Life 〜【作成】スキルでのほほんサバイバル イカダを改造して戦艦にする〜

なか

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第4話 出現!? 海洋生物襲撃!!

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 さぁ、というわけで明日のためのその1からしていかないといけないのだが、まずはなんといっても水。
 こいつがないと俺は数日、下手をすればあと数時間で死んでしまうだろう。

 ゲームのような世界。

 死ねばどうなるのかわからないが今も頭の中には”喉を補給してください”とアラームが鳴り続けている。
 実際、俺の喉ももう限界だ。口は乾燥し喉も引っ付くような感覚に襲われてる。

 実際の体調とあのステータスの数値がリンクしているとも限らないが体は大丈夫であっても数値が左側に触れてしまった時点で俺の命はなくなってしまうかもしれない。
 油断をすればすぐに空に浮かぶ星の一つになってしまうだろう。

 そう思い空を見てみると徐々に空が明るくなってきていた。


「ついさっきまで真っ暗だったのに。ゲームの中だから1日のスピードも違うのか?
 それとも起きた時間が明け方前だったのか? どちらにせよ急がないと本当にやばい!」


 幸運な事に先ほどまで真っ暗だった海は徐々にではあるが光が戻り浮かんでいる物も判別しやすくなっている。

 辺りを見るとすぐに複数枚の木の板が浮かんでいることに気づいた。


「よし、視界に入ってる分で5,6枚は確認できてる。取りに行くか。」


 服を着たまま海に飛び込む。
 この世界に来て半日以上たっている俺は初めのころ感じていた海への恐怖心も少なくなり何の躊躇もなく飛び込めた。


「海がベースの世界だもんな。海に入ってなんぼでしょ。」


 泳いで木の板の場所まで行き木の板に手を触れる。
 すると先ほどまであったはずの木の板が消え視界に


 ”木の板を入手しました”


 というメッセージが流れる。
 順調だ。これならすぐに煮沸機を作れるだろう。

 しかし海に入るといきなり視界が悪くなる。
 イカダの上からだと見降ろしてる分、場所も確認しやすかったが今は視線は水面の少し上くらいだ。
 どこに何があるのか目では確認しづらい。


「イカダの上である程度 場所を把握してから飛び込まないとダメだな。」


 泳いで戻る途中にロープとプラスチックを1つずつ手に入れイカダの上った瞬間、突然今さっきまで自分のいたところに巨大な何かが海の中から ザバァ!! と飛び出してきた。

 俺は気づかずイカダの上にあがっただけだが結果的にそれは俺が避けたことによって先ほどまで俺がつかまっていたイカダの端っこに取りついた。

 ザバザバと水しぶきが激しく上がっている。
 この顔、知らないわけない。この海で一番恐れていたこと。


「サメだ!!!!!!」


 体長は2M近くある。
 感情の感じない恐ろしく冷めた目。
 こんな恐ろしい生物が今俺の乗っているイカダにかぶりついている。


「うわ!!うわぁぁ!!!」


 まともな言葉なんて出ない。
 サメはイカダにかぶりつき体を大きく唸らせて暴れている。
 しだいに噛まれている部分に亀裂が入り始めた。


「おい! 待て! やめろ!!!」


 俺の声は海のギャングの耳には到底入らなかった。
 バキンとイカダを食いちぎりサメはそのまま海の底に消えていった。

 イカダは綺麗に全体の1/4が食いちぎられ、その不安定な形とは裏腹に抜群の安定感で海に浮いていた
 。
 動悸が激しい。息を吸っているのに苦しいのが収まらない。


「は、はは......綺麗に1/4......カッターで切ったみたいに......そういう所はゲームなんだな。」


 口では笑っているが顔は青ざめ引きつっているのが分かった。
 1度刻まれた恐怖はなかなか体の外には出て行ってくれない。
 もう海に入れる気がしない。





------------








 喉が渇いて死にそうだ。
 海の水でもいいから飲みたい。

 でも俺は知っている。
 海の水は塩分濃度が高い。その水を飲めば飲んだ以上の水分を使って体が塩分を外に出そうとする。
 そしてそのまま脱水症状で死んでしまうと何かのテレビで見たことがある。


 海水を飲むということはそのまま死ぬという事なのだ。

 とはいえあのサメの恐怖はなかなか拭えるものではない。


「ちくしょう......なんで俺の異世界転生はこんな世界なんだよ。」


 たくさんのものを与えられてスタートする異世界転生。
 海ベースの世界なのに海に入れない世界。


 俺に何をさせたいんだよ。


 手に入れたアイテムはアイテムボックスから念じればまた現実に取り出すことができる。
 だから海に入れないならイカダを動かしてアイテムを取りに行けばいいのだろうけど......


