死神グリムは旅に出る。

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PROLOGUE 日ノ出

1話 旅に出る

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【オケアノス大陸】中央地、王都アルマイト北北西に位置する名も無き【フェザーリーフ】の群生地、木々が生い茂り年中濃霧が貼る。人等住めたものでは無い。そんな中を場違いな一軒の小屋がそびえ立つ。

人の子、グリム・エルトダウンはそこで十七年の時を過ごした。そしておおよそ二年前ここにはもう一人の居住者がいた。
その男はグリムに読み書きを教え、武を教え人並みの幸せを与えた。
そして二年前の朱炎、男は忽然と姿を消したのだ。

──齢十七を超えたら大都へ迎え、そこに私の知り合いがいる。

これは男が残した最後の言葉だ。言いつけを守り二年もの間一人で過ごした。

そして今日グリムは十七歳の誕生日を迎えたのだった。

「カッカッカッカ、ハッピィバァスデェ、グリム。やっとこっから出れるぜ。」

無作為に積まれた大量の書物の手前に立て掛けられた大鎌が一人でに動き始める。形をミルミルと変え瞬く間にそれは黒味の掛かった角の生えた珍生物へと変化を遂げた。
精霊と言うには余りにも形が歪で仰々しい物言い。
大鎌の名はファルチェ、一昔前にある男によって鎌に封印された悪霊である。

「あぁ、やっとだやっと探しに行ける。」

まだ朝の光に慣れない目頭を手の甲で拭う。机の上に置かれたライ麦パンにジャムを塗って口に頬張った。

ボサッと乱気流の様に乱れた前髪に背丈は標準のちょっと下、淡白な顔立ちと少し悪い目付きそれがグリム・エルトダウンという青年の出で立ち。

今日という日の為に準備を重ねてきたグリムはそそくさと出発の用意を始める。

獲った肉は干して干し肉にし荷物に積み、書斎机の二番目の引き出しに置かれた腕輪型のコンパスを手首にはめ、黄土色をした一張羅手製のマントを羽織る。
外界の事は分からない、【フェザーリーフ】の群生地を抜けた事は一度たりともない。
家の裏手をずっと進めば国がある。
グリムが知り得た情報はそれきりであった。

戸を開く。凝り固まった身体を勢い良く伸ばした。風が強い、向かい風だ。

「さて、行きますか!!」

十七年間過ごした小屋にさよならを告げた。

彼の顔に迷いは無い。久しく見ない日の光が彼等を照らしていた。

    
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