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第3話 ようこそLifeへ
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ピコーン
ん?
なんだこの音?
ピコーン
うるさいな。人が気持ちよく寝てる時に......ん? 寝てる?
俺は飛び起きるように体を起こし辺りを見回した。
広大な海原が見限ることなく続いている。
「やっぱ海の上か......夢ならどれだけ良かったことか。」
辺りはすっかり夜になっていた。
こんなわけのわからない状況でも人は寝れるのだ。
人は強い。悲しいほどに。
感傷深く空を見上げた時、一面の星空に息をのむ。
「すげぇ!! こんな星空初めて見た! 手が届きそう。」
空に手を伸ばしてみるがもちろん星には届かない。
こういうことはわかってはいるけどやってしまうものだ。
ピコーン
やっぱり聞こえる。
何だこの音。
とても自然から出た音には聞こえない。
もっと人工物のような、そんな音に聞こえる。
辺りを見回しているときに視界の片隅に何か文字が写っていることに気づいた。
なんだこれ?
視界の左上に文字が点滅していた。
よく見てみると、
”喉を補給してください”
という文字が浮き出ていた。
視界を動かしてもその文字はいつもその位置にある。
宙に浮いているように見える文字にさっき星を掴もうとしたときのように宙を掴む動作をした。
「なんだこれ? やばい、幻覚が見えてきたか?」
そういえば今気づいたのだが視界の左下にも何かのマークのようなものが写っている。
船? ドクロを掲げた海賊船のようなマークだ。
そのマークに意識を集中すると
ブーン
いきなり視界に何か得体のしれないものが現れた。
「うわっ!!」
突然の事に目の前で腕を振り回すが先ほどと同じ空を切るだけ。
「さっきから一体何なんだよ。」
恐る恐る目を開けてみると。
そこには大きな文字で
”ようこそ。Lifeという世界へ”
という文字が浮かんでいた。
読み切ったタイミングで文字が変わり――
”あなたという人間はこの”Life”という世界に移動してしまいました”
”ここであなたという人間は生き抜くことを必要としています”
はぁ? なんだこの雑に日本語変換したような言葉は?
”この世界はすべてあなたという人間が学ぶためのものであり、伝えることは本当に少ない事が真実です”
わからん。どういう意味だ? とりあえずここが今までいた現実の世界とは少し違うことは理解できた。
だって文字が空中に映し出されてるんだから。
”あなたの家は発展が必要なのが現状です”
”その発展のための物はすべてあなた自身で集めるほかないでしょう”
家? イカダの事か? 発展ってなんだ? 説明が少なすぎてわからん。
”それではLifeの世界を楽しんでください”
............
「終わり!?」
最後の文字が消えていきそのあと何も映し出されなくなった。
マジで何なの!? てか助けとかないの? 俺これからどうしたらいいんだよ......
ピコーン
相変わらず頭の中で鳴り響くこの音。
左上には ”喉を補給してください”
状況はひどく悪いような気がする。
これVRか何かか? 視界に文字が写るのもそれなら説明がつくけど......
あまりにリアルすぎる体感に違和感は隠せない。
突然訳の分からない場所でゲームのようなメニュー欄が出てくる。
そしてこの現実としか思えない体感。
覚えがある。
「これってまさか......異世界転生ってやつなんじゃ......。」
俺死んだのか? 現実世界じゃ俺最後何してたっけ?
思い出せない。
死んでないのなら異世界転移? どっちでもいいか。
もしこれが俺の思う通り”異世界転生 及び 転生”なのだとしたら、
もう一度海賊船マークに意識を集中するとメニュー欄のようなものが出てきた。
メニューバーにはいくつかの項目が並んでいた。
・作成
・ステータス
・マップ
・持ち物
・設定
やっぱりゲームみたいだ。
高性能のVRマシンって可能性も否定できないけどあきらかにそれだとオーバーテクノロジーな気がする。
そんなオーバーテクノロジーがあったとして先ほどのあの文章は無茶苦茶すぎる。
「なんかおかしいよな。今の状況。」
とはいえ異世界転生の方がしっくりくるあたり中二病と呼ばれても仕方ないのだが。
しかしこのメニューバーの内容。まぁ何となくわかる。
異世界転生系を見た読者ならすぐにピーンとくるものがあるだろう。
だが設定ってなんだ?
何を設定するんだ?
そもそも設定も何も
そう思っていると設定のページが開かれた。
BGM ―――――●――――――
アラーム ―――――●――――――
文字サイズ ―――――●――――――
なんだそれ!!!! マジの設定じゃねぇーか!!!
