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本編
色々ありましたが、学校生活は再開するのです
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時間は無情にも、平等に流れる。衝撃的事実が判明した数日後には学校が再開した。
帰る余裕はないからと、パーティへ参加する前に帰寮して正解だった。荷物も一緒に持ってきたし、後期の生活は何事もないと良いな。
そんな希望は授業が始まった瞬間打ち砕かれた。
「よーし、全員いるな? 今日は講義や実習がないが、決め事が多いからな。しっかりやれよ」
はて、何があったかな? 委員会なんてものはこの学園ないのに。
そっと周りを見渡すと、何だこのワクワクしてますみたいな雰囲気は。あのアランも気分が上がってるの分かるくらいなんだけど。
「まずは体育祭の種目だ。これは各系統で出れる物が違うから気をつけろ」
そう言って書き出していく種目名は、ほとんど見慣れないものばかり。魔法に関連するのかな、くらいしか分からない。
とりあえず簡単そうな舞い姫っていう種目にしよ。運動苦手だけど、ダンスは嫌いじゃないって剣舞祭の時分かったから。
競争率高いかなって思ったのに、希望したのは私しかいなくてあっさりと決まってしまった。おまけに私が立候補すると男子枠も複数あったのに手があがってすぐ決定した。何で?
疑問はそのままになってしまったけれども話し合いは進んで次々と決まり、粗方終わると次の議題だ、と先生は続けた。
その言葉を聞くと、あれほど輝いていた顔や高揚していた雰囲気は一瞬にして消えて、どんよりとし始めた。こっちの気持ちは痛いほど分かる。察した私だって嫌だ。
「体育祭が終わって、割とすぐに王学祭があるからな。先に決めといた方が準備は楽だぞ。下調べは大変だろうが、これも勉強だ。全員で協力してやるように」
王学祭、ようするに文化祭は元の世界とかなり異なる。いわゆる外で行う屋台なんてものはないし、お化け屋敷のように教室で自分達が行う物もほとんどない。精々劇や踊りといった類しかないだろう。
その理由は、ここにいる人達は将来が決まってしまっていることにあるみたい。貴族出の人はともかく、庶民出身の人の中には人を使うことが苦手な人もいる。かくいう私もそっちの方だ。
今は学生同士だから上下関係もそこまで厳しくないし、頼み事もお願いすれば大抵それで何とかなることもしばしば。だけど、それが社会に通じるかはまた別の話というもの。
まして私達は国人──元の世界でいうなら国家公務員になることが定められている身。存外身分の壁はないというのも仕事柄そうであるというだけで、世間はそうじゃない。出はどうであれ、仕事をするようになれば周りはそれ相応の態度を取るし、そうなれば行動はもちろん、言動にだって注意しなくちゃならない職だ。
アルバイトといった制度が、私の知る限りこの国にはない。必然この機会に人を使役すること、使役されることを学べ、とされる。
早い話、プチではあるけどお店を経営してみろ、ということだ。次の学年になればそんなこともないから、劇になることが多いらしい。羨ましい話だ。
色々と案は出たものの話し合った結果、無難ではあるが傾向が分かりやすい喫茶店になった。
文化祭すら勉強って、ちょっと泣きたくなるよ。
それにしても、これにて今日の学校は終わりか。途端やることがなくて悩む。時計を見ればお昼にするには早く、自主練するには中途半端な時間しかない。図書館で本でも読もうか、と思っていたら先生に呼び止められた。
「舞い姫希望だったよな? お前、どんなことやるか分かってるか?」
「いえ、全く。剣舞祭のようなものかと」
「あながち間違っちゃいないが、少し違うな。あれよりもっと派手なやつだ」
あれより派手って、色がってこと? それとも踊り? 名前からしてどちらもありえそうだけど。
「まあ見れば分かるだろ。明日各出し物の説明会が行われるしな」
不吉なこと言わないでください。
帰る余裕はないからと、パーティへ参加する前に帰寮して正解だった。荷物も一緒に持ってきたし、後期の生活は何事もないと良いな。
そんな希望は授業が始まった瞬間打ち砕かれた。
「よーし、全員いるな? 今日は講義や実習がないが、決め事が多いからな。しっかりやれよ」
はて、何があったかな? 委員会なんてものはこの学園ないのに。
そっと周りを見渡すと、何だこのワクワクしてますみたいな雰囲気は。あのアランも気分が上がってるの分かるくらいなんだけど。
「まずは体育祭の種目だ。これは各系統で出れる物が違うから気をつけろ」
そう言って書き出していく種目名は、ほとんど見慣れないものばかり。魔法に関連するのかな、くらいしか分からない。
とりあえず簡単そうな舞い姫っていう種目にしよ。運動苦手だけど、ダンスは嫌いじゃないって剣舞祭の時分かったから。
競争率高いかなって思ったのに、希望したのは私しかいなくてあっさりと決まってしまった。おまけに私が立候補すると男子枠も複数あったのに手があがってすぐ決定した。何で?
疑問はそのままになってしまったけれども話し合いは進んで次々と決まり、粗方終わると次の議題だ、と先生は続けた。
その言葉を聞くと、あれほど輝いていた顔や高揚していた雰囲気は一瞬にして消えて、どんよりとし始めた。こっちの気持ちは痛いほど分かる。察した私だって嫌だ。
「体育祭が終わって、割とすぐに王学祭があるからな。先に決めといた方が準備は楽だぞ。下調べは大変だろうが、これも勉強だ。全員で協力してやるように」
王学祭、ようするに文化祭は元の世界とかなり異なる。いわゆる外で行う屋台なんてものはないし、お化け屋敷のように教室で自分達が行う物もほとんどない。精々劇や踊りといった類しかないだろう。
その理由は、ここにいる人達は将来が決まってしまっていることにあるみたい。貴族出の人はともかく、庶民出身の人の中には人を使うことが苦手な人もいる。かくいう私もそっちの方だ。
今は学生同士だから上下関係もそこまで厳しくないし、頼み事もお願いすれば大抵それで何とかなることもしばしば。だけど、それが社会に通じるかはまた別の話というもの。
まして私達は国人──元の世界でいうなら国家公務員になることが定められている身。存外身分の壁はないというのも仕事柄そうであるというだけで、世間はそうじゃない。出はどうであれ、仕事をするようになれば周りはそれ相応の態度を取るし、そうなれば行動はもちろん、言動にだって注意しなくちゃならない職だ。
アルバイトといった制度が、私の知る限りこの国にはない。必然この機会に人を使役すること、使役されることを学べ、とされる。
早い話、プチではあるけどお店を経営してみろ、ということだ。次の学年になればそんなこともないから、劇になることが多いらしい。羨ましい話だ。
色々と案は出たものの話し合った結果、無難ではあるが傾向が分かりやすい喫茶店になった。
文化祭すら勉強って、ちょっと泣きたくなるよ。
それにしても、これにて今日の学校は終わりか。途端やることがなくて悩む。時計を見ればお昼にするには早く、自主練するには中途半端な時間しかない。図書館で本でも読もうか、と思っていたら先生に呼び止められた。
「舞い姫希望だったよな? お前、どんなことやるか分かってるか?」
「いえ、全く。剣舞祭のようなものかと」
「あながち間違っちゃいないが、少し違うな。あれよりもっと派手なやつだ」
あれより派手って、色がってこと? それとも踊り? 名前からしてどちらもありえそうだけど。
「まあ見れば分かるだろ。明日各出し物の説明会が行われるしな」
不吉なこと言わないでください。
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