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第1章
卵の中身
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眼前に広がるのは真っ暗闇
「ここは森の中か?」
ポツリと呟く
だが目の前で起こる現象でここがどこだか気づく。人影が1人また1人と増えていく。これは俺の見ている夢の中だ。いつの間にか俺は寝てしまっていたらしい。少し思い出して見る
確かスライムにこれ以上動くのは危ないと言われ適当なところで夜を明かそうとした。そして俺はスライムが木の実を取って来る間に寝ていたから寝付けずにあたりを警戒していた。ふとスライムが持って来た卵が気になった、卵の中身は冷やすと死んでしまうと聞いたことがあったから適当に抱えていたら心地良くなったからその時に寝たんだろう。卵が暖かかったからきっと中の奴も寒くてあったまろうとしていたんだと思う
あたりを見渡す。いつもと変わらない夢、真っ暗闇なのに人影はちゃんと分かる。気味の悪い感覚
そして今更に思い出す。この夢の正体は俺の内に秘めた罪悪感、毎回この夢のあとはそれなりに心的ダメージを受ける。それがこんな短期間に2回も見ているんだ、現実でどうだかはわからないがとてつもない吐き気がする。
オエッ オエッ
ただ夢の中なので何も出ることはなかった。そして体の中が暑くなり嫌な汗が吹き出る感覚。周りの人影もいつもより激しく叫んでいる気がする。早く目覚めたいがこの夢は俺の意思で目覚めることはできない。どれだけ苦しかろうと耐えるしかないのだ。
その頃現実では
ピキピキッ ピキピキッ ピキピキピキピキー
パカッ コロン
卵が孵り殻の上半分が転がった。
男が抱えたまま寝てしまったため中の魔物は中々出られず、体を毛虫の様に動かし卵から抜け出す。そして立ち上がった。
中から出て来たのは鳥の様な人の子の様な形をした魔物だった。腕が翼になっており足も鳥の様な指三本ずつになっていた。だがそれ以外はほとんど人の子と変わりない。
その魔物はあたりを見渡し卵を抱えていた男を見つけた。近くまで寄って行き卵を引っ張る。力が弱く寝ている男からなかなか取ることができない。それでも取ろうとしてめいっぱい引っ張る。
スポンッ ゴロゴロー
卵の殻はどうにか取れたが勢い余って転がって行った。
テテテテテテ
その魔物が卵を持って男の所に走って戻って行きた。そして男が抱えていた腕のところに押し付けている。さっきの行為が気に入ったようだ。もう一回してもらおうと催促している様だ。だが男は寝ているため気づいていない。
ゴロン
寝ている男に卵を押し付けていた結果、横向きに寝ていた男は仰向けになった。そして寝ていた男の顔はかなり険しく苦しそうだった
魔物は翼を広げ苦しそうな男に覆いかぶさる様にして倒れた。そのまま男の上で寝た
戻って夢の中
人影達が言葉にならない叫びを上げて近づいて来ている様に感じる。こんな風になるのは初めてだ。
これは俺の中に残る亡霊達の最後の足掻きで俺の心を飲み込もうとしてるんじゃないか。そう感じるほどの言い知れない嫌悪感と吐き気が襲い来る。自分を諦めようとしたその時
ファー
暗闇だった世界に光が差し込む、それと同時につつみこまれる様な暖かさが体を覆った。騒がしかった人影達は静まり返り光が強くなるのと反対にだんだんと弱々しくなって行き、消えて行った
光が暗闇より強くなると景色が変わって行き俺は元居た世界の夢を見始めた
木々の合間から刺す日差しが瞳に差し込み夢から目覚める
心なしか体が重く起き上がるのが億劫だ。
周りを見渡す。昨日見たばかりの木々の中、変に元の世界の夢を見たせいで違和感を感じてしまう。少し離れたところに形が崩れたスライムとその近くに俺が食べた木ノ実、そして俺の腰に巻きつくモフモフ……
「何だこれ?」
無意識に口から言葉が漏れた。
寝る前は確かあたりを警戒しながら卵を抱えていたら……卵は?
