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観劇
ロイドの秘策
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ロイドは、いつになく凄みのあるレナルドに圧倒され、自分が一国の皇子であることを改めて思い出さられた。
一国の皇子であるからには、いつ何時も自分の決断には自信と誇りが必要なのだ。
ロイドはそのことを決して忘れていたわけではなかったが、己の未熟さに甘えていたのだった。
リラに出逢い、ロイドはどれほどまでに、教えられ勇気づけられ励まされたかわからない。
そんな大切な女性が、今、目の前で奪われようとしているのにも関わらず、尻込みし泣き言しか吐けないとはなんとも情けない。
恋愛が不得手だから?
リラが誘いにのらないから?
リラとクライヴとの間に入り込む隙がないから?
そんなことを言い訳にするくらいなら、逸そのこと諦めればいいのだ。
それでも、リラが欲しい思うのであれば、それ相応の覚悟を持ってクライヴに挑む覚悟がしかなのだ。
このまま、未練満々でリラを逃したら、ロイドはリラに出逢う前の情けない男に逆戻りだろう。
それだけは、なんとしても避けなければならない。
これから皇族として、皇子として、様々な障害や局面に出会すだろう。
その度に、このような情けない態度を取ってはいられないのだ。
せめて、男として、皇子として、恥じぬ行動を取れとレナルドは自分に喝をいれているのだ。
ロイドはそのことにまざまざ気付かされた。
ロイドの瞳に消え去ろうとしていた闘志が芽生え始めた。
「すまない…。情けないことを言っていた。このまま引き下がるわけにはいかないな。」
ロイドは姿勢を正し、ウィスキーをぐっと飲み込んだ。
それを見てレナルドは安堵の表情を浮かべた。
「それにしても、なんとかしてリラとの距離を縮めなければ…。」
ロイドは思い悩んだが、この三年間散々試していて、全て失敗に終わっているのだった。
「とりあえず、学園では積極的に声をかけましょう。さすがのアクイラ国皇子でも学園には容易く訪れません。休憩時間、昼食時、下校時など他の令嬢の目も顧みず話しかけてください。」
「そ、そうか…。」
レナルドにそう言われて、ロイドは一瞬尻込みした。
授業と授業の合間のたった数分の休憩時間でさえロイドの席には令嬢が集まのだ。
これらの令嬢に対して普段のロイドは波風立てないように相手をしていた。
しかし、覚悟を決めた今、もう形振りかまってはいられないのだ。
「ロイド様、状況をわかってますか?」
ロイドの心情を見透かしたようにレナルドはロイドを睨みつけた。
「わ、わかっている!」
ロイドは咳払いをしながら答えるも、レナルドは盛大に溜息を吐き両手をあげた。
「わかっている!形振りかまっていられないんだろう!」
ロイドは強くレナルドに訴えた。
「それと、授業後は、なるべくリラ嬢をお誘いしなくてはなりません。これ以上、アクイラ国皇子と一緒に過ごされては、失恋は目に見えています。」
レナルドは構わず話を進めた。
ロイドとレナルドは、この三年間でのリラのとの過ごした時間を思い浮かべた。
「晩餐、茶会、観劇。はあ、ダメだ。すべて失敗している…。放課後に図書館で書籍の紹介なら付き合ってくれたが、図書館は他の人の目もあるし、とてもふたりきりという雰囲気ではない。何よりリラ嬢も書籍を熟読していることが多かった。」
(なんとかアクイラ国皇子のようにリラ嬢と蕩けるような雰囲気にすることはできないものか。)
ロイドは頭を掻き首を捻った。
「あ。そういえば、一昨年の感謝祭で出店が並んだときは、リラ嬢と見に行きませんでしたっけ?」
レナルドは不意にそのことを思い出した。
確かアビーが出店を見に授業終わりに出かけないかとリラを誘っていたのだ。
そして、たまたま近くにいたロイドとレナルドにも声をかけられたのだったと記憶していた。
「あー。『皆』でな。」
ロイドは頬杖をつきながら、不貞腐れたように返事した。
レナルドは閃いたように目を輝かせた。
「ロイド様。これですよ。リラ嬢は複数人での行動では断りません。思い出してください。学園祭の打ち上げはいつもご参加されいます。」
「ああ、そうだな。だが、私にはいつも令嬢が集まり、リラ嬢はアビーとクリスティーヌと談笑していることが常だ。ふたりきりになれなければ意味がないだろう…。」
ロイドは未だにピンと来ていないのか頬杖をついていた。
「ロイド様。以前から思っていたのですが、『ふたりきり』に拘りすぎではないですか。」
レナルドは白い目でロイドを見た。
確かにロイドは、今までリラと『ふたりきり』になる機会ばかり伺っていた。
