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35:カルナック公爵との話合い03
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カルナック公爵はそう言うと、何かを考えながら話はじめた。
「ルシオンもそうだが、何故、私とギムレットを親子だと思っているんだい??何らかの根拠があって言っているとはわかっているがその根拠を教えてほしい」
その言葉に、例の写真のことをカルナック公爵に話した。すると、カルナック公爵の表情が何か確信したものへと変わったのが分かる。
「なるほど。だから彼も何故か私とギムレットを親子として語っていたのか。結論から言おう。ギムレットと私は異母兄弟。レイノックは甥っ子であり私の子ではない」
「でも……」
反論をしようとしてフッとあることに気付いた。何故、拙者とビッチ氏はあの写真から3人を親子だとか思ったのだろうというところだ。
顔が似ているとか瞳の色が同じとかそういうレベルで、何故か断定したはずだ。しかし、よく考えればその程度のことで断定するのは明かに早計ではないだろうか。けれど、今目の前で否定されるまでの間ずっとそれは揺るがない事実だと考えていた。
「あ、あの……だとしたら娼館の主は、ギムレットと名乗ったレイノックということになるのでござるか??」
「いや、ギムレットで間違いないはずだ。レイノックは……養子に出されて今は全く違う名前で貴族の子として育っているはずだよ。君が見たという写真は多分レイノックが養子に出る前に私も甥っ子に一目会いたくてギムレットの元を訪れた際に撮影した写真のはずだ。それ以外で3人で写るものはない」
そう答えるが、明らかにギムレット殿の年齢が合わない。それになんだか色々と引っかかり考え込んだ。
(何がこんなに引っかかるのでござろうか??)
「可愛いルシオン。いつでもおじしゃまはルシオンの味方でいたいけれど、今回の件は第三者から聞いていても何故ルシオンが公爵がギムレットの父親だと思っていたのかわからない。写真を見た、その写真にカルナック公爵とその娼館の連中が写っていた。それだけで普段のかしこ可愛いルシオンなら親子と判断するかな??」
叔父上の言葉にハッとする。あの時、確かに拙者とビッチ氏はその写真を見ただけで彼らが親子だと思った。それについて考えてフッと何が決めてでそう思い込んだのかを考えた。
(そうだ、紫色の瞳……)
貴族でも珍しいその瞳の色から、カルナック公爵の息子だと思ったのだ。
「その、カルナック公爵様。ギムレット殿の瞳は紫色でした。そこからふたりに血縁があると思ったのです」
「やはり……、ガリラヤ男爵令息も同じことを言っていた。しかし……ギムレットは紫ではなく赤い目をしている。これについては絶対に間違いない」
珍しく断言したカルナック公爵は少し悩んでいた。それは拙者に対してというよりは叔父上がいると言いにくいことのようだったけれど、叔父上は空気とかは全く読まないタイプなのでキリッとした顔でそれをスルーしている。仕方ないので拙者からお願いすることにした。
「叔父上、ちょっと席を外していただけないか??」
「だめだ。こんなに可愛い可愛いルシオンがクラシックメイドさん(ノーパン)状態で、心に疚しさのあるカルナック公爵とその手先とふたりきりとか、ああ、絶対いけない過ちの香りしかない」
そんな叔父上の発言に、普段は穏やかな自負のある拙者もちょっとイラっとしてしまった。
「叔父上、それ以上セクシャルハラスメントをするなら叔父上のこと……嫌いになりますぞ」
あんまり効果はないかもしれないが、それくらいは言ってもいいかもしれない。
「嫌だ!!ルシオンに嫌われたらおじしゃまは生きていけない。やっと、やっとこの戦いが終わったらおじしゃまとルシオンは結婚するのに!!」
「いや、しないですし。後、それ死亡フラグでござる。叔父上、真剣に聞いてください」
真剣な目で叔父上を見る。
そんなやりとりに置いてけぼりだったカルナック公爵は、何故か意を決したように拙者達を見た。
「ルシオン、そして閣下。私は『真実の目』のスキルを持っているのです。なのでギムレットの目は絶対に赤だと断言ができます。それが紫に見えたのならそれは『色変え』等の魔法が使われていたと思われる」
『真実の目』とは物事の本質や、真実の姿が見えるというスキルでとても稀有なものだと聞いている。その能力が公爵になるのなら、ギムレット殿の瞳は赤だったのだろう。
「ただ、実は先にガリラヤ男爵令息と接した時にも感じたのだけれど、もっと複雑な『暗示』がかけられていた可能性が高い」
「『暗示』でござるか??」
『暗示』というと言葉に背筋が冷たくなる。『魅了』もそうだがこの世界は精神に何らかの影響をもたらす魔法のようなものが多く存在するらしい。
「ああ。『暗示』は特定の事柄を紐づけし、そう思い込ませるというスキルだ。しかし、『暗示』は媒介もいるし……そうか、そういうことか」
何かに納得したようにカルナック公爵が手を叩いた。
「えっとつまりどういうことでござるか??」
「ギムレットは、『色変え』のスキル持ちだ。これについては幼い頃から彼を関わっていたので間違いない。ギムレットはわざと君達に紫色の目の状態で会っていた。そして、それをトリガーに『暗示』が使える能力者が『ギムレットの目が紫ならカルナック公爵と親子関係がある』と考えるように仕向けたのだと思う。そして、偶然、私と彼らが写る写真を見たことでそれが確信になったのだろう」
「ルシオンもそうだが、何故、私とギムレットを親子だと思っているんだい??何らかの根拠があって言っているとはわかっているがその根拠を教えてほしい」
その言葉に、例の写真のことをカルナック公爵に話した。すると、カルナック公爵の表情が何か確信したものへと変わったのが分かる。
「なるほど。だから彼も何故か私とギムレットを親子として語っていたのか。結論から言おう。ギムレットと私は異母兄弟。レイノックは甥っ子であり私の子ではない」
「でも……」
反論をしようとしてフッとあることに気付いた。何故、拙者とビッチ氏はあの写真から3人を親子だとか思ったのだろうというところだ。
顔が似ているとか瞳の色が同じとかそういうレベルで、何故か断定したはずだ。しかし、よく考えればその程度のことで断定するのは明かに早計ではないだろうか。けれど、今目の前で否定されるまでの間ずっとそれは揺るがない事実だと考えていた。
「あ、あの……だとしたら娼館の主は、ギムレットと名乗ったレイノックということになるのでござるか??」
「いや、ギムレットで間違いないはずだ。レイノックは……養子に出されて今は全く違う名前で貴族の子として育っているはずだよ。君が見たという写真は多分レイノックが養子に出る前に私も甥っ子に一目会いたくてギムレットの元を訪れた際に撮影した写真のはずだ。それ以外で3人で写るものはない」
そう答えるが、明らかにギムレット殿の年齢が合わない。それになんだか色々と引っかかり考え込んだ。
(何がこんなに引っかかるのでござろうか??)