横を見ると少し離れたところに卵の殻が転がっている。もう一度腰に巻きついているモフモフに目をやる。すると俺が体制を変えたりと動いたせいか卵の中身らしき魔物が起きた様だ。頭を小さく左右に動かし上を向いた。目が合う
「ハピィー」
どいうことだ?上を向いたそいつの顔は人間の子供の様だ。だが腕は翼の様になっているからきっとこいつは魔物だろう。そして殺意や敵意も感じない、ただ発した声は鳴き声の様に聞こえた。スライムと話せてこいつと話せないってことはスライムとしか話せないのか?それか初回限定だったのか?考えても仕方ない。よしもう一眠りしよう
魔物の子供がずっと見てくるのでとりあえず頭を撫で寝ようとすると
「何寝ようとしてるスラ」
スライムが起きた。問題を後回しにしようとしたところを止められてしまった。
起床
なかなか離れないモフモフを引き剥がし、そいつをスライムと俺が見る様な形で座る
「それでこいつは何なんだ」
「この魔物はたぶんハーピィスラ」
ハーピィと言われた魔物はじっとしていられず虫を追いかけ回している
「たぶん?」
「ハーピィ自体珍しい魔物スラ正直僕も見たことがないスラ」
「害はないのか?」
「大丈夫スラむしろハーピィには癒しの力があると言われているスラ」
ガシッ
虫がどっかに飛んで行き暇になったのか俺に抱きついて来た。そして俺に屈託のない笑みを見せつける
「一緒に来るか?」
「ハッピィ」
伝わっているのかはわからないがいい返事をした。きっと肯定ということだろう。
「こいつもこう言ってるし連れて行くことにする」
「待つスラこの森にハーピィがいない場合はお前と一緒にいることでそいつは人の子に間違えられるかもしれないスラ」
「お前って結構賢いんだな」
「茶化すんじゃないスラ」
「別に茶化したつもりはねえよ。俺がこいつを護ればいいんだろ」
俺は何を言っているんだ?
「本気で言っているのかスラ魔法も使えない人間が魔物に襲われた時にこいつを護りながら逃げるなんて無茶スラ」
「逃げんのが無理な時は戦えばいいだろ」
「本気で言っているのかスラ」
「ああ」
「好きにすればいいスラ僕はどうなっても知らないスラ」
「別にお前は無理についてこなくていいぞ?」
「僕も一緒に行くスラお前がどっかでのたれ死んだら人間はバカだったって言いふらしてやるスラ」
「そうかよ。なら人間の誇りにかけて頑張らないとな」
人殺しを指折りじゃ足りないほど繰り返した俺が言えた義理ではないがな
くっついているハーピィを立たせて俺も立つ。歩き始めるとついて来た。少し遅れてスライムも追って来た
「ここは森の中か?」
ポツリと呟く
だが目の前で起こる現象でここがどこだか気づく。人影が1人また1人と増えていく。これは俺の見ている夢の中だ。いつの間にか俺は寝てしまっていたらしい。少し思い出して見る
確かスライムにこれ以上動くのは危ないと言われ適当なところで夜を明かそうとした。そして俺はスライムが木の実を取って来る間に寝ていたから寝付けずにあたりを警戒していた。ふとスライムが持って来た卵が気になった、卵の中身は冷やすと死んでしまうと聞いたことがあったから適当に抱えていたら心地良くなったからその時に寝たんだろう。卵が暖かかったからきっと中の奴も寒くてあったまろうとしていたんだと思う
あたりを見渡す。いつもと変わらない夢、真っ暗闇なのに人影はちゃんと分かる。気味の悪い感覚
そして今更に思い出す。この夢の正体は俺の内に秘めた罪悪感、毎回この夢のあとはそれなりに心的ダメージを受ける。それがこんな短期間に2回も見ているんだ、現実でどうだかはわからないがとてつもない吐き気がする。
オエッ オエッ
ただ夢の中なので何も出ることはなかった。そして体の中が暑くなり嫌な汗が吹き出る感覚。周りの人影もいつもより激しく叫んでいる気がする。早く目覚めたいがこの夢は俺の意思で目覚めることはできない。どれだけ苦しかろうと耐えるしかないのだ。
その頃現実では
ピキピキッ ピキピキッ ピキピキピキピキー
パカッ コロン
卵が孵り殻の上半分が転がった。
男が抱えたまま寝てしまったため中の魔物は中々出られず、体を毛虫の様に動かし卵から抜け出す。そして立ち上がった。
中から出て来たのは鳥の様な人の子の様な形をした魔物だった。腕が翼になっており足も鳥の様な指三本ずつになっていた。だがそれ以外はほとんど人の子と変わりない。
