57 / 68
53.社畜サラリーマンは義弟と対峙する
しおりを挟む
ムサカリ絵馬をなんとか回避して戻ってきて目を開くと、そこには完全にカオスな状況となっていた。
「なっ、どうしてこんなことに??」
そこには、なぜか志鶯が血まみれになり倒れていてそれをヘイズが必死に応急処置していた。全く何が起きたのか分からなかったが、その様子を見ただけで竜帝陛下はすぐに何かを把握したように静かな声で言った。
「……なるほど、ヘイズ。余がその異世界人の傷を治そう。彼はどうやら無防備になった余とシヅルを狙ったアナイスの魔の手から身を挺して守ってくれたのだからな」
竜帝陛下の言葉が私には信じられなかった。
なぜ、志鶯がそんなことをしたのかがわからなかったが、思った以上に自分が動揺していることに驚く。
「志鶯は助かりますか??」
「……」
思ったより震えた声で問いかけた私に、いつもなら『簡単だ』と口にするだろう竜帝陛下が黙り込んでいる。その表情は難しく、それが難しいことを示していた。
「あっ……」
「シヅル……すまない」
竜帝陛下が首を振り苦し気に答えた言葉に頭の中が真っ白になる。
志鶯のことを弟として大切におもっていたということはない、そう言いきれる位には私と志鶯の関係は志鶯が一方的に懐いているような関係だった。
しかも、それが原因で間接的によくないことが起きたことも多く正直好きではなかった。それに父から赤の他人だという事実を聞いた今、本来なら何も感じないはずだ、そのはずなのに胸が痛い。
「志鶯……」
胸から沢山の血を流しながら、目を閉じている志鶯の名前を呼んだ。
いつもならすぐに『兄さん』と答える口が言葉を紡がずただ、今にも途絶えそうな浅い呼吸がわずかに漏れていた。
「にぃ……ちゃん」
そう言ってほんのわずかに開いた瞳と目が合う。その表情はまだ幼い日に私の後を必死に追いかけて来た志鶯そのものだった。
(私は、お前のことが苦手だった。でも……嫌いではなかったんだな)
しっくりくる感情が胸に浮かんだ時、私の瞳から一筋の涙が零れて志鶯の顔に落ちた、その時……、私の体が以前一度あったように黄金に発光し、その光が志鶯を包み込んだ。
「……死ぬな志鶯」
「なっ、どうしてこんなことに??」
そこには、なぜか志鶯が血まみれになり倒れていてそれをヘイズが必死に応急処置していた。全く何が起きたのか分からなかったが、その様子を見ただけで竜帝陛下はすぐに何かを把握したように静かな声で言った。
「……なるほど、ヘイズ。余がその異世界人の傷を治そう。彼はどうやら無防備になった余とシヅルを狙ったアナイスの魔の手から身を挺して守ってくれたのだからな」
竜帝陛下の言葉が私には信じられなかった。
なぜ、志鶯がそんなことをしたのかがわからなかったが、思った以上に自分が動揺していることに驚く。
「志鶯は助かりますか??」
「……」
思ったより震えた声で問いかけた私に、いつもなら『簡単だ』と口にするだろう竜帝陛下が黙り込んでいる。その表情は難しく、それが難しいことを示していた。
「あっ……」
「シヅル……すまない」
竜帝陛下が首を振り苦し気に答えた言葉に頭の中が真っ白になる。
志鶯のことを弟として大切におもっていたということはない、そう言いきれる位には私と志鶯の関係は志鶯が一方的に懐いているような関係だった。
しかも、それが原因で間接的によくないことが起きたことも多く正直好きではなかった。それに父から赤の他人だという事実を聞いた今、本来なら何も感じないはずだ、そのはずなのに胸が痛い。
「志鶯……」
胸から沢山の血を流しながら、目を閉じている志鶯の名前を呼んだ。
いつもならすぐに『兄さん』と答える口が言葉を紡がずただ、今にも途絶えそうな浅い呼吸がわずかに漏れていた。
「にぃ……ちゃん」
そう言ってほんのわずかに開いた瞳と目が合う。その表情はまだ幼い日に私の後を必死に追いかけて来た志鶯そのものだった。
(私は、お前のことが苦手だった。でも……嫌いではなかったんだな)
しっくりくる感情が胸に浮かんだ時、私の瞳から一筋の涙が零れて志鶯の顔に落ちた、その時……、私の体が以前一度あったように黄金に発光し、その光が志鶯を包み込んだ。
「……死ぬな志鶯」
55
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる