女剣士の道は険しい?

星野 夜空

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本編

あいだのお話

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 あの子が都へ行って、もうすぐ一ヶ月。ご飯は食べているか、元気にしているか。何より、周りから何もされていないか。親として不安に思わない訳がなく、毎日朝夕の二回、ポストを確認する日々。
 夫であるあの人は大丈夫だろうって笑うけど、私と同じくらい、いいえ、それ以上に心配してるのは知ってるのよ?
 そんなある日、日課になったポストを見ると、新聞の他に一つの便箋があった。宛名を見て思わず声が上がる。待ちに待ったあの子からだわ!

「貴方、貴方! きたわよ手紙が! ラナからよ!」
「お、やっときたか! うまくいってるといいがなー」

 お互い顔を見合わせて笑う。お互い心配していたのは、長い間一緒にいたのだから分からないはずもない。だからこそ、手紙が届いた喜びも通じる。

『お父さん、お母さんへ
 二人とも元気にしていますか? 私は特に怪我もなく過ごしてます。二人が心配しているだろうイジメもなく、平穏な毎日です。
 特に、クラスメートでありチーム戦で協力する人達とは仲が良く、一緒にお昼を食べています。
 ただ不満ごとを言うのであれば、女子寮の部屋が足りなくて男子寮に夏までいなくてはならないことです。早く夏になってほしいです。それまでには一度、里帰りできたらと考えてます。
 もうすぐ季節の変わり目、体は大事になさってください。
 それではまた。
 ラナ』

 そうして手紙は締めくくられていて、あの子らしくて笑ってしまった。昔は会話が苦手で、人づきあいも好きじゃなかったのに。
 それが人と常にいるなんて、成長したのね。

「男だらけの寮って……! 大丈夫なのかラナは!?」
「本人が気にしてないのなら大丈夫なんじゃない?」

 何かと男の子と遊ぶことも多かったし、女の子だけの空間は逆に疲れてしまうんじゃないかしら? ……系統的にも。
 今でも宣告された日のことを鮮明に覚えてる。10年以上も経っているのに、まだ気にしてるのね。あの子の方が前向きになるのは早かったというのに。
 今もきっと、その運命を受け入れ、頑張っているのでしょうね。
 なら、親である私達も頑張らなくては。小さな壁掛け時計を見れば、大分時間が経っていた。

「さっ、働きにいきましょうか! そっちはもう時間もないんじゃない?」
「え? あ、大変だ! いってくる!」
「はい、いってらっしゃい」

 さて、私も戸締りをして行かないとね。
 帰ったらあの子へ手紙を書かなくちゃ。何を書こうかしら。書きたいことがいっぱいあるわ。
 思わず笑みがこぼれる。早く季節が変わってほしいわね。
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