みんな異世界行っちゃいました。

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きらびやかな閃光、浮き彫りになった鮮やかな紋様、身を包む暖かい空気、それらは今まで一度だって味わったことの無い様な不思議な感覚。

俺はその見慣れた光景と浮かび上がった紋様とを瞬時に知覚し理解する。

これは魔法陣───いわゆる異世界召喚って奴だ。

   ─ 1 ─

梅雨も終盤、湿った空気と夏間近の気温とがモチベーションを奪って逝く今日この頃。

もう少しで夏休みだって学生達が浮かれ始める時期、茹だる様な暑さと徹夜による疲労とで学校をサボろうかと罪悪感の間で揺れる男がいた。

男の名は──辻神 カイト、根暗で不登校気味なごく一般的な日本男児である。
家族構成は妹と両親を含めたどこにでも居る平凡な四人家族。
特に深刻な悩みは無いが強いて言うならば最近妹のあたりが強くなってちょっと寂しいと言う事くらいか。


平凡だ、何が特出してる訳でもなく極々平凡だ。

誰にでも特別を求めてはいけない。数あるゲームや漫画の主人公だって彼等を取り巻く環境を除けばすぐ近くに『ごく平凡な一般市民』がそこには居るのだ。普通に学校を上がって、普通に卒業して普通に就職して、普通に結婚して、普通に幸せになって、普通に死んでゆく。そう言う、大勢のモブキャラがこの世界を構成しているのだから、その輪から逸脱している主人公は社会においてイレギュラーなのである。

俺が言いたい事はつまりこうだ───主人公とは社会不適合者である。

嫌々な通学路中、意味もなく悟りを開く。何故こんなどうしようもない事を言うのかと言えばそれは一概にどうしようも無いからだ。

鉄筋コンクリートでガチガチに固められた都市国家、歯車の様に『社会』を回す人々、承知不承知を度外視して教養を強いる社会、この世界に『ファンタジー』の介入する余地等、紙一枚分も無いのだ───それこそ『』でも起こらない限り。

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