英雄志望のガキ

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2話

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遺体の無い葬式。この世界では稀にある。

何も入っていない空箱を焼いた。

周りの親族は必死に作ったハリボテの涙を披露しあう。多分この中に本当に悲しんでいる人間等片手があれば事足りるだろう。

葬儀が終わるとすぐさま少年の事を取り囲んだ。

「✕✕君、家に来ないかい?」

「可哀想に家が養ってあげる。」

「何を言っているんだ!✕✕君は私が引き取る。」

親族達が争いを始める。

彼等の僕を見る目は哀れみや情等からではない。
目当ては父さんの遺産だろう。金に目が眩んだ大人達はまるで……

───怪人が


少年は吐き出しかけた言葉を飲み込んだ。

「僕はもう行きます。」

誰にも頼らずに一人で生きていく。それは齢7の少年には余りにも苛酷であった。

あの日から見る人全てが歪んで見える。
    
路頭に迷い、途方に暮れた。全てを失った少年は中身の無い無力感と脱力感の狭間を彷徨った。

気付けば少年の足は町外れの廃工場へと赴いていた。

重く閉ざされている工場の入り口を小さな腕で開ける。

たちこもる腐敗臭と気味の悪い咀嚼音、何かがへし折れる様な破壊音とが薄いトタンの壁を揺らした。

あの廃材の裏で……が何かを食べている。

少年は息を止めた、張り詰めた緊迫感の中後退りをする。グチャグチャと何かを食い散らかす音と飛び散る鮮血は少年の恐怖を煽った。

「あ…あぁ……あ…」

不意に足元にあった小石に躓く。
異形の存在は少年にその飛び出そうな眼球を向けた。腕はネジ曲がり足は丸太の様に太い、顔に散漫に付着した血液が汚らしく垂れる。

化物のは少年の顔をみて冷笑的シニカルな笑みを浮かべた。

―― アヒヒ………ミラ゛レ゛ヂャっダ

足が動かない、恐怖で足がすくむ。無意識にヒーローをせがんだ、先程まで否定していたのに自分が嫌になる。

化物から伸びた触手がムチのようにしなり少年の体を殴り飛ばす。それは鋼のような強度を伐っていた。
少年の意識は三秒と持たなかった。体は鉄骨の支柱へ衝突し意識が飛ぶ。

次に目を冷ましたのは、気味の悪い咀嚼音からだった。

頭の擦り傷から垂れる血液が目にしみる、きっと骨も何本か逝ってる。身体はもうピクリとも動かない。

少年はその時、死期を悟った。

目の前の化物が何かを食べている、バキバキという破壊音だけが鮮明に聞こえた。

一帯、何を食べているんだ?

残り僅かな力を振り絞り辺りを見回した。

漏れ出す血液と痛烈な痛み


それは───







────僕の腕だった。

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