 試しに木の板をオールにして漕いでみたが手に入れたアイテムにはおそらくだが強度というものがあり、作成を通して作ったものでないと簡単に壊れてしまうのだろう。

 証拠にせっかく手に入れた木の板もすぐさま砕けてしまい消えてしまった。
 何度やっても同じ、貴重な3つの木の板が砕けて消えてしまった。


「厳しすぎる。この世界.....」


 嘆く俺。

 手で漕ぐのは無理。
 あの海にもう一度体の一部でもつけるなんて考えられない。

 今でもあのサメの恐ろしい顔が目に浮かぶ。
 ブルルルと身震いし腰を落としイカダの上に座り込んでしまった。

 すでに太陽が昇り始め日差しがきつくなってきている。
 とはいえ暑さも感じないし日焼けもしていない。
 これはいわゆるご都合的なものなのだろうか。
 服もすでに乾き始めてきている。


 しかしながら色々やってはいるが全部この世界に弾き飛ばされている。

 やるせない。

 社会は厳しいという大人様たちにこの世界の厳しさを体験していただきたい。

 そうはいってもどうにもならい。
 まだ体が動くうちにできることはやっておかないと。

 もう丸一日なにも飲み食いしていない。
 アラームに気づいてから数時間。
 そろそろ本当にやばい気がする。

 ぐったりした体を無理やり起こし海を見つめる。

 そういえば海でロープとプラスチックを拾ったな。
 でもこれじゃあ煮沸機は作れない。
 でも何か手助けできるものが作れるようになってはいないか。

 釣り竿とかあれば魚も釣れるかもしれないしアイテムも引っかけて集めれる可能性がある。
 藁にもすがる思いで作成リストを覗く。




 踏板
 オール
 ???
 ???
 ???
 煮沸機
 ハシゴ
 ???
 ???
 テーブル
 イカリ
 ???
 ↓




 イカリが増えている。
 おそらくロープを拾ったからだろう。
 イカリだったら投げてアイテムを引っかけてと使い道があるかもしれない。





 イカリ

 鉄   ×1
 ロープ ×7




 鉄!! 海に浮かんでるわけない。
 どうやって鉄なんて集めんだよ。

 悩んでるだけ時間がもったいない
 華麗にスルーし下にスクロールしていく。








 ???
 ???
 ???
 ストロー
 ???
 ???
 ひさし(プラスチック)
 ???
 ???
 ???
 ロープフック(木製)
 ???
 ↓







 少し増えてる。ストローとかウケる。飲み物がないって言ってるのに飲み物を飲む道具が増えてる。マジ卍。



 そんななか俺は一つ気になる物を見つけた。


「ロープフック......これって.......そういう事だよな......。」



 おそらく俺のイメージが正しければこれを作ることで今ある悩みの大半が解決される可能性がある。

 問題の材料だが




 ロープフック (木製)

 木の板 ×3
 ロープ ×1





 安い!!
 なんて安い素材。
 ロープはある。

 木の板も......なんてことだ。木の板.....オールなんかに使うんじゃなかった。
 先ほどまで材料はそろっていたのだ。
 これまた何ともやるせない。


 しかしこれを取らないともう前に進める気がしない。
 初めのように運よく気の板が流れてこないかとも思ったがその可能性は恐ろしく低かった。

 これは命を懸けるだけの素材であるのは確かだ。


「ちくしょう!! やるしかないのかよ!!」


 俺は喉の渇きなんてすでに忘れるくらいの気合で海を見つめる。
 膝はガクガクに震え力が入らない。
 もしかすると軽い脱水症状を起こしてしまっているのかもしれないけど。

 イカダの上で木の板がある位置を記憶する。
 やらなきゃ死ぬならやって死んだ方がましだ。
 おそらく俺の予想が正しければ......

