歪んだ愛、だが助ける愛 ──孤独を埋め合う二人──

星野 夜空

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本編

?? 未来を覗きましょう

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──これは、とある日記──


××月××日
あいつを見つけた。
話しかけてもガン無視された。
他のヤツにされたらもう気にしねえのに。
あいつだけは妙に気になる。


××月××日
名前を聞いた。フェアリー。フェアリー・ムーン。
それがあいつの名前だった。
だが目の暗さはいつも通りだった。
……俺がしてやれることってのは、あるのか?


××月××日
あいつの家を知った。思ったより近い。
同時に、だからあの街にいるのかと納得もした。
けどよ。
不用心すぎるぞ。




××月××日
仕事で必要だからと与えたパソコンは、このご時世から見りゃ低スペックもいいとこだ。
それなのにあいつは、電子ロックを突破した。
俺から逃げようとした。
逃すわけないだろ。
唯一、俺が興味を持ったんだ。
それに。電子デジタルから南京錠アナログに変えりゃ、お前も手出しできねえんじゃねえか?




××月××日
あいつのことをほんの少しだけ知った。
相槌を打つことしか出来なかった。
俺の言葉や慰めなんて求めてねえことは、分かってた。
けどよ。フェアリー。
お前、……。


××月××日
過去のことをもう少し話してくれた。
……俺は、また頷くことしか出来なかった。
同時に、ため息を吐きたくなった。
お前が使うその脳みそ。電子ロック解除やピッキングが出来ちまう頭脳。
その発端が、悲しい理由なのに。
淡々と話すお前の方が、俺は痛かった。




××月××日
決めた。
フェアリー。
お前の孤独を、俺で埋める。
歪んでると言われても構わない。
それが、俺なりのお前への愛だ。
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