロいところがあるので苦手な方はご注意ください。


その殺気に先ほどまで、飼い主しゃんを襲っていた刺客がまるで石にでもなったように動きを止める。完全に威圧されている。

「怯むな、相手は化け物と言っても……うわぁあああ」

固まる手下を鼓舞しようとしたかもしれない男は、いとも簡単に殺された。それはあまりに一瞬で胴体と首が離れているという怪現象にも近しい出来事だった。

それだけではない、飼い主しゃんに近付いた刺客は全て簡単に首を落とされる。多分、素手でねじ切っているみたいだ。俺の動体視力でも全ては見えていないけれど動き的に間違いない。

しかし、凄惨な光景のはずなのに、何故か俺は全く目が離せず見つめていた。

「マーティン様、決して皇帝陛下は……」

「飼い主しゃん……」

俺の体がふるえる、その様子をリーンハルトしゃんは何故か心配そうに見つめている。何か声をかけようとしているようだけど、それ以上に俺のが止まらない。だって、飼い主しゃんは……、

「……バリ強いんよ!!カッコイイ!!男の中の男、霊長類最強の飼い主しゃん、いえ、師匠と呼ばせてください!!」

大体の、刺客を文字通り捻りつぶして血まみれになっている飼い主しゃんに、俺は土下座した。お願いする時はスライディング土下座が良い。誠意が伝わるかんね。

割と床が血みどろだったせいで、着せられていた白いワンピースみたいな服が血で赤く染まったけど仕方ない。これは俺が最強の男の弟子になれるかなれないかの正念場なんよ。

「駄目だよ。後マルえるはやんちゃさんだから、天使っぽい白い服だとすぐ血とかで汚れてしまいそうだね」

そう言い放つ飼い主しゃん。確かに白は汚れやすいから俺はあんまり着せてもらったことがなかった。後、弱い服はすぐに破けて気付くと全裸or半裸とかになってしまうのでそれもNGだった。ただ、今は服の話は一旦置いておこう。

「なんで、駄目なんっすか??俺が弱いからですか??前にルークのバリ怖い叔父しゃんにも駄目って言われたんっすが、同じ理由ですか??」

実は、昔、王国最強で救国の英雄、俺が知る限りで最強の霊長類候補であった、ルークのバリ怖い叔父しゃんにも弟子にして欲しいとお願いしたことがあった。

しかしその時は……

「マーティン、お前を僕は絶対に弟子にはしない」

「なんでっすか!?俺が弱いからっすか??」

そう聞いた時、ルークのバリ怖い叔父しゃんは首を振りこう言った。

「僕の見立て通りなら、お前はいずれからを言い渡される。その時に僕の弟子だったなどと知れたらとても面倒くさい」

とかわけわかんないこと言っていた。なんで俺がルークのバリ怖い叔父しゃんの弟子になると面倒くさいことになるのか、全く意味不明だった。

「それはね、マルえる。君が私の番だと、マクスが気づいていたからだね。ははは、マクスには次に会った時、小一時間ほど詳細を聞かないとな。何故、私の番の正体を知っていたくせに隠匿したのか……自分は、それはそれは幸せそうに番の甥っ子君と、一緒に居たくせに……定期的に自慢してきた癖に……」

なんかよくわかないことを、ブツブツ飼い主しゃんが呟いとるんよ。定期的に「私の天使を側で見ていながら隠すとは」とか「いくら身内とはいえ許されない」とかいっとったけど全くわからない。

「ルークのバリ怖い叔父しゃんは、弟子にしない理由は、悪い皇族の人に絡まれるからって理由だったっすけど、飼い主しゃんもなんか悪い皇族の人に絡まれるから弟子にしてくれないっすか??」

そう言った時、一瞬、飼い主しゃんから黒いものが見えた気がしたけど気のせいだろうか。土下座して血まみれの俺を抱え上げて腕の傷を優しく包み込みながら諭すように話す。

「マルえる。その皇族は質など悪くないし、心も広いし性格も良いし、なんなら閨でも素晴らしい技術を持っているからマルえるの全てを満足させられるので問題ないし、それが理由で弟子にしないわけではない。後、その皇族はものすごい良い人だから本当にマルえるは心配しないで良いんだよ」

「……でも皇族の人に婚姻って言われたら断れんし、俺、飼い主しゃんのに一応なったらしいし、浮気とかできないのでそうなると困るなって……」

いつの間にか、腕の傷が消えていた。そして、その厚い胸板に抱きこまれた。力が強くて割と苦しい。

「ああ、マルえるは可愛いすぎる。今晩も君を離せそうにない。何があっても、君は私の大切な番だ」

「飼い主しゃん、それより弟子にしてもらえないっすか??強くてカッコイイ、バリ最強の男の飼い主しゃんに俺、男の中の男にしてもらいたいっす、だから……」

「だめだ。マルえるは私の宝物だから、ずっと私が守ってあげたい」

もう一押しでいけそうだと思ったのに、割と飼い主しゃんは強情っぱりだ。それに、確かに飼い主しゃんは強いけど、俺はただ守られるなんて柄じゃない。ちゃんと戦える男なんよ。

「でも、正妻ってことは夫婦は支え合うもんじゃないっすか??だとしたら、飼い主しゃんがバリ最強の男なら、俺も百獣の王くらいにならないとつり合いがとれないっす」

「夫婦。良い響きだ。マルえる、君が……」

飼い主しゃんがなんかいきなり、また下腹部の印のあたりを撫でまわし始めた。こそばゆいし、今は弟子にしてくれるかくれないかの大事な話中だから流石にやめてほしい。

すると、まるで心の声が聞こえたようにゆらりとリーンハルトしゃんが俺らの目の前までやってきた。

「……あの、おふたりとも、僕のことをお忘れではないですか。それと陛下、取り急ぎ大体の刺客は片付いたかもしれませんが、まだ潜んでいるとも知れませんので油断は禁物でございます」

「確かに」

あれだけの刺客を飼い主しゃんがねじり切ったとはいえ、ここまで大量に入り込んでいたならまだ残党もいるかもしれない。リーンハルトしゃんは賢くてちゃんとしている。同じ側近として憧れてしまうんよ。元がつくけど。

基本、格闘系の俺も賢い側近にもなりたかったんよ。そういえばグレゴリーに「賢くなりたい」といったらなんかゴミでも見るみたいな目で「脳みそまで筋肉で出来ているお前が?」とか失礼なこといわれたんよ。全て解決できる筋肉が脳みそに劣るはずないのに意味わからん。

関係ないこと考えてしまったけど、ずっと気になっていたことがあったのでもしかしたら刺客と関係あるかもしれんし聞いてみることにした。

「俺ずっと気になっていたことがあるっすけど……」

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