 俺はそのまま助走をつけてイカダから大きくジャンプした。


 ザパーーーン!!!!


 勢い良く飛び込んだ俺だがちんたらと海水浴を楽しんでる場合ではない。
 俺の読みが正しければこの世界はどこまでもゲームである。


 おそらくサメが出現したのは偶然じゃない。
 これがどこまでもゲーム性を求めた世界なら、俺が海に入った瞬間がトリガーになってるはず。

 俺が海に入り、ある一定時間が経つとサメが出現する仕掛けになっているはず。
 じゃないとゲームとして成り立たない。
 これが本当にゲームのような世界なら、おそらく数分間はサメには出くわさないはず。


 よくよく考えると無茶苦茶な理論だが、どうせジッとしていても死ぬだけだ。
 やるしかない。

 イカダの上から目測で材料の場所などは把握してある。
 一直線に目的の場所を目指す。

 海に多く浮かんでいる木の板。
 取り切るまでにそう時間はかからない。

 さっそく一つ目を手にするとそれは手の中で消えてなくなり視界に



 ”木の板を手に入れました”



 というアナウンスが現れた。
 急いでイカダに戻り体を海から引き揚げた。


「はぁはぁ。短時間での回収を続けていればサメには出会わないはず」


 もしこの説が間違っていたとしても、それであれば逆にそうそうサメに出会うなんてことはないはず。
 毎年サメの被害にあう人間は宝くじなんかより確率が低いと聞いた。だからそこは自分の運を信じたい。

 俺は二つ目の木の板に狙いを定め、また海に飛び込む。
 海の透明度はかなり高い。
 目視だが海の中に生物の気配は感じられない。

 必死になって水を掻いていく。
 二つ目の木の板を手に入れすぐにイカダに逃げ帰る。

 いつもより乱れる息。
 頭がクラクラする。

 必死で息を整え落ち着きを取り戻す。


「ハァハァ......あと1枚。」


 海を見渡し怪しい動きがないか調べる。
 一度イカダに上がって時間は置いているもののそれでトリガーまでの時間がリセットされるとは限らない。

 しかしそれはいくら待っても得たい答えにはたどり着かないであろう。
 確かにトリガーがリセットされない場合、俺はサメに襲われ最悪の場合、命を落とすだろう。

 もしリセットされるのであればそれは自ら海に入りサメが出現しない事を試す必要がある。
 俺が海に入らなければサメが出ないのであれば、それは海の上で待っていても海に入らないから出ないのかリセットされたから出ないのかは確認できない。

 そして今現段階でサメと遭遇はしていない。
 これはおそらく俺の読みが正しかったという事だと思いたいじゃないか。

 前回サメに襲われたときは時間など計っていなかった。
 しかし先ほどのイカダとの往来で少なくとも3分はセーフティーだ。

 体感だが前回のサメ出現までの時間は5分ほどではないだろうか?

 3分あればとも思うが意外と海に入ってからの3分というのは驚くほど短い。
 イカダの上から目標を定め一直線に往来して3分くらいはかかっている気がする。

 今回も目標に狙いを定め俺は海に飛び込んだ。





 ザパァーーーーン!!!!!





 頭から水に飛び込むような器用なマネはできない。
 足から飛び込むので激しく水しぶきが舞う。

 がむしゃらに泳いですぐさま木の板を手に入れる。
 手に木の板の感触がなくなりアイテムボックスに収納されたのを確認して急いでイカダに戻る。その時、、、


 ビキッ!!!!!



 急に足が捻れ折れ曲がるような感覚に襲われた。


 サメ!!?


 そう思ったが何か違うような感覚......
 これは......






 足がつった!!!!!!!!!!







「がぼぼぼ.....こんな時に......。」


 足は明後日の方向に曲がろうと激痛と共に泳ぐ動きを阻害する。
 必死に手だけで泳いでイカダに戻ろうとするが......


 水分不足は足の痙攣などを引き起すことがあるってテレビで見た!! 今かよ!!!!
 ふざけるな! ふざけるな! ふざけんじゃねぇぇぇ!!!!!


 必死に手で水を掻き少しずつだが進んでいく。
 筋肉がねじれるような痛みに耐えながら必死に少しずつ進んでいく。

 あとイカダまで2メートルくらいか。
 なんとか間に合ってくれ!!!

