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その他
ご飯はご飯
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サキュバスやインキュバス。日本だと夢魔、もしくは淫魔として有名な存在。
だけどそれは全部夢物語として話される存在で、実際にいるとはされていない。
と言われてるけど、実際は夜の蝶として生きてるんだから、人って結構間抜けよね。あるいは自分達が頂点だと浮かれて、それ以外の存在がいることを忘れてしまったのかしら。
「キューちゃん、今日は機嫌が良いね。何かあったの?」
おっと、お仕事中なのに思わず笑ってた。
「ええ、友人との会話を思い出して。楽しかったの」
まあ、にっこり微笑めば問題ないんだけど。いくらでも誤魔化せる。
そっか。その一言であっさり受け流してくれる。やっさしー。
今の仕事が仕事だから、あんまり深く聞かないことが暗黙の了解とされてるけど、ごくたまに勘違いした人が何でも知りたがるのよね。仕事と私事を混同しちゃいけないのにね? アホなのかなと思ったけど、勘違いさせるような商売をしてるから、まあ、うん、仕方ないかな?
正直お金に困ってないから同伴なんて面倒なだけなんだけど。アフターはもってのほか。食事の行為以外を求めてくるんだもの。
あ、また意識が他に飛んでた。いけないいけない。
……それにしても、お腹空いた。
「あれ? キューちゃんのお皿、あんまり減ってないね。もしかして口に合わなかった?」
「ううん、美味しいよ? ただこの後お仕事だから、食べ過ぎには気をつけてるだけ」
なーんて嘘。本音は味気ないなって思ってる。もっと香辛料のきいた物が口の中を刺激されて、ああ食べてるなって思うから好きなんだよね。美味しそうなのに人の食べ物を感じられない不便さというか、悔しさはあるけど仕方ない。
私達のような存在は、その人の体液が食事になるんだもの。
そろそろ時間だと席を立った、これからが。私にとっては食事の時間。
支払いを終えて、店を出て。お店に入る前の物陰で、こっそりキスして、唾液を絡ませて。
それを咀嚼した。
この人のは、少し甘くて美味しい。前に食べた人はとっても苦くて美味しくなかった。
もっと食べたいと思うけど、これ以上食べたら太っちゃうから我慢我慢。人は見てくれで判断するんだもの、見た目の維持には気をつけなくちゃ。
腕を絡ませながら、次のご飯はどんな味か思いを馳せた。
だけどそれは全部夢物語として話される存在で、実際にいるとはされていない。
と言われてるけど、実際は夜の蝶として生きてるんだから、人って結構間抜けよね。あるいは自分達が頂点だと浮かれて、それ以外の存在がいることを忘れてしまったのかしら。
「キューちゃん、今日は機嫌が良いね。何かあったの?」
おっと、お仕事中なのに思わず笑ってた。
「ええ、友人との会話を思い出して。楽しかったの」
まあ、にっこり微笑めば問題ないんだけど。いくらでも誤魔化せる。
そっか。その一言であっさり受け流してくれる。やっさしー。
今の仕事が仕事だから、あんまり深く聞かないことが暗黙の了解とされてるけど、ごくたまに勘違いした人が何でも知りたがるのよね。仕事と私事を混同しちゃいけないのにね? アホなのかなと思ったけど、勘違いさせるような商売をしてるから、まあ、うん、仕方ないかな?
正直お金に困ってないから同伴なんて面倒なだけなんだけど。アフターはもってのほか。食事の行為以外を求めてくるんだもの。
あ、また意識が他に飛んでた。いけないいけない。
……それにしても、お腹空いた。
「あれ? キューちゃんのお皿、あんまり減ってないね。もしかして口に合わなかった?」
「ううん、美味しいよ? ただこの後お仕事だから、食べ過ぎには気をつけてるだけ」
なーんて嘘。本音は味気ないなって思ってる。もっと香辛料のきいた物が口の中を刺激されて、ああ食べてるなって思うから好きなんだよね。美味しそうなのに人の食べ物を感じられない不便さというか、悔しさはあるけど仕方ない。
私達のような存在は、その人の体液が食事になるんだもの。
そろそろ時間だと席を立った、これからが。私にとっては食事の時間。
支払いを終えて、店を出て。お店に入る前の物陰で、こっそりキスして、唾液を絡ませて。
それを咀嚼した。
この人のは、少し甘くて美味しい。前に食べた人はとっても苦くて美味しくなかった。
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