10 / 68
09.わずかな痕跡を探して(アルバス視点)
「やっと、やっとたどり着いた……」
僕は、あの日に見た死体にずっと違和感を感じていた。
いくらルーファス、いや、違うここは尊敬の意味を込めてご主人様とお呼びしたい。
ご主人様の死体であっても骸とは腐敗するものだ。死体が何らかの理由で腐敗菌が繁殖しない条件下にあって、外気と長期間遮断された果てに死体が腐らない事例は聞いてことがあるがそれに当てはまる様子ではなかった。
あんな粗末な袋に詰められていて損壊していいないことがおかしい。だからあの死体は偽物だと判断した、いや、判断しなければ、ご主人様が生きていると思わなければおかしくなる、この広い世界で唯一、僕をゴミムシのような目で見ながら踏みつけて良い存在が失われるなんて絶対に許されない。
だから、可能性をひとつひとつ確認していたが、その時に不自然なことがひとつある事実に気づいた。
王妃には、隣国からついてきた何人か忠臣がいたが、ご主人様が死んだとされるタイミングからそのひとりが消えていることを調べ上げた。その人物は王妃の護衛騎士として隣国からやってきた男で、王妃の信頼も厚い人物だった。
そんな人物が消えたため、王妃はだいぶ狼狽えたようだったが行ったことがことだったので公にできなかったという証言が取れている。
(……その男が、ご主人様を殺したと見せかけて攫った??何のために……)
灰色の頭脳を持つ僕でもそこから先の考えが進まない時、新聞社がスクープとして王妃が療養していることを記事にした。
表向き王妃は国民に人気があったので、それを心配して沢山の手紙やものが王城に届いた。
国民に愛される王妃が、実の子を長年虐待して、双子のひとりを殺したなどと知れたらその地位が失墜するだろうなと思いながらも国王陛下は結局王妃に甘い裁定を下した。その時点で、国王陛下への忠誠心も歪み始めていたが何かするにはいろいろなことが足りなかった。
諸々のモヤモヤする感覚は、結局腹立たしいがノクスとしか共有できないことも理解していた。だから、ご主人様が死んだ日から腑抜けになった男を王妃宛のものが届いた部屋に運んだ。
「ノクス、これを見てみろ」
そうして意地悪く眼前にその山をみせると、魂の抜けていた目に怒りが沸いてくるのが分かった。
「……これは」
「王妃殿下のご病気が公表されて、その見舞いだそうだ。皮肉な話だ。死んだわけでもないのに、王妃殿下を見舞うものはたくさんあるのに、あの方への弔いをするものは僕らと国王陛下しかいなかった……」
国王陛下については、正直思うところがあるがノクスがどう思っているかまだ読めないので一応加えておいた。しかし、僕の話など聞いていないかのように急にノクスが手紙の山の中から一通の何の変哲もない手紙を拾い上げた。
「どうした??かってに触ったら……」
「アルバス、この手紙から、あの方の、殿下の匂いがするんだ」
しばらく見ていなかった、変態的な恍惚の表情を浮かべるノクスが気持ち悪いなと思いながらも、この男は狼の神の血を引くものであり、異常なほどの嗅覚を持っている。
「本当か??」
「間違いない。俺があの方の匂いを間違える訳がない」
言いきった姿もとっても気持ち悪かったが、これは使えるとも思った。
そこから、ふたりで手紙の出所を探した。宛先の記載はなかったが消印からそれが国境の街から届いたものであることを探り当てて、該当の街でも聞き込みをしようとおもったが……、
「アルバス、殿下の匂いがする!!」
と街についた瞬間、急にノクスが走り出して国境に近い地点にある1軒の家の前までやってきたが、客がいるようで玄関口でなにやらはなしをしていたが……。
突然、ノクスが剣を抜いて駆け出したので止めることができなかった。
「……殿下に、気安く触れるな!!」
僕は、あの日に見た死体にずっと違和感を感じていた。
いくらルーファス、いや、違うここは尊敬の意味を込めてご主人様とお呼びしたい。
ご主人様の死体であっても骸とは腐敗するものだ。死体が何らかの理由で腐敗菌が繁殖しない条件下にあって、外気と長期間遮断された果てに死体が腐らない事例は聞いてことがあるがそれに当てはまる様子ではなかった。
