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番外編:グレゴリー編
13.人間、みんなどこか変態らしい(グレゴリー(狂信者)編)
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「初めまして、お父様。私はリーンハルトと申します。苗字はありませんが世界が始まったあたりからずっと魔術師をしています。宜しくお願いいたします」
我が家の応接間にやってきたリーンハルトが、父上に挨拶をした。父上は珍しく困惑している。そして僕の方を見ている。どうやら自体が全く飲み込めていないらしい。
当たり前だ。ルーク殿下捜索に行った息子が殿下を連れて帰ってきたと同時に謎の男と結婚すると言っているのだから。僕でもいきなりこの状況になったら父上と同じ顔をするだろう。
「ああ、イガルク帝国の皇帝陛下の側近である魔術師殿。貴殿とは外交の場で何度かお会いしていたと記憶しております」
「はい。そうですね。ベルダンディ公爵殿とは計5回お会いしております。その度にとても懐かしい感覚を感じる方と思っておりましたが、まさか私の義父になられる方だったとは。もっと親睦を深めておけばよかった」
キラキラ笑顔で言っているが、正直父上はとても困っているだろう。基本的にこういう形で困惑させるのは我が家側であることが多い。しかしリーンハルトは明かに父上を困らせている。
「ははは、その何故息子と貴方が婚約を……」
「違います、婚姻、結婚します。これは偉大なる神に誓って揺るがない事実です、なんなら書面だけならもうすぐにでも出したいです。そして大切なグレッグをただただ幸せにしてあげたいのです。そうすることが私の幸せでもありますので」
とろーり蕩けるリーンハルトと化したその顔は、砂糖菓子を煮詰めて砂糖を足したのなんか比でないほどにドロドロの甘々な表情であり、恍惚通り越した恍惚でもう意味がわからないし間違いなく正気でない。
「グレッグ、この人と本当に結婚するつもりか??」
父上が物凄い眉間に皺を寄せて言った。
「ええ。ルーク殿下を救うために病む負えずですが、結婚を承諾してしまったので……」
「ルークのために??確かにルークは大切な大切な幼子だが、グレッグそのためにお前の生涯をヤバイものに売る必要はない。私は確かにお前には厳しくルークを守るように教育を施してきて、お前は立派に育った。しかし、そのために不幸になるなんてだめだ、絶対に」
思わぬ反応に思わず目を見開く。父上にとってルーカス陛下とルーク殿下は特別な存在であり、僕や母上はいつも蚊帳の外にいると認識していた。だからルーク殿下を救うために変な魔術師と結婚することになっても「うむ、仕方ない、ルークを守ったのだから」と言われるとばかり思っていた。
「何故ですか??ルーク殿下を僕は無事に救いました。そのためなら僕の人生など……」
「グレッグ。『お前の人生など』なんて言葉は二度と使うな。『お前の人生も大切』なのだ、だから安易に訳の分からない変な人と結婚したりなんて……」
「お父様の中で、私は相当変な人認定なのですね」
リーンハルトは相変わらずニコニコしているが、なんか闇を感じる。そこへすかさず父上は続けた。
「変な人というか危険人物認定です。リーンハルト殿、貴方が優れた魔術師であることは把握しております。しかし、我が家に残る先祖伝来の伝承に何回も貴方は登場し、そしてその度に我が一族の先祖に付きまとっていたと記録されており、我が一族の貴方は要注意変態として……」
「えっ、いつの話です??心当たりしかなく……ただ、お父様、その僕につけ狙われたご先祖さま方は誰ひとりとして逃げきれていなかったこともご存じですよね」
圧がヤバイ。父上も相当圧はあるのに、なんだろうそれを凌駕する何かが、多分狂気がこの男にはある。
「それは知っているが……」
「私は、グレッグをこの世で一番幸せにします。はじめて結婚を了承してくれた大切な大切な宝物ですから。そんなグレッグと私を引き裂くと言われるのであれば……」
「父上、僕は嫌々この男と結婚するのではなく、同意の上です。なので問題ありません。確かにルーク殿下を救うために合意しましたが、別にこの男のことそれほど嫌いではありませんから」
「グレッグちゃんの嫌いでないはむしろ好きね。パパ、グレッグちゃんがそういうなら私は良いと思いますよ」
いつの間にかやってきていた母上がにこやかにそう言うとリーンハルトの顔があからさまに明るくなる。
「しかし、そのこの人はとても要注意変態で……」
「パパも一番大好きなルーカス陛下に対して変態的ですわ。でもいいじゃないですか。人間、みんなどこか変態ですもの」
母上がとんでもない爆弾を投げた気がしたが、リーンハルトがもう首がもげそうなほど頷いている。
「うう、しかし、そのグレッグは私の息子で、その私は幸せに……」
「リーンハルト様、貴方はグレッグちゃんをそれはそれは幸せにしてくださるとお約束頂けるのですわよね??」
「もちろん。この世で一番幸せにどんなことがあってもしますし、それが私の幸せでもありますから」
その言葉に母上な花のような笑みを浮かべて、父上を見る。その母上とリーンハルトの言葉に大きくため息をついてから、
「絶対にグレッグを幸せにしてください。息子を悲しませたり不幸にしたら絶対に許しませんから」
といった。リーンハルトの粘り勝ちだった。
無事?に家族からの了承も得たため、僕はリーンハルトと結婚した、というか許可されてすぐに書類提出がされていた。あまりにスピーディーすぎて引いたが、リーンハルト曰く「グレッグとの大切な時間を1秒も無駄にしたくない」とのことだ。
