DARK BRAVE

やさひと

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第1章

第二の世界とスライム

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ガシャガシャ             スパッ       ガシャガシャ
森の中から人が現れる
「クソッここどこだよっ」


主人公は今道無き道を闊歩している。なぜかと言うと
             ーーーー遡ること数時間前ーーーー


「おい神様」
『そう言うでない親しみを込め、ゼウス様と呼ぶことを許すぞ』
「そうじゃねぇだろ。何だよ今の光は、あのまま送り出すのがセオリーだろ」
『儂もそう思っておったのじゃが。ちと言い忘れたことがあっての神様ウッカリ』
そう言うと神はおちゃらけた
「可愛くねえよ」
『はっはっは』
「それで言い忘れたことって何だよ」
『そうであったな、まぁ事務的なことなのだがお主にはスキルなるものを3つほど与えることができる。儂ほどのものともなればお主が望むものを与えることもできるのだが特にお主から要望とかはなかろう?』
「ああ、そうだな」
『はっはっは    そう言うところは儂は結構気に入っておるぞ』
「どうもっ、それで何が言いたいんだ?」
『まぁ本人には、いちよう伝えとこうと思っての。お主に与える3つのスキル、1つはお主が今までおった世界で数少ない憧れを抱いたこと。2つ目は儂からのプレゼントじゃ』
「そんな誇らしげにされてもなんて言っていいかわかんねえよ」
『そう言ったことを口に出すようになったのじゃな』
「いや単純に心で思っても読まれるからだろ」
『はっはっは   学習能力が高くて宜しい』
「それで、最後の1つは何なんだ」
『最後のひとつはまだ決まっておらん』
「どう言うことだよ」
『第3のスキルはお主が新たな世界で心の底から望んだものを授ける』
「良いのか?そんな事して。つまり俺はあっちの世界で役立ちそうなスキルを考えて願えばそれが叶うって事だろ」
『ただ単純に願えば良いわけではない。お主が心の底から望んだものだけだ』
「心の底から?」
『お主にはまだわからんだろう経験が無いことなぞそのようなものだ。それと3つ目のスキルの説明の記憶はあっちの世界に行くとだんだんと薄れて行く。まあ意識して決まるものでも無いゆえな』
「別に構わない」
『それでは改めて行くがよい」
また光に包まれた
すると足元に魔法陣らしきものが描かれた
『あっ座標固定してなかった』
「は?それって…
シュン


で今に至る
ナイフを振り回す、するとでかい蜘蛛らしきものが真っ二つになっていた
蜘蛛を切りつけたと同時くらいに広いところに出た、そのまま倒れこむ
「このくらいのやつアマゾンとかにいるんじゃねぇのか?」
空が狭い。もともといた世界も空が狭かったが何と言うかこの空の方が綺麗だ。遮っていたものが違うからだろう、あっちの世界では暑いだけだった日差しがここでは心地がいい。初めて浴びたが木漏れ日と言うやつだろう
そんなことを考えていると黒服のことを思い出した
あいつは俺の教育係だった。何も知らなかった俺は言い過ぎかもしれないが全てを教えてもらった。まぁあいつには子供が居るらしいからそいつに接する感じに近かったのかもしれない。その頃に昆虫図鑑やら動物図鑑を見たこともあった
隣に転がっているさっきの蜘蛛を見る
うーん、よくわからん
間近で見て気持ち悪くなり反対の方に寝転がる
              ピチャッ
手に何かが当たり驚いて立ち上がる
手が当たった辺りを見るとジェル状のような緑色の何かが膨らんでいる
「うっ何かの糞か?」
汚いものを払うように手を振っていると
「糞とは失敬な僕はれっきとしたスライムだスラ」
緑色の膨らみが喋っていた
「ん?何だよく見たら人間じゃないか、なら喋ってもしょうがないスラ」
「それはどいうことだ?」
「そんなの決まっているスラ。人間は魔物と喋ることができないんだスラ。そんなの常識…今喋ったのはお前スラ?」
「そうだ」
「スラァァァァ」
この驚き様?を見る限り俺がこいつと話すことができるのは異常なことなのだろう。つまりこれは神の言っていた能力というやつだろう。明確には言っていなかったが確かあっちの世界で望んだことと神からの贈り物ともう1つあった気がしたが覚えていない。少なくとも俺の願いでないことは確かだ。つまりこれが俺に対するプレゼントってことか?まぁ3つ目は思い出せないからその可能性もあるが、何がしたいのかわからねえ、神ってそういうものなのか?
「無視するなスラ」
1人で考え込んでいるとスライムが体当たりして来た。考えごとに夢中で気付かなかったがスライムが話しかけてきていた様だ
体勢を崩し尻餅をつく
「何すんだよ服が濡れたらどうすんだよ」
スライムは俺の腰ぐらいの高さまで飛んで体当たりをしてきたので腰辺りを触ってみると
「濡れてない」
「当然スラ。さっきは寝てたから体が液状に近かったけど今は起きてるからちゃんと個体になってるスラ」
「へぇー」
そう言ってスライムの体を指で突いてみる
ツン
本当に指に付かない。少し楽しくなりもう少し突く
ツンツン  ツンツン
「無闇に触るなスラ」
怒られた
「んじゃ俺行くわ」
「どこへ行くスラ?」
「特に目的地とかはねえけど、ここでじっとしてても仕方ねえしな」
「なら僕も一緒に行くスラ」
「なんで?」
「人間と話せるなんて珍しいことスラだから一緒に行くスラ」
「そんなもんか?」
「そんなもんスラ」
「そうか」
辺りを見渡す。
そう言えば今どこにいるのかも分からないんだった。だが俺には今頼れる?奴がいる
「なあ、この森を抜け出したいんだがどっちに行けばいい?」
「僕も目的地なく進んでたスラだから森の抜け方なんてわからないスラ」
仲間が1匹増えた。そして俺たちは迷子のようだ。
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