「可愛いルシオン。いつでもおじしゃまはルシオンの味方でいたいけれど、今回の件は第三者から聞いていても何故ルシオンが公爵がギムレットの父親だと思っていたのかわからない。写真を見た、その写真にカルナック公爵とその娼館の連中が写っていた。それだけで普段のかしこ可愛いルシオンなら親子と判断するかな??」
叔父上の言葉にハッとする。あの時、確かに拙者とビッチ氏はその写真を見ただけで彼らが親子だと思った。それについて考えてフッと何が決めてでそう思い込んだのかを考えた。
(そうだ、紫色の瞳……)
貴族でも珍しいその瞳の色から、カルナック公爵の息子だと思ったのだ。
「その、カルナック公爵様。ギムレット殿の瞳は紫色でした。そこからふたりに血縁があると思ったのです」
「やはり……、ガリラヤ男爵令息も同じことを言っていた。しかし……ギムレットは紫ではなく赤い目をしている。これについては絶対に間違いない」
珍しく断言したカルナック公爵は少し悩んでいた。それは拙者に対してというよりは叔父上がいると言いにくいことのようだったけれど、叔父上は空気とかは全く読まないタイプなのでキリッとした顔でそれをスルーしている。仕方ないので拙者からお願いすることにした。
「叔父上、ちょっと席を外していただけないか??」
「だめだ。こんなに可愛い可愛いルシオンがクラシックメイドさん(ノーパン)状態で、心に疚しさのあるカルナック公爵とその手先とふたりきりとか、ああ、絶対いけない過ちの香りしかない」
そんな叔父上の発言に、普段は穏やかな自負のある拙者もちょっとイラっとしてしまった。
「叔父上、それ以上セクシャルハラスメントをするなら叔父上のこと……嫌いになりますぞ」
あんまり効果はないかもしれないが、それくらいは言ってもいいかもしれない。
「嫌だ!!ルシオンに嫌われたらおじしゃまは生きていけない。やっと、やっとこの戦いが終わったらおじしゃまとルシオンは結婚するのに!!」
「いや、しないですし。後、それ死亡フラグでござる。叔父上、真剣に聞いてください」
真剣な目で叔父上を見る。
そんなやりとりに置いてけぼりだったカルナック公爵は、何故か意を決したように拙者達を見た。
「ルシオン、そして閣下。私は『真実の目』のスキルを持っているのです。なのでギムレットの目は絶対に赤だと断言ができます。それが紫に見えたのならそれは『色変え』等の魔法が使われていたと思われる」
『真実の目』とは物事の本質や、真実の姿が見えるというスキルでとても稀有なものだと聞いている。その能力が公爵になるのなら、ギムレット殿の瞳は赤だったのだろう。
「ただ、実は先にガリラヤ男爵令息と接した時にも感じたのだけれど、もっと複雑な『暗示』がかけられていた可能性が高い」
「『暗示』でござるか??」
『暗示』というと言葉に背筋が冷たくなる。『魅了』もそうだがこの世界は精神に何らかの影響をもたらす魔法のようなものが多く存在するらしい。
「ああ。『暗示』は特定の事柄を紐づけし、そう思い込ませるというスキルだ。しかし、『暗示』は媒介もいるし……そうか、そういうことか」
何かに納得したようにカルナック公爵が手を叩いた。
「えっとつまりどういうことでござるか??」
「ギムレットは、『色変え』のスキル持ちだ。これについては幼い頃から彼を関わっていたので間違いない。ギムレットはわざと君達に紫色の目の状態で会っていた。そして、それをトリガーに『暗示』が使える能力者が『ギムレットの目が紫ならカルナック公爵と親子関係がある』と考えるように仕向けたのだと思う。そして、偶然、私と彼らが写る写真を見たことでそれが確信になったのだろう」
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