 しかし時間は無情にも進んでいく。そして......




 ザバァァ!!



 俺の背後で何かが海面に出てくる音がした。

 心臓を直接手でつかまれたように痛みを伴うほどの胸の締め付けが俺を襲う。
 急いで振り向くとそこには映画などでよく見るお決まりの光景。
 刃物のように鋭いあの背びれが海面から突き出ていた。


「がばば......ぶはっつつ!!! バカヤロウ!!! 時間守ってんじゃねぇよ!!!!」


 必死で泳ぐ。痛いはずの足すらもバタつかせてもがくように。必死でこの世界にしがみつく。
 幸いサメとの距離はまだかなりある。


 何とか間に合いそうだ!!!!


 イカダに到着しすぐさま端に手をかけ急いでよじ登ろうとするが


「ぐっ!! ぐぐぐぐぅぅぅうううう!!! 体が......持ち上がらん!!!!」


 弱り切った体に今、がむしゃらに上半身だけで泳いできたばかり、しかも足は満足に動かない。
 水から体を持ち上げるというのがここにきてこんなに大変になってくるなんて。


「ぐぐぐぐぐぅぅぅぅううう!!!!!!! なんで......全部が......今なんだよ!!!!! 困難は分割で支払っていきたいんだよ!!! 俺は!!!」


 どうしても体が引き上げられない。
 腕立て伏せを限界まで行って最後の一回、体を持ち上げれるかあきらめて地面に突っ伏すか、そんな感じで俺は渾身の粘りで体を上げようと試みる。

 そうはいってもサメはその時間を待ってはくれない。
 海を切り裂くように背びれがどんどん近くまで距離を詰めてきている。

 腕だけでは持ち上がらないと踏んだ俺は、何とか頭をイカダの上に引っかけるようにくっつけ顔の頬で這いずりこすりつけるようにズルズルとゆっくりイカダの上へ上がっていく。
 肩が上がり胸がを引き上げ腰まで乗せた時に一気に転がり込むように体全体をイカダの上に放り込む。

 ゴロゴロとイカダの上を転がった瞬間、視界に真っ黒な目とノコギリのような歯が海面から飛び出し――




 ザバァァアアア!!!!!!

 ガジィィィイイイ!!!!!



 とっさに腕を顔の前で交差させて目をつむる。
 あまりの勢いと恐怖と動揺で、俺はイカダごと自分が噛みつかれたと思ったのだが



「.......うぅ......う? 痛くない......?」



 それは間一髪、前回と同じようにサメはイカダの端に噛みつきバシャバシャと暴れている。
 ほんの数センチ。今噛んでいる部分と俺の足が離れていた。


「うお!! うわぁぁああ!!!!」


 つった足をばたつかせ急いで後ずさりをしながらサメから離れる。
 下手をするとコンマ何秒差での九死に一生というやつか。
 つった足の痛みなどとうに忘れ、イカダをかぶりつくサメから目を離せないでいた。

 バキバキとイカダは軋む音を出しながらひび割れが起こり始めている。



 ......ひび割れ?
 やばい!! イカダが!!


「わわ!! おい!!」



 言葉にならない声を海のギャングに放つ俺だが話を聞く耳など持っているはずもなく。
 情け容赦なくイカダの1/4をバキンと食いちぎり、勢いよく海の底へ潜っていった。



 ザァァ......ザァァ......



 一転、海には常夏の音楽が流れるような陽気で美しい静けさがもどる。
 唖然とした光景に、もはやポカーンとしか表現できない顔をしてしまう。




 ピコーン




 視界の片隅には変わらず”喉を補給してください”の文字が表示され続け、アラーム音が一定の間隔で鳴り続けていた。

 陽気な海原にその音が不自然に自分を冷静にしていく。

 当初の半分の大きさになってしまったイカダの上で腰が抜けて情けない体勢で座っていた俺は力が抜けたように仰向けになり激しく鼓動する心臓に手を当てその音を静めようと深呼吸した。


 空が青い。


 足は伸ばせるが寝返りを打つと海に落ちてしまいそうだ。

 馬鹿げてる。こんな世界。

 命がけで木の板を海に拾いに行く俺。
 そしてそんなことをしないといけない世界。

 全く馬鹿げてる。

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