「『ふたりきり』でなくても、リラ嬢の隣で他愛ない会話をすること、時にはスムーズにエスコートすること、それこそが女性の気を引く第一歩なのではないでしょうか。ロイド様は、容姿もさることながら第二皇子という特別な立場故に、常に令嬢が取り巻いておりますが、大抵の男性はこのような慎ましい努力をして意中の女性を口説くものです。」
ロイドの脳裏に衝撃が走った。
ロイドの周囲には常に令嬢が集まるせいで気づかなかったが、大抵の令息はこのように努力をしていたのかと今更ながら思い知ったのであった。
確かに、廊下で男子生徒がリラに話しかけている姿をよく見かけた。
その度にロイドは遠目から羨ましく思ったいたが、レナルドが言っているまさにこれだとは夢にも思わなかった。
「リラ嬢を本当にご自分のものにしようと思うのであれば、ご自身のもつ、ふたつの武器に甘んじてはなりません。ロイド様。最後の機会かもしれません。先ほどご自身でもおっしゃってましたら、形振りかまっていられないのです。」
「わかった…。」
ロイドは、またもや凄みのあるレナルドに気圧されつつも、真っ直ぐレナルドの瞳を見て頷いた。
☆ ☆ ☆
翌日。
昼休憩の合図のベルがなるとアビーとクリスティーヌと共に教室から出て行こうとするリラに、ロイドは慌てて話しかけた。
「ご令嬢方、もしよろしければ昼食に私とレナルドも混ぜてもらってもよろしいだろうか。」
三人はいつにない誘いに驚き顔を見合わせたが、その誘いを快く承諾した。
五人は、中庭のテーブルで昼食を取った。
「ご令嬢方、急な申し出にも関わらず、快く混ぜていただき感謝する。」
ロイドは改めて挨拶すると、それとなくリラの隣に座った。
「ロイド様からのお誘いには、少しばかり驚いただけですよ。」
リラは笑顔でそう答えるとアビーとクリスティーヌも頷いた。
ロイドは皆表情に安堵すると、レナルドと昨晩考えた秘策について話し出した。
「ありがとう。そうそう。週末の予定はいかがだろうか。もしよければ、卒業も近いことだし、思い出作りに皆で観劇とははいかがだろうか。」
「まあ!観劇ですか!私、週末の公演に興味がございましたの!」
思わずアビーがそう口すると、ロイドとレナルドはテーブルの下で拳をぐっと握った。
「ですが、今からチケットなど取り寄せられるのでしょうか。」
「そこは問題ございません。私の方で用意させていただきます。」
クリスティーヌの疑問にレナルドは間髪入れずに答えると、クリスティーヌは嬉しそうな表情を浮かべた。
さて、残る問題はリラだけであった。
この観劇はリラを誘うためのもの、リラが行かなくては元も子もないのだった。
「リラ嬢は忙しいだろうか。」
ロイドは今にも心臓が飛び出そうになりながら、必死に平常心を装い尋ねた。
一国の皇子であるからには、いつ何時も自分の決断には自信と誇りが必要なのだ。
ロイドはそのことを決して忘れていたわけではなかったが、己の未熟さに甘えていたのだった。
リラに出逢い、ロイドはどれほどまでに、教えられ勇気づけられ励まされたかわからない。
そんな大切な女性が、今、目の前で奪われようとしているのにも関わらず、尻込みし泣き言しか吐けないとはなんとも情けない。
恋愛が不得手だから?
リラが誘いにのらないから?
リラとクライヴとの間に入り込む隙がないから?
そんなことを言い訳にするくらいなら、逸そのこと諦めればいいのだ。
それでも、リラが欲しい思うのであれば、それ相応の覚悟を持ってクライヴに挑む覚悟がしかなのだ。
このまま、未練満々でリラを逃したら、ロイドはリラに出逢う前の情けない男に逆戻りだろう。
それだけは、なんとしても避けなければならない。
これから皇族として、皇子として、様々な障害や局面に出会すだろう。
その度に、このような情けない態度を取ってはいられないのだ。
せめて、男として、皇子として、恥じぬ行動を取れとレナルドは自分に喝をいれているのだ。
ロイドはそのことにまざまざ気付かされた。
ロイドの瞳に消え去ろうとしていた闘志が芽生え始めた。
「すまない…。情けないことを言っていた。このまま引き下がるわけにはいかないな。」
ロイドは姿勢を正し、ウィスキーをぐっと飲み込んだ。
それを見てレナルドは安堵の表情を浮かべた。
「それにしても、なんとかしてリラとの距離を縮めなければ…。」
ロイドは思い悩んだが、この三年間散々試していて、全て失敗に終わっているのだった。
「とりあえず、学園では積極的に声をかけましょう。さすがのアクイラ国皇子でも学園には容易く訪れません。休憩時間、昼食時、下校時など他の令嬢の目も顧みず話しかけてください。」
「そ、そうか…。」
レナルドにそう言われて、ロイドは一瞬尻込みした。
授業と授業の合間のたった数分の休憩時間でさえロイドの席には令嬢が集まのだ。
これらの令嬢に対して普段のロイドは波風立てないように相手をしていた。
しかし、覚悟を決めた今、もう形振りかまってはいられないのだ。
「ロイド様、状況をわかってますか?」
