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本編
寿命が縮むかと
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ようやく終わったかと思いきや、服選びが終わると同時に靴屋が、更にはアクセサリーを調節する工芸店の人が来て細かい調整が始まった。するとあら不思議、外はもう暗くなりかける時間になろうとしていた。
「もー疲れたー。パーティの時はいつもこんな風にしてるの?」
「毎回ではありませんが、おおむねそうですね。自分の家系に関するものなら全て一から決めていきますから、もっと時間がかかりますよ」
これでも既製品で揃えていくからかなり早い、らしい。よく分からないけど、本当貴族って大変なのね。
そして夕食のお時間です、お移動を。と使用人の人に声をかけられてから思い出した。マリの親に啖呵切った手前会いづらい、どころか平民が貴族に逆らうなんてどうなるか、いや、そもそも今の今まで無事だった方がおかしいのかも。
あぁどうなるのだろうかと不安で顔が曇っていたらしい。隣から笑い声が聞こえた。
「ラナ、そんな顔をしなくても大丈夫ですよ。安心してください」
「そうは言うけどさ。ほら、この前、」
「ですから、どうしてドレスを始めとしたものに全額負担、かつ値段を決めなかったと思いますか?」
「それは、この前のパーティで、」
「そう。だから私の両親はこの件については不問とするのですよ」
食い気味に言われ続けた言葉に一瞬理解が出来なかった。
不問。つまりお咎めなし。
「……何で?」
「それは直接聞いてください。私も詳しいことは知らないので」
なるほどそれは確かに。そんな勇気があればの話だけど。
重い気持ちのまま食堂だと教えられた場所へ着くと、既にマリの両親はいたけど、立っていた。
(ねえマリ。マリの家って全員来てから着席するの?)
(いえ、そんなことはありませんよ。おそらくは……)
小声で話していると、二人はいきなり頭を下げてきた。いや待ってどうしてよ待って待って勘弁してください!
「ラナ嬢、そなたのお陰で我々の過ちに気づけた。マリの気持ちを勝手に考えていたことに。どうかそのことに感謝と、あの時そなたへ怒りを抱いたことを許してほしい」
「あ、ああああの!? お願いです頭を上げてください、私があの、お節介を焼いてしまいまして! それにその、私は」
「身分のことは、確かに咎となろう」
そこでようやく二人は顔を上げてくれた。し、心臓に悪かった……。
「しかし、そなたは学園の生徒でありマリの友人であるのだろう? ならば咎に出来るはずもない」
「え?」
どういうこと?
「もー疲れたー。パーティの時はいつもこんな風にしてるの?」
「毎回ではありませんが、おおむねそうですね。自分の家系に関するものなら全て一から決めていきますから、もっと時間がかかりますよ」
これでも既製品で揃えていくからかなり早い、らしい。よく分からないけど、本当貴族って大変なのね。
そして夕食のお時間です、お移動を。と使用人の人に声をかけられてから思い出した。マリの親に啖呵切った手前会いづらい、どころか平民が貴族に逆らうなんてどうなるか、いや、そもそも今の今まで無事だった方がおかしいのかも。
あぁどうなるのだろうかと不安で顔が曇っていたらしい。隣から笑い声が聞こえた。
「ラナ、そんな顔をしなくても大丈夫ですよ。安心してください」
「そうは言うけどさ。ほら、この前、」
「ですから、どうしてドレスを始めとしたものに全額負担、かつ値段を決めなかったと思いますか?」
「それは、この前のパーティで、」
「そう。だから私の両親はこの件については不問とするのですよ」
食い気味に言われ続けた言葉に一瞬理解が出来なかった。
不問。つまりお咎めなし。
「……何で?」
「それは直接聞いてください。私も詳しいことは知らないので」
なるほどそれは確かに。そんな勇気があればの話だけど。
重い気持ちのまま食堂だと教えられた場所へ着くと、既にマリの両親はいたけど、立っていた。
(ねえマリ。マリの家って全員来てから着席するの?)
(いえ、そんなことはありませんよ。おそらくは……)
小声で話していると、二人はいきなり頭を下げてきた。いや待ってどうしてよ待って待って勘弁してください!
「ラナ嬢、そなたのお陰で我々の過ちに気づけた。マリの気持ちを勝手に考えていたことに。どうかそのことに感謝と、あの時そなたへ怒りを抱いたことを許してほしい」
「あ、ああああの!? お願いです頭を上げてください、私があの、お節介を焼いてしまいまして! それにその、私は」
「身分のことは、確かに咎となろう」
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「しかし、そなたは学園の生徒でありマリの友人であるのだろう? ならば咎に出来るはずもない」
「え?」
どういうこと?
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