DARK BRAVE

やさひと

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序章

最初の世界3

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ガコン
郵便物が入れられた
ここには新聞やチラシが来ないつまり郵便物が来ることは夜の仕事を意味している
ガチャッ     ガツッ
扉を開けると何かにぶつかる
そこにはダンボールが置いてあった
開けると夜の仕事をする時の服とナイフが入っていた
郵便物の中を確かめると時間と場所を指定した地図が入っていた




指定された時間よりも30分ほど早く着いた
着いた先は教会だった
地図に書いてあった十字架はこのことだったのかと思いながら扉を開けた
ギーー    バタン
教会と言っても誰にも使われてい無いのであろう
中には誰も居なかった
いつもは黒服が迎えに来て案内されてきたから不思議な感覚だ

「俺はここでまた人を殺すのだろうか」

不意に言葉が漏れ出た
正面にあるステンドガラスから差し込む光が照らしている所に腰掛ける
眠くなり気付かないうちに寝ていた




『目覚めよ少年』
目を開けるとそこは教会ではなく神々しい誰かと自分が座っている椅子以外何も無い真っ暗な所だった
理解できずまた寝ようとすると
『寝るで無い』
さっきの声はこの人だったのかと気づく
…………

『我が名はゼウス
   人々から全知全能の神として崇められるものである』
…………

『寝るで無いと言っておるでわないか』
耳がキーンとなった
「んじゃあ証明してくれよ」
『そうだな。それではこの空間を作っているのは儂であるのだがそれでは足りぬか』
辺りを見回していると
『はっはっは 大人気ないことを言ってしまったかの』
大人気ある発言なんて今までも特になかったろ
口には出していなかったが
『聴こえておるぞ』
顔に出てたか?
よく居るんだよなあ、そ言うハッタリかます大人
ガツーン
『神を煽るでない』
目の前の人影は一切動いていないのに上から拳だけが降って来た
「はぁ  あんたが神様だってのは分かった。その神様が何で俺なんかのところに来た?」
『そうだな。それでは本題に入ろう』


少しの静寂の後に神は言った
『お主はまだ生きたいか』
「まぁできるなら」
『そうか、はぁ」
「何でそこでため息をつく必要があるんだ?」
『お主は自分の命に対して執着がなさすぎる』
「いやそんなことは
『ある。普通の人間なら今の問いをされればまず自分が死ぬのかどうかを聞く。なのにお主はできれば生きたいと言った。つまり死んでも構わない、そう思っている』
その言い方に腹が立ち言い返す
「そんなこと決めつけるな!俺にだって生きたいと思う意思はある。ただ俺はたくさんの命をこの手で殺めて来た。そんな俺を神であるあんたが許すわけにいかないだろ」
『はっはっはそうか。お主はそんなことを考えるのだな』
「何がおかしい」
『お主はこ言うのも何だが恵まれていない。あの国で学問をまともに学べぬ子供はそうそうおらぬからな』
「何が言いたいんだ」
『そんな環境で育っておきながら誰かの身になって何かを考える。それは優しいと言えるだろう』
「何言ってんだよ  俺は今まで殺して来た奴らのことを考えたことなんかないんだぞ」
『そうかそうか。お主はな、これから今までお主が支えて来た雇い主に殺される。お主が今居る教会の外には無数の黒服たちが銃火器を装備し待ち構えておる。このまま戻れば数分後に蜂の巣になるであろう』
「もし生き残ったらどうなる」
『そうだな。確かにこの後そのことを知ったお主がその状況を切り抜ける可能性もある。だがお主を雇っていた奴はイカレておる、もし誘われている日中の仕事で食っていこうと思っているならそれは無理だ。奴はそこにまで手を伸ばしボロボロにするであろう。その後復讐のために殴り込みに行き死すであろう』
「そうか、なら教会でじっとして死を待つのがいいな」
『そうではない』
ピキッ ピキキキキ 
目の前の人影の周りにヒビが入って行き

パリン

黒一色だった風景がどこかの空の上のようになった
顔が見えていなかった人影が明るくなったことで見えるようになった
『儂はお主にこう言ったはずだ。【お主はまだ生きたいか】と、そしてお主は曖昧ながらも生きたいと言った。ならば儂はお主がこの先も生きていく道を提示せねばなるまい』
「ここは一体どこなんだ?」
『お主が第二の生を謳歌する地である』
「第二の生?」
『そうじゃ。お主はあの世界ではどう転ぼうともまともになるのは難しいであろう。であるのなら、お主にあった世界に行くべきだと判断した。この地はお主がいた地よりも科学が発達しておらず魔族が生まれ出した実力主義とも言える地だ。お主にうってつけだと思わぬか』
俺は内心困っていた
「なぁ、何であんたはそこまでして俺を生かそうとしてくれるんだ?あんたは俺の全てを知っているようだから言うけど確かに俺は恵まれていなかったと思う。ただ俺はさっきも言ったが人を殺して生きてきた。正直俺はそこまでして助かってもいいのか」
『確かにこの瞬間に死ぬやもしれぬ命はお主だけではない。つまりこの話をしているのは誰でもよかったわけではない。言うなればこれは幸、不幸の問題ではない。儂がお主を選んだのだそうこれは運命なのだ』
「俺にそこまでする理由があるのか」
『お主は確かに人を殺めた。その数34人、であれば次は救えばいいであろう。お主が超えてきた屍に意味を与えてやるしかお主が報いることはできん。さて選べ、このまま教会に戻り死を待つか、それかこの世界に行き善行をなすか』
「もし俺があっちの世界に行って何もしなかったらどうするんだ?」
『儂は正直それでも構わないと思っておるのだ』
「え?」
『ただお主はこちらの世界に行くのに理由が必要だと言うので言ったまでだ』
その言葉は暖かくて心地よかった
「何か最後にあんたが本当の神様なんだと思ったよ」
『はっはっは   それでは心は決まったか』
「ああ。俺に何ができるのかはわかんねえがその世界に行かせてもらうぜ」
そ言うと辺りが真っ暗に戻る
『良かろう。お主の第二の人生に幸あらんことを
そしてお主が笑って過ごせる日々が来ることを願おう』
パアァァ
そうして俺は光に包まれた
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