ロイドの心情を見透かしたようにレナルドはロイドを睨みつけた。
「わ、わかっている!」
ロイドは咳払いをしながら答えるも、レナルドは盛大に溜息を吐き両手をあげた。
「わかっている!形振りかまっていられないんだろう!」
ロイドは強くレナルドに訴えた。
「それと、授業後は、なるべくリラ嬢をお誘いしなくてはなりません。これ以上、アクイラ国皇子と一緒に過ごされては、失恋は目に見えています。」
レナルドは構わず話を進めた。
ロイドとレナルドは、この三年間でのリラのとの過ごした時間を思い浮かべた。
「晩餐、茶会、観劇。はあ、ダメだ。すべて失敗している…。放課後に図書館で書籍の紹介なら付き合ってくれたが、図書館は他の人の目もあるし、とてもふたりきりという雰囲気ではない。何よりリラ嬢も書籍を熟読していることが多かった。」
(なんとかアクイラ国皇子のようにリラ嬢と蕩けるような雰囲気にすることはできないものか。)
ロイドは頭を掻き首を捻った。
「あ。そういえば、一昨年の感謝祭で出店が並んだときは、リラ嬢と見に行きませんでしたっけ?」
レナルドは不意にそのことを思い出した。
確かアビーが出店を見に授業終わりに出かけないかとリラを誘っていたのだ。
そして、たまたま近くにいたロイドとレナルドにも声をかけられたのだったと記憶していた。
「あー。『皆』でな。」
ロイドは頬杖をつきながら、不貞腐れたように返事した。
レナルドは閃いたように目を輝かせた。
「ロイド様。これですよ。リラ嬢は複数人での行動では断りません。思い出してください。学園祭の打ち上げはいつもご参加されいます。」
「ああ、そうだな。だが、私にはいつも令嬢が集まり、リラ嬢はアビーとクリスティーヌと談笑していることが常だ。ふたりきりになれなければ意味がないだろう…。」
ロイドは未だにピンと来ていないのか頬杖をついていた。
「ロイド様。以前から思っていたのですが、『ふたりきり』に拘りすぎではないですか。」
レナルドは白い目でロイドを見た。
確かにロイドは、今までリラと『ふたりきり』になる機会ばかり伺っていた。
「『ふたりきり』でなくても、リラ嬢の隣で他愛ない会話をすること、時にはスムーズにエスコートすること、それこそが女性の気を引く第一歩なのではないでしょうか。ロイド様は、容姿もさることながら第二皇子という特別な立場故に、常に令嬢が取り巻いておりますが、大抵の男性はこのような慎ましい努力をして意中の女性を口説くものです。」
ロイドの脳裏に衝撃が走った。
ロイドの周囲には常に令嬢が集まるせいで気づかなかったが、大抵の令息はこのように努力をしていたのかと今更ながら思い知ったのであった。
確かに、廊下で男子生徒がリラに話しかけている姿をよく見かけた。
その度にロイドは遠目から羨ましく思ったいたが、レナルドが言っているまさにこれだとは夢にも思わなかった。
「リラ嬢を本当にご自分のものにしようと思うのであれば、ご自身のもつ、ふたつの武器に甘んじてはなりません。ロイド様。最後の機会かもしれません。先ほどご自身でもおっしゃってましたら、形振りかまっていられないのです。」
「わかった…。」
ロイドは、またもや凄みのあるレナルドに気圧されつつも、真っ直ぐレナルドの瞳を見て頷いた。
☆ ☆ ☆
翌日。
昼休憩の合図のベルがなるとアビーとクリスティーヌと共に教室から出て行こうとするリラに、ロイドは慌てて話しかけた。
「ご令嬢方、もしよろしければ昼食に私とレナルドも混ぜてもらってもよろしいだろうか。」
三人はいつにない誘いに驚き顔を見合わせたが、その誘いを快く承諾した。
五人は、中庭のテーブルで昼食を取った。
「ご令嬢方、急な申し出にも関わらず、快く混ぜていただき感謝する。」
ロイドは改めて挨拶すると、それとなくリラの隣に座った。
「ロイド様からのお誘いには、少しばかり驚いただけですよ。」
リラは笑顔でそう答えるとアビーとクリスティーヌも頷いた。
ロイドは皆表情に安堵すると、レナルドと昨晩考えた秘策について話し出した。
「ありがとう。そうそう。週末の予定はいかがだろうか。もしよければ、卒業も近いことだし、思い出作りに皆で観劇とははいかがだろうか。」
「まあ!観劇ですか!私、週末の公演に興味がございましたの!」
思わずアビーがそう口すると、ロイドとレナルドはテーブルの下で拳をぐっと握った。
「ですが、今からチケットなど取り寄せられるのでしょうか。」
「そこは問題ございません。私の方で用意させていただきます。」
クリスティーヌの疑問にレナルドは間髪入れずに答えると、クリスティーヌは嬉しそうな表情を浮かべた。
さて、残る問題はリラだけであった。
この観劇はリラを誘うためのもの、リラが行かなくては元も子もないのだった。
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