令嬢は鞭を振るが逃げられない

ロキ

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73話

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朝の日差しに眩しさを覚え、目が覚めた。

「はぁ、あのイベントから数日経ったのね・・・あの時は楽しかったわ」

私は隣で寝ているディアス様の寝顔をみながらふと、考えた。

私達の結婚式・・・いつやる予定なのかしら?今は夏の終わり、8月下旬だったかしらね。ディアス様のご両親にも挨拶をしないといけないし、立派な女王になる為の勉強もしないといけない・・・。

「時間が足らないわ。あ、花嫁衣装も決めないといけないのかっ!んー・・・よし、二度寝をしよう!」

私は考えるのを放棄して隣にいるディアス様にくっついて二度寝をした。



「ふふ、リリーはお寝坊さんかな?そろそろ起きないと俺がイタズラしちゃうけど・・・いい?」

「・・・ハッ!?起きましたわ!私、バッチリ起きました!」

不穏な気配を察して私は飛び起きた。あと少しで危なかった気がしたけど気のせい・・・じゃ無かった!?

「ディアス様、起きたので!手をどかして下さい!そ、そこに手を入れられたら・・・恥ずかしいですわ!」

今の状況を把握しようと視線を動かすと、ディアス様が私の服の隙間から胸を!胸を鷲掴みして今にも揉み始めそうな勢いだった。

「えー、せっかくリリーの胸を掴んでいるのに一揉みくらい駄目?」

ディアス様が残念そうな顔をして言っているがこればっかしは駄目だと思いますわ。

「ひ、一揉みも駄目ですわ!しかも直接触るなんてディアス様のエッチ!!」

「・・・フッ、男は皆エッチな事が好きなんだ!だからしょうがないんだ・・・うむ、柔らかい」

ディアス様がキメ顔で言った。そして開き直って私の胸をモミモミと揉みしだき始めた。

「はぁんっ!?・・・ディアス様のエッチ!!ちょ、ちょっと待っ・・・」

ガスッ!!

「はい、そこ迄です。ご主人様、朝の支度をしてお仕事が待っていますよ」

背後から現れたハリスがディアス様の頭を何か固いもので殴打した。

「グッ、ハリス・・・背後から気配を消して俺を殴るとは熱烈じゃないか」

「ディアス様、頭から血が・・・え、サボテンが刺さってますわよ?」

私がディアス様の頭の怪我を確認しようと見てみたらサボテンがグサリと刺さっていた。

「ああ・・・この攻撃はハリスに良くやられていたな。トゲが痛くて最初は抜くのを苦戦した覚えがある」

そう言いながらディアス様は刺さっていたサボテンを難なく抜き取り、ハリスに返した。

「まったく、朝食の時間になっても起きてこないと思い見に来てみれば・・・ご主人様がリリー様を襲っていらっしゃるのが悪いのですよ?久しぶりにサボテンを使ってしまったじゃ無いですか」

ハリスがディアス様から受け取ったサボテンを懐にしまい・・・ちょ、懐にサボテンは入らないはずよ!?

「ハリス、懐にサボテンを入れて大丈夫なの?」

「ええ、この子は良い子なので私を刺しませんよ。間違えて刺したりしたら罰として、全部のトゲを抜いてしまいますから」

ハリスがそう言った瞬間、サボテンのある懐が震えた。

「・・・それ、生き物ですの?サボテンって植物でしたわよね?」

「ハリスのサボテンは特別な魔法をかけてあって生き物の様に動くし、喋る」

ディアス様が説明してくれたけれど、よく分からない事だらけだわ・・・。

「リリー様、このサボテンは私の癒し。少し魔法をかけて魔法生物にして、日々の生活に安らぎをくれるのです」

「何でサボテンにしたの?もっと違う物でも良かった気がするのだけど・・・」

「・・・さぁ?何となくですかね。それにこの子だとご主人様にお灸を据えるのも楽になりましてね。可愛いヤツなのですよ」

ハリスがニコリと笑った。腹黒ハリスが普通に笑うと背筋がゾゾゾってなるわね・・・。

「さぁ、ご主人様もリリー様もご支度して朝食を召し上がって下さいませ。次の予定が押していますよ」

「はぁ、分かった。直ぐに支度をするからハリスは部屋を出てろ」

「かしこまりました。では、後ほど参ります」

・・・ようやく起きられるわね。私はディアス様にかまわれる前に素早く支度をして、ディアス様と一緒に朝食のある部屋に向かった。
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