あんな粗末な袋に詰められていて損壊していいないことがおかしい。だからあの死体は偽物だと判断した、いや、判断しなければ、ご主人様が生きていると思わなければおかしくなる、この広い世界で唯一、僕をゴミムシのような目で見ながら踏みつけて良い存在が失われるなんて絶対に許されない。
だから、可能性をひとつひとつ確認していたが、その時に不自然なことがひとつある事実に気づいた。
王妃には、隣国からついてきた何人か忠臣がいたが、ご主人様が死んだとされるタイミングからそのひとりが消えていることを調べ上げた。その人物は王妃の護衛騎士として隣国からやってきた男で、王妃の信頼も厚い人物だった。
そんな人物が消えたため、王妃はだいぶ狼狽えたようだったが行ったことがことだったので公にできなかったという証言が取れている。
(……その男が、ご主人様を殺したと見せかけて攫った??何のために……)
灰色の頭脳を持つ僕でもそこから先の考えが進まない時、新聞社がスクープとして王妃が療養していることを記事にした。
表向き王妃は国民に人気があったので、それを心配して沢山の手紙やものが王城に届いた。
国民に愛される王妃が、実の子を長年虐待して、双子のひとりを殺したなどと知れたらその地位が失墜するだろうなと思いながらも国王陛下は結局王妃に甘い裁定を下した。その時点で、国王陛下への忠誠心も歪み始めていたが何かするにはいろいろなことが足りなかった。
諸々のモヤモヤする感覚は、結局腹立たしいがノクスとしか共有できないことも理解していた。だから、ご主人様が死んだ日から腑抜けになった男を王妃宛のものが届いた部屋に運んだ。
「ノクス、これを見てみろ」
そうして意地悪く眼前にその山をみせると、魂の抜けていた目に怒りが沸いてくるのが分かった。
「……これは」
「王妃殿下のご病気が公表されて、その見舞いだそうだ。皮肉な話だ。死んだわけでもないのに、王妃殿下を見舞うものはたくさんあるのに、あの方への弔いをするものは僕らと国王陛下しかいなかった……」
国王陛下については、正直思うところがあるがノクスがどう思っているかまだ読めないので一応加えておいた。しかし、僕の話など聞いていないかのように急にノクスが手紙の山の中から一通の何の変哲もない手紙を拾い上げた。
「どうした??かってに触ったら……」
「アルバス、この手紙から、あの方の、殿下の匂いがするんだ」
しばらく見ていなかった、変態的な恍惚の表情を浮かべるノクスが気持ち悪いなと思いながらも、この男は狼の神の血を引くものであり、異常なほどの嗅覚を持っている。
「本当か??」
「間違いない。俺があの方の匂いを間違える訳がない」
言いきった姿もとっても気持ち悪かったが、これは使えるとも思った。
そこから、ふたりで手紙の出所を探した。宛先の記載はなかったが消印からそれが国境の街から届いたものであることを探り当てて、該当の街でも聞き込みをしようとおもったが……、
「アルバス、殿下の匂いがする!!」
と街についた瞬間、急にノクスが走り出して国境に近い地点にある1軒の家の前までやってきたが、客がいるようで玄関口でなにやらはなしをしていたが……。
突然、ノクスが剣を抜いて駆け出したので止めることができなかった。
「……殿下に、気安く触れるな!!」
あなたにおすすめの小説
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】確かにモブ…私モブのはずなんです!
水江 蓮
恋愛
前世の記憶を持つミュリエルは、自分の好きだった乙女ゲームに転生していることに気がついた。
しかもモブに!
自分は第三者から推しを愛でれると思っていたのに…
あれ?
何か様子がおかしいな…?
5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!
158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・
2話完結を目指してます!
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……