女剣士の道は険しい？

本編

やっと前日です

　あの嵐のような忙しさが過ぎ去り、心落ち着く日々がくる……わけもなく、前日でようやく完成した。
　正直完成すると思ってなかったけどね。頑張ったと思うんだ皆。特にあの二人はさ。先生にも泣かれたんだよ？　よくここまで出来たなって。どんだけうちのクラスが異常事態だったのか、それだけでも伝わると思う。
　とうの二人はというと、クラスメートから感謝やら謝罪やら受けてる。皆、あの悲惨な状態をどうにか出来たことが奇跡だと分かってるからね。流石にそれで感謝されなかったら、やったのは自分達とはいえ、納得いかない部分が出たと思う。
　搬入も終えた教室の内装は、普段の様子とは異なっていて面白い。椅子やテーブルが色鮮やかな物に対し、壁には必要最低限の装飾しかしてないからか、バランスが取れてる。
　最初は全体的に色が綺麗な方が良いって意見が多かったけど、それだと色がうるさいというか、主張しすぎるから抑えられるところは抑えてみた。こうして見ると正解だったなあと悦に浸っていると、マリから声をかけられた。

「ラナ、いよいよ明日ですね。上手くいくと良いのですが……」
「そうだね。色々急いでやったから不安だなー……」

　顔を見合わせて強張った笑みになっていると、何とかなるでしょ、とか、大丈夫大丈夫、とか周りから言われる。本当はそう思っていたいけど、なにぶん急ピッチで手配したこととか準備したこととかが多い。それこそ、見落とした穴があるかもしれない。
　これが普通の学園祭なら良かったんだけど……。勉強も兼ねてるから成績に反映されるのよね。これで落とされることはないって聞くけど、どうなのかな。
　でもそれもこれも、本番にならないと分からないことだらけなわけで、要するにもう、待つしか私達に出来ることはないわけで。
　ああ、明日がとても不安だ。胃が痛くなりそう。