【完結済み】男装姫はお役御免になったので自由に生きるつもりがなぜか過保護なストーカーだらけになりました

ひよこ麺

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56.カラクリ01

(……ありえない)

一番ありえない事態に驚いていると、いままで大人しくみていたアルバスが前に出た。

「なるほど、カサンドラ伯爵殿が言うことが本当であれば、この影武者は貴方のとても血が近いということになるが、それは大問題ではないか??それに私の考えが正しければもっと恐ろしいことが分かるかもしれない。カサンドラ伯爵、貴方の血をもう少し頂いて……ルーファス殿下、貴方の血も頂きたい」

指に針を刺すのが怖いのか涙目のルーファス殿下の目を隠しながらウェイが優しく針を刺して、血を差し出した。そこで呆けていたカサンドラ伯爵が正気になったのか叫んだ。

「やめろ!!!!」

ふたつの血が混ざりあうと、機械は私の時と同じ赤い光を灯した。

「これはなんて恐ろしいことだ。カサンドラ伯爵、貴方は王妃殿下と密通していたのか??その結果このふたりが生まれたのか??恐ろしい。国王陛下に忠誠を誓いながらなんて恐ろしい方だ!!」

煽るようにそう捲し立てたアルバスに、カサンドラ伯爵が叫ぶ。

「そんなわけあるか!!このふたりと私に血のつながりなどない!!」

「なら、この機械に誤りがあることになる。そんな機械で王族かもしれない方々を鑑定するなんて不敬ではありませんかな??」

「それは……」

カサンドラ伯爵が何か言い返せないか考えていた時、大人しく黙っていたローザが叫んだ。

「この機械に誤りはないわ。だってこの私がお父様の子だってちゃんと結果が出たじゃない。なら、間違っているわけない。つまり、私以外はカサンドラ伯爵が不貞で作った子なんだからどちらにしろ王族から排して殺すべきよ」

残酷な表情でそう言いきったローザに、一瞬カサンドラ伯爵は何かを悩むような表情をしたが、すぐに覚悟したようにつづけた。

「そうだ。この機械に誤りはない。国王陛下……申し訳ございません」

突然、変わった態度に、カサンドラ伯爵の意図を理解した。たとえ自身が死ぬことになってもローザを王位につけることが彼の目的なのだと。

それを理解した瞬間、このままでは私も兄も不貞の子ということになりさらには処刑されてしまう。やっと忌み子の運命から解き放たれたというのに、不名誉すぎる。

そこで、アルバスは微笑みながら指を針で刺した。その瞬間どこか恍惚とした表情を浮かべた気がするが見なかったことにする。

「僕にはひとつ気になることがあるんですよ。例えば……、僕の血とカサンドラ伯爵の血を混ぜてみます」

いい顔で血を混ぜるとやはりランプは赤く点滅した。あまりの事態に場が完全に沈黙に包まれた。

「おかしいですね。僕とカサンドラ伯爵には絶対に血のつながりなんてないのに、どうしてこれは赤く光ったんでしょうか??次に僕とルーファス殿下の血を混ぜます」

すると今度は白く光が点滅した。つまり、アルバスとルーファス殿下は親類ということになる。だんだん頭が混乱してきた頃に、アルバスが私の血と自身の血も混ぜる。やはり白く光が点滅した。

私達とアルバスは親戚なので当然だろう。

「つまり、ルーファス殿下、影武者。君たちと僕には親類程度の血のつながりがあるらしい。そう考えたなら、ルーファス殿下と影武者の血を混ぜたなら最低でも白く光ると思うのですが……」

私と兄の血が混ざると今までで一番明るく青い光が灯った。

「青く光りましたね」

「だから、なんだというんだ。アルバス様と血のつながりがあっても、このふたりに血のつながりがないだけで……」


「それはあり得ない。だってふたりは少なくともカサンドラ伯爵との血のつながりがあるなら父方は同じはずだ。それなのになぜ青く光ったのでしょうか??」
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