そして、その結果、当然訪れたのが……。
「私のグレッグ、やっと夫婦になれたからいっぱい気持ち良くしてあげるからね」
「……」
夫婦の大切なコミュニケーション、つまり初夜である。
我が家の応接間にやってきたリーンハルトが、父上に挨拶をした。父上は珍しく困惑している。そして僕の方を見ている。どうやら自体が全く飲み込めていないらしい。
当たり前だ。ルーク殿下捜索に行った息子が殿下を連れて帰ってきたと同時に謎の男と結婚すると言っているのだから。僕でもいきなりこの状況になったら父上と同じ顔をするだろう。
「ああ、イガルク帝国の皇帝陛下の側近である魔術師殿。貴殿とは外交の場で何度かお会いしていたと記憶しております」
「はい。そうですね。ベルダンディ公爵殿とは計5回お会いしております。その度にとても懐かしい感覚を感じる方と思っておりましたが、まさか私の義父になられる方だったとは。もっと親睦を深めておけばよかった」
キラキラ笑顔で言っているが、正直父上はとても困っているだろう。基本的にこういう形で困惑させるのは我が家側であることが多い。しかしリーンハルトは明かに父上を困らせている。
「ははは、その何故息子と貴方が婚約を……」
「違います、婚姻、結婚します。これは偉大なる神に誓って揺るがない事実です、なんなら書面だけならもうすぐにでも出したいです。そして大切なグレッグをただただ幸せにしてあげたいのです。そうすることが私の幸せでもありますので」
とろーり蕩けるリーンハルトと化したその顔は、砂糖菓子を煮詰めて砂糖を足したのなんか比でないほどにドロドロの甘々な表情であり、恍惚通り越した恍惚でもう意味がわからないし間違いなく正気でない。
「グレッグ、この人と本当に結婚するつもりか??」
父上が物凄い眉間に皺を寄せて言った。
「ええ。ルーク殿下を救うために病む負えずですが、結婚を承諾してしまったので……」
「ルークのために??確かにルークは大切な大切な幼子だが、グレッグそのためにお前の生涯をヤバイものに売る必要はない。私は確かにお前には厳しくルークを守るように教育を施してきて、お前は立派に育った。しかし、そのために不幸になるなんてだめだ、絶対に」
思わぬ反応に思わず目を見開く。父上にとってルーカス陛下とルーク殿下は特別な存在であり、僕や母上はいつも蚊帳の外にいると認識していた。だからルーク殿下を救うために変な魔術師と結婚することになっても「うむ、仕方ない、ルークを守ったのだから」と言われるとばかり思っていた。
「何故ですか??ルーク殿下を僕は無事に救いました。そのためなら僕の人生など……」
「グレッグ。『お前の人生など』なんて言葉は二度と使うな。『お前の人生も大切』なのだ、だから安易に訳の分からない変な人と結婚したりなんて……」
「お父様の中で、私は相当変な人認定なのですね」
リーンハルトは相変わらずニコニコしているが、なんか闇を感じる。そこへすかさず父上は続けた。
「変な人というか危険人物認定です。リーンハルト殿、貴方が優れた魔術師であることは把握しております。しかし、我が家に残る先祖伝来の伝承に何回も貴方は登場し、そしてその度に我が一族の先祖に付きまとっていたと記録されており、我が一族の貴方は要注意変態として……」
「えっ、いつの話です??心当たりしかなく……ただ、お父様、その僕につけ狙われたご先祖さま方は誰ひとりとして逃げきれていなかったこともご存じですよね」
圧がヤバイ。父上も相当圧はあるのに、なんだろうそれを凌駕する何かが、多分狂気がこの男にはある。
「それは知っているが……」
「私は、グレッグをこの世で一番幸せにします。はじめて結婚を了承してくれた大切な大切な宝物ですから。そんなグレッグと私を引き裂くと言われるのであれば……」
「父上、僕は嫌々この男と結婚するのではなく、同意の上です。なので問題ありません。確かにルーク殿下を救うために合意しましたが、別にこの男のことそれほど嫌いではありませんから」
「グレッグちゃんの嫌いでないはむしろ好きね。パパ、グレッグちゃんがそういうなら私は良いと思いますよ」
いつの間にかやってきていた母上がにこやかにそう言うとリーンハルトの顔があからさまに明るくなる。
「しかし、そのこの人はとても要注意変態で……」
「パパも一番大好きなルーカス陛下に対して変態的ですわ。でもいいじゃないですか。人間、みんなどこか変態ですもの」
母上がとんでもない爆弾を投げた気がしたが、リーンハルトがもう首がもげそうなほど頷いている。
「うう、しかし、そのグレッグは私の息子で、その私は幸せに……」
「リーンハルト様、貴方はグレッグちゃんをそれはそれは幸せにしてくださるとお約束頂けるのですわよね??」
「もちろん。この世で一番幸せにどんなことがあってもしますし、それが私の幸せでもありますから」
その言葉に母上な花のような笑みを浮かべて、父上を見る。その母上とリーンハルトの言葉に大きくため息をついてから、
「絶対にグレッグを幸せにしてください。息子を悲しませたり不幸にしたら絶対に許しませんから」
といった。リーンハルトの粘り勝ちだった。
無事?に家族からの了承も得たため、僕はリーンハルトと結婚した、というか許可されてすぐに書類提出がされていた。あまりにスピーディーすぎて引いたが、リーンハルト曰く「グレッグとの大切な時間を1秒も無駄にしたくない」とのことだ。
そして、その結果、当然訪れたのが……。
「私のグレッグ、やっと夫婦になれたからいっぱい気持ち良くしてあげるからね」
「……」
夫婦の大切なコミュニケーション、つまり初夜である。
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