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本編
それぞれの違い
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「ラナ、おはようございます!」
「おはようマリ。といってももう、お昼だけどね」
「どちらかというと、こんにちはだね」
お盆を置きながら先に授業が終わっていた二人の元へ座る。今日から午前はバラバラになってそれぞれの系統について、自分に適性のあるものを中心に学び、お昼の後は教室へ戻って共通科目を学ぶ。で、週に一回チーム訓練という形だ。
何だか元の世界でいう、高校と大学のシステムが混ざっているようなカリキュラムみたい。そう思いながら日替わりランチを楽しんでいると、マリが授業で驚いたことがあったという。
「私、さっきの授業で目が鱗でした。治癒って裏方が中心だと思っていたので」
「ん? というと?」
「昨日のように妨害や、怪我人の治療を主にすると思っていたのですが……」
「そうじゃなかったってことかい?」
「ええ」
いわく、諜報活動を行うこともあるのだそうだ。もちろん裏方には変わりないのかもしれないけど、情報戦の重要さが昨今ようやく認知されてきた。そういったことも治癒系統が担うことは、私もびっくりした。
するとアランもあるようで、そういえばと前置きして話し始めた。
「僕も、防御が攻撃出来ることには驚いたよ。てっきり展開魔法や、補助をしていくものだと思っていたから」
「攻撃!?」
どうやって行うの、すっごい気になるんだけど!
「例えばなんだけど、一人が正面に壁を作って、一人が左右動けないようにまた壁を作ったら、最後の一人が徐々に後ろから壁を迫らせたら良いんだって」
「……想像したら嫌なものね、それ」
逃げられない状況をあえて作って圧死させるってことでしょ? された方は堪んないよ。でも、個人戦みたいな少人数相手には不向きっぽい。
他にも方法はあるらしいけど、基本的に複数対複数といったもののようで、やっぱり大人数での対戦に合っていそう。
「ラナは? そういうのありませんでした?」
「特にはなかったかなー。大体、基礎で学んだことだったし……。あ、でも治癒が使えたら良かったのにって思った」
「それはまた、何で?」
「これは私が女だからっていうのもありそうなんだけど、剣って振るってると疲れるから常に負荷軽減の補助をかけてるの。で、そうすると他の動作に遅れが出るのね。治癒があればその遅れがうまれないんだって」
「ああ、そういえばそうですね。自分のこととなると違和感がない分、盲点となる物事です」
何でも治癒の良さは素早さ、完全に裏方である分次々と魔法を使えるのだという。魔力切れがしやすかったり速さ優先にすると威力が弱かったりするというデメリットもあるけど、攻撃において速いことは大事なこと。強化の切り替えが速いことは悪いことじゃない。
まあ、治癒の適性がないからそれができないのなら、それを補う練習をしていかないといけない。今後の自主練への方針が固まったから良しとしようかな。
「っと、そろそろ授業の時間だよ。急ごうか」
「はい。午後は何を学ぶのでしょうね」
「今日は魔法陣に関するものじゃなかったかな。私苦手だから、ついていけるか心配なんだよね」
「分からないところは教え合いましょう! 今のように!」
また目をキラキラとさせてる。外で動くことが少なかっただけあって、こういう、友達と何かするってことがあんまりなかったのかも。だとしたら沢山そういうの、一緒に楽しみたいな。
「おはようマリ。といってももう、お昼だけどね」
「どちらかというと、こんにちはだね」
お盆を置きながら先に授業が終わっていた二人の元へ座る。今日から午前はバラバラになってそれぞれの系統について、自分に適性のあるものを中心に学び、お昼の後は教室へ戻って共通科目を学ぶ。で、週に一回チーム訓練という形だ。
何だか元の世界でいう、高校と大学のシステムが混ざっているようなカリキュラムみたい。そう思いながら日替わりランチを楽しんでいると、マリが授業で驚いたことがあったという。
「私、さっきの授業で目が鱗でした。治癒って裏方が中心だと思っていたので」
「ん? というと?」
「昨日のように妨害や、怪我人の治療を主にすると思っていたのですが……」
「そうじゃなかったってことかい?」
「ええ」
いわく、諜報活動を行うこともあるのだそうだ。もちろん裏方には変わりないのかもしれないけど、情報戦の重要さが昨今ようやく認知されてきた。そういったことも治癒系統が担うことは、私もびっくりした。
するとアランもあるようで、そういえばと前置きして話し始めた。
「僕も、防御が攻撃出来ることには驚いたよ。てっきり展開魔法や、補助をしていくものだと思っていたから」
「攻撃!?」
どうやって行うの、すっごい気になるんだけど!
「例えばなんだけど、一人が正面に壁を作って、一人が左右動けないようにまた壁を作ったら、最後の一人が徐々に後ろから壁を迫らせたら良いんだって」
「……想像したら嫌なものね、それ」
逃げられない状況をあえて作って圧死させるってことでしょ? された方は堪んないよ。でも、個人戦みたいな少人数相手には不向きっぽい。
他にも方法はあるらしいけど、基本的に複数対複数といったもののようで、やっぱり大人数での対戦に合っていそう。
「ラナは? そういうのありませんでした?」
「特にはなかったかなー。大体、基礎で学んだことだったし……。あ、でも治癒が使えたら良かったのにって思った」
「それはまた、何で?」
「これは私が女だからっていうのもありそうなんだけど、剣って振るってると疲れるから常に負荷軽減の補助をかけてるの。で、そうすると他の動作に遅れが出るのね。治癒があればその遅れがうまれないんだって」
「ああ、そういえばそうですね。自分のこととなると違和感がない分、盲点となる物事です」
何でも治癒の良さは素早さ、完全に裏方である分次々と魔法を使えるのだという。魔力切れがしやすかったり速さ優先にすると威力が弱かったりするというデメリットもあるけど、攻撃において速いことは大事なこと。強化の切り替えが速いことは悪いことじゃない。
まあ、治癒の適性がないからそれができないのなら、それを補う練習をしていかないといけない。今後の自主練への方針が固まったから良しとしようかな。
「っと、そろそろ授業の時間だよ。急ごうか」
「はい。午後は何を学ぶのでしょうね」
「今日は魔法陣に関するものじゃなかったかな。私苦手だから、ついていけるか心配なんだよね」
「分からないところは教え合いましょう! 今のように!」
また目をキラキラとさせてる。外で動くことが少なかっただけあって、こういう、友達と何かするってことがあんまりなかったのかも。だとしたら沢山そういうの、一緒に楽しみたいな。
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