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54.竜帝陛下と光の女神(ヘイズ視点)
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眩い光は、あの日私の番を救われた眩い光の繭が異世界の人を包んだのが分かった。
「ノブレス・オブリージュ」
そして、ペット様を世にも美しい人に変貌させた。それはまさに女神のようなお姿で平伏したくなる。
女神の治療により、異世界の人の傷口は塞がり、荒い息は穏やかな寝息に変わる。
「よし」
そう、女神の言葉が漏れて安心したのも束の間、
場違いな悲鳴が上がる。
「どうして……お兄様、なんでそんなヤツを助けるの!!」
金切り声に近いそれはアナイスから放たれたものだった。
元から狂って見える瞳孔が完全に開いて、睨みつけている。
しかし、美しい女神様はその声に答えはしなかった。
「なぜ、何故あなたはいつも、僕にだけ、僕にだけ笑いかけてくれない!!僕が、僕が一番あなたを愛しているのに!!」
「それは違う」
キッパリとした声でペット様はアナイスを制した。
「私は知っていた。お前は、お前を愛してはくれない最愛の母親の面影を私に見ただけだ。お前のそれは執着で、愛ではない」
「ちがう、ちがう!!」
アナイスがそう叫びながら闇の矢をペット様に放とうとした、その時、巨大な白い触手「聖根」が、アナイスに絡みついて軌道が外れた。
「なっ……」
「余を忘れてもらっては困る」
余裕のある笑みを浮かべているラム様だが、闇属性とは相性が悪いのでしんどい中でも笑みを浮かべている。
「……竜帝陛下」
「……ルゼル、其方の望む結末を」
その言葉と呼応するように光の繭が再び生まれると、それがアナイスに絡みついたのを見計らうように『聖根』は女神を包む。
それが回復魔法であることはわかっていたがあまりの神々しさに自然と涙が溢れた。
「な、なに??」
予想外の事態に狼狽えるアナイスに女神は慈愛に満ちた笑みを浮かべる。
まさに、それは聖母のような美しさを湛えておりアナイスの瞳から苦痛とは違う涙が溢れた。
「ノブレス・オブリージュ、還なさい。迷える壊れた魂……」
それがアナイスを包むと何千年の怨念が浄化されるのがわかる。
闇が消えていくと同時にアナイスな体がまるでチリのように崩れていく。
自身の力を上回る呪詛を使い続けた代償だろう。
「お……にぃさぁま……お……かぁさぁま」
子供のような声が最期に聞こえたきり私がもっとも憎んだ男は完全にキラキラと光る光の砂粒にかわり、それは風に舞うように消えていったのだった。
「ノブレス・オブリージュ」
そして、ペット様を世にも美しい人に変貌させた。それはまさに女神のようなお姿で平伏したくなる。
女神の治療により、異世界の人の傷口は塞がり、荒い息は穏やかな寝息に変わる。
「よし」
そう、女神の言葉が漏れて安心したのも束の間、
場違いな悲鳴が上がる。
「どうして……お兄様、なんでそんなヤツを助けるの!!」
金切り声に近いそれはアナイスから放たれたものだった。
元から狂って見える瞳孔が完全に開いて、睨みつけている。
しかし、美しい女神様はその声に答えはしなかった。
「なぜ、何故あなたはいつも、僕にだけ、僕にだけ笑いかけてくれない!!僕が、僕が一番あなたを愛しているのに!!」
「それは違う」
キッパリとした声でペット様はアナイスを制した。
「私は知っていた。お前は、お前を愛してはくれない最愛の母親の面影を私に見ただけだ。お前のそれは執着で、愛ではない」
「ちがう、ちがう!!」
アナイスがそう叫びながら闇の矢をペット様に放とうとした、その時、巨大な白い触手「聖根」が、アナイスに絡みついて軌道が外れた。
「なっ……」
「余を忘れてもらっては困る」
余裕のある笑みを浮かべているラム様だが、闇属性とは相性が悪いのでしんどい中でも笑みを浮かべている。
「……竜帝陛下」
「……ルゼル、其方の望む結末を」
その言葉と呼応するように光の繭が再び生まれると、それがアナイスに絡みついたのを見計らうように『聖根』は女神を包む。
それが回復魔法であることはわかっていたがあまりの神々しさに自然と涙が溢れた。
「な、なに??」
予想外の事態に狼狽えるアナイスに女神は慈愛に満ちた笑みを浮かべる。
まさに、それは聖母のような美しさを湛えておりアナイスの瞳から苦痛とは違う涙が溢れた。
「ノブレス・オブリージュ、還なさい。迷える壊れた魂……」
それがアナイスを包むと何千年の怨念が浄化されるのがわかる。
闇が消えていくと同時にアナイスな体がまるでチリのように崩れていく。
自身の力を上回る呪詛を使い続けた代償だろう。
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