その魔物はあたりを見渡し卵を抱えていた男を見つけた。近くまで寄って行き卵を引っ張る。力が弱く寝ている男からなかなか取ることができない。それでも取ろうとしてめいっぱい引っ張る。
スポンッ ゴロゴロー
卵の殻はどうにか取れたが勢い余って転がって行った。
テテテテテテ
その魔物が卵を持って男の所に走って戻って行きた。そして男が抱えていた腕のところに押し付けている。さっきの行為が気に入ったようだ。もう一回してもらおうと催促している様だ。だが男は寝ているため気づいていない。
ゴロン
寝ている男に卵を押し付けていた結果、横向きに寝ていた男は仰向けになった。そして寝ていた男の顔はかなり険しく苦しそうだった
魔物は翼を広げ苦しそうな男に覆いかぶさる様にして倒れた。そのまま男の上で寝た
戻って夢の中
人影達が言葉にならない叫びを上げて近づいて来ている様に感じる。こんな風になるのは初めてだ。
これは俺の中に残る亡霊達の最後の足掻きで俺の心を飲み込もうとしてるんじゃないか。そう感じるほどの言い知れない嫌悪感と吐き気が襲い来る。自分を諦めようとしたその時
ファー
暗闇だった世界に光が差し込む、それと同時につつみこまれる様な暖かさが体を覆った。騒がしかった人影達は静まり返り光が強くなるのと反対にだんだんと弱々しくなって行き、消えて行った
光が暗闇より強くなると景色が変わって行き俺は元居た世界の夢を見始めた
木々の合間から刺す日差しが瞳に差し込み夢から目覚める
心なしか体が重く起き上がるのが億劫だ。
周りを見渡す。昨日見たばかりの木々の中、変に元の世界の夢を見たせいで違和感を感じてしまう。少し離れたところに形が崩れたスライムとその近くに俺が食べた木ノ実、そして俺の腰に巻きつくモフモフ……
「何だこれ?」
無意識に口から言葉が漏れた。
寝る前は確かあたりを警戒しながら卵を抱えていたら……卵は?
横を見ると少し離れたところに卵の殻が転がっている。もう一度腰に巻きついているモフモフに目をやる。すると俺が体制を変えたりと動いたせいか卵の中身らしき魔物が起きた様だ。頭を小さく左右に動かし上を向いた。目が合う
「ハピィー」
どいうことだ?上を向いたそいつの顔は人間の子供の様だ。だが腕は翼の様になっているからきっとこいつは魔物だろう。そして殺意や敵意も感じない、ただ発した声は鳴き声の様に聞こえた。スライムと話せてこいつと話せないってことはスライムとしか話せないのか?それか初回限定だったのか?考えても仕方ない。よしもう一眠りしよう
魔物の子供がずっと見てくるのでとりあえず頭を撫で寝ようとすると
「何寝ようとしてるスラ」
スライムが起きた。問題を後回しにしようとしたところを止められてしまった。
起床
なかなか離れないモフモフを引き剥がし、そいつをスライムと俺が見る様な形で座る
「それでこいつは何なんだ」
「この魔物はたぶんハーピィスラ」
ハーピィと言われた魔物はじっとしていられず虫を追いかけ回している
「たぶん?」
「ハーピィ自体珍しい魔物スラ正直僕も見たことがないスラ」
「害はないのか?」
「大丈夫スラむしろハーピィには癒しの力があると言われているスラ」
ガシッ
虫がどっかに飛んで行き暇になったのか俺に抱きついて来た。そして俺に屈託のない笑みを見せつける
「一緒に来るか?」
「ハッピィ」
伝わっているのかはわからないがいい返事をした。きっと肯定ということだろう。
「こいつもこう言ってるし連れて行くことにする」
「待つスラこの森にハーピィがいない場合はお前と一緒にいることでそいつは人の子に間違えられるかもしれないスラ」
「お前って結構賢いんだな」
「茶化すんじゃないスラ」
「別に茶化したつもりはねえよ。俺がこいつを護ればいいんだろ」
俺は何を言っているんだ?
「本気で言っているのかスラ魔法も使えない人間が魔物に襲われた時にこいつを護りながら逃げるなんて無茶スラ」
「逃げんのが無理な時は戦えばいいだろ」
「本気で言っているのかスラ」
「ああ」
「好きにすればいいスラ僕はどうなっても知らないスラ」
「別にお前は無理についてこなくていいぞ?」
「僕も一緒に行くスラお前がどっかでのたれ死んだら人間はバカだったって言いふらしてやるスラ」
「そうかよ。なら人間の誇りにかけて頑張らないとな」
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