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人間達が暮らすエリアから北西へ数千里――――。広大なノアニ川と肥沃な土壌を有するエリアにエルフ達が暮らす『ノアニール』はあった。ウィンリィは『ノアニール』の繁華街にあるキャバクラ『エルフガーデン』を目指して歩く。エルフという種族の多くは自然との共生、あるいは晴耕雨読といったような生活を好む為、繁華街といっても人間界のような賑やかさはなく、キャバクラという娯楽も前衛的であったため、ウィンリィにとって『エルフガーデン』を見つける事は容易かった。木々がおおいしげり、雑居ビル等もなくポツポツと一戸建ての店が立ち並ぶ中に『エルフガーデン』の看板が見えた。
ウィンリはふぅっと深呼吸をしてから、キャバクラでは見慣れない木造りの扉を開けた。
「こんにちは。カブキリティから来たウィンリィという者ですが~。」
下調べで分かっていた事だが内装は人間界のキャバクラのような”イケイケ感”は少なく、それでいて証明や椅子等のデザインにはこの店のこだわりが垣間見えた。”イケイケ”というより”アーティスティック”な印象をウィンリィは受けた。
「おっ君が!待っていたよウィンリィちゃん。今日からよろしくね。」
奥の方から店長とおもわしき小太りで優しそうなエルフの男が出てきた。
「私の名はルドルフ。ここ『エルフガーデン』の店長をしている。何しろ我々エルフはキャバクラの世界に疎く、まだまだ発展途上だからウィンリィちゃんには期待してるよ!それにしても今回マイケル店長は凄い人材を選んでくれたもんだ。ひょっとしてウィンリちゃんってカブキリティのナンバーワンとかじゃあないよねぇ?向うも一時的とはいえ稼ぎ頭が抜けると痛いだろうしなぁ?人間界のキャバクラはハイスペックな嬢ばかりのようだねぇ!」
”私がナンバーワン!?痛烈な皮肉のつもりなのかしら…?でも…そんな事を言う人には見えないけど…。”
出会い頭に溜息をつかれる覚悟だったウィンリィは想定外の反応をするエルフの店長に拍子抜けした。そう言えば聞いた事がある…。人間界のアメーリカエリアではしゅっとした小顔ではなくエラの張ったジパング人の女性の方がモテるとか何とか…。
「じゃあウィンリィちゃん、私から特に言う事はないからいつも通りにやってくれていいから!むしろキャバクラを手探りでやってる段階の私達が学ばせてもらう立場だ。逆に何か用意するものとかあったら教えてほしいくらいだ。ガハハ。」
カブキリティの売上ワーストの私にそんなに期待されても困るのだが…。とにかくいつも通りと言われたのだから変に気負わず接客に努めよう…。
ウィンリィはふぅっと深呼吸してから椅子の配置や店内を見渡しイメージトレーニングを始めた。昨日覚えたメニューも頭の中で復唱して…。空を見つめてブツブツ独り言を言うウィンリィはふとルドルフ店長の視線に気づいた。
「えっと…、何かありますか?ルドルフ店長?」
「いっいや!本当綺麗だなと思って!ごめんねセクハラだよね!その目を見ていると本当殺されるんじゃないかってゾクゾクするよ!」
”殺されるかもしれない”という恐怖の感情がもしかしてエルフ界ではトキメキになる…?そんなわけの分からない仮説を立てる自分に「いやいや」と首を振った後、ウィンリィは口をきゅっと真一文字に結び『エルフガーデン』での初日に備えた。
ウィンリはふぅっと深呼吸をしてから、キャバクラでは見慣れない木造りの扉を開けた。
「こんにちは。カブキリティから来たウィンリィという者ですが~。」
下調べで分かっていた事だが内装は人間界のキャバクラのような”イケイケ感”は少なく、それでいて証明や椅子等のデザインにはこの店のこだわりが垣間見えた。”イケイケ”というより”アーティスティック”な印象をウィンリィは受けた。
「おっ君が!待っていたよウィンリィちゃん。今日からよろしくね。」
奥の方から店長とおもわしき小太りで優しそうなエルフの男が出てきた。
「私の名はルドルフ。ここ『エルフガーデン』の店長をしている。何しろ我々エルフはキャバクラの世界に疎く、まだまだ発展途上だからウィンリィちゃんには期待してるよ!それにしても今回マイケル店長は凄い人材を選んでくれたもんだ。ひょっとしてウィンリちゃんってカブキリティのナンバーワンとかじゃあないよねぇ?向うも一時的とはいえ稼ぎ頭が抜けると痛いだろうしなぁ?人間界のキャバクラはハイスペックな嬢ばかりのようだねぇ!」
”私がナンバーワン!?痛烈な皮肉のつもりなのかしら…?でも…そんな事を言う人には見えないけど…。”
出会い頭に溜息をつかれる覚悟だったウィンリィは想定外の反応をするエルフの店長に拍子抜けした。そう言えば聞いた事がある…。人間界のアメーリカエリアではしゅっとした小顔ではなくエラの張ったジパング人の女性の方がモテるとか何とか…。
「じゃあウィンリィちゃん、私から特に言う事はないからいつも通りにやってくれていいから!むしろキャバクラを手探りでやってる段階の私達が学ばせてもらう立場だ。逆に何か用意するものとかあったら教えてほしいくらいだ。ガハハ。」
カブキリティの売上ワーストの私にそんなに期待されても困るのだが…。とにかくいつも通りと言われたのだから変に気負わず接客に努めよう…。
ウィンリィはふぅっと深呼吸してから椅子の配置や店内を見渡しイメージトレーニングを始めた。昨日覚えたメニューも頭の中で復唱して…。空を見つめてブツブツ独り言を言うウィンリィはふとルドルフ店長の視線に気づいた。
「えっと…、何かありますか?ルドルフ店長?」
「いっいや!本当綺麗だなと思って!ごめんねセクハラだよね!その目を見ていると本当殺されるんじゃないかってゾクゾクするよ!」
”殺されるかもしれない”という恐怖の感情がもしかしてエルフ界ではトキメキになる…?そんなわけの分からない仮説を立てる自分に「いやいや」と首を振った後、ウィンリィは口をきゅっと真一文字に結び『エルフガーデン』での初日に備えた。
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