てかBGMとか流れてねぇーし!!!!
さっきの日本語変換といいBGMといい適当だなこの世界。
しかしこれでますます確信にかわった。この世界は俺のいた世界じゃない。
そして俺の知識が確かならこれは何らかのゲームの中の世界ということになる。
俺の思っている異世界転生とは大きくズレてるけど。
ということはここからどこかの街にたどり着いて装備を整え魔王退治でもするのかねぇ。
それなら俺にもなんかチートな能力備わってるのか?
試しに手のひらを前にかざし――
「ファイア!!」
静けさの中に自分の恥ずかしい言葉だけがコダマになり返ってきた。
ハズイ。一人でよかった。
しかし魔法も使えない。身体能力も上がった気はしない。
もしかしてザコ職業で転生っていう最近増えてきたそっち系のやつですか!?
そこで気になるのはステータス。
もちろんこれで大まかなこれからの生き方が確定する。
職業やスキルがバカチートな物なら俺はこの世界を征服することもハーレムを作ることも可能だろう。
やるぞ! 俺はやるぞ!!
気合を入れステータスの項目へ目力を入れる。
ブーン
―――――――
年齢 16歳
技術Lv 1
お腹 ――●―――――――――
喉 ―●――――――――――
体力 ―――●――――――――
――――――
いいんだ。何となく気づいてたんだ。これどう考えてもRPGじゃないって。
今日1番のうなだれ方を見せる俺。
だよな。俺なんかが異世界ハーレムってガラじゃないもんな。
てかお腹ってなに? 空腹感的な事? それはまだわかるとして喉って何?
もう大体何かわかるけど。喉の渇き的な事ね。水分って事かな?
そういえばさっきから視界の端で点滅してるこの文字。
”喉を補給してください”
なんだかいろいろわかってきた。
身体的な危険を音と文字で知らせてくれているんだろう。
そうなると喉結構やばいかも。左に●が行くと減少してるって事でいいんだよな。
確かに喉はカラカラだ。これ左端まで行くと死んじゃうのかな?
少しゾッとする。
しかしわからないのはこの技術Lv おそらくこの世界のレベルの事だと思うけど。
そういえば初めの文字であなたの家を発展とか言ってたな。
このレベルを上げると作れるものが増えると考えるのが妥当だろうな。
何を作るのか見当もつかないけど。
てゆうか思ったんですけどこのマップ。
これ見れば今の位置すぐわかるんじゃね? 近くの町とか探せるよねきっと。
悪い予感しかしないけど。
その悪い予感は当たるものだ。
やっぱりね。マップ真っ白。現在地はこの ? が書かれてる部分だろ。これじゃ何にもわかんねーや。
どうするかねー。
しかしここまで来ると大体検討はついてきている。
最後の作成。
これがこの世界のキーなんだろうということは。
とはいえやっぱりな。
作成を開けてみると
???
???
???
???
???
???
???
???
???
???
???
???
どこまでスクロールしても???しかない。
これを解決しないことにはだよな。
そう思い遥か水平線を見つめて
俺、終わったかも.....
と寂しげな眼をしてみる。
なんで俺の転生はこんなにシステムが複雑なのよ。
そんなことを考えていて、ふと気づいたのだが海に何かいろいろな物が浮いているのだ。
さっきまできれいな海だと思ってたのに案外どこの海もゴミでいっぱいなんだな。
近くを50センチくらいの木の板が流れていこうとしていた。
とりあえずどこか陸地を探さないとな。この板オールに使えるかも。
海からすくい上げようとすると板は手でつかんだ瞬間消えてなくなり代わりに視界に
”木の板を手に入れました”
と表示された。
どういうことだ? いや、これってもしかして。
すぐにメニューを開き持ち物を開いてみる。
さっきはどうせ何も持ってないからと開けることもしなかったけどおそらく俺の考えが間違っていなければ。
木の板 ×1
緊急キッド ×1
やっぱり!! 思った通りだ!!
そしてここも。
作成を開いてみると
踏板
オール
???
???
???
煮沸機
ハシゴ
???
???
テーブル
???
???
やっぱり!! 素材を集めてイカダを発展させていくって事だったのか。
おそらくこのイカダを強化してある場所まで行くとゲームクリアって事なのだろう。
読めてきた。
しかも煮沸機まである。
サバイバル系のマンガで見たことがある。
これがあれば海水から真水を作ることができる。
まずは急いでこの煮沸機を作らないとってことだな。
とりあえず煮沸機を選択してみると
”材料が足りません”
だろうな。
しかしに必要材料が表示される。
木の板 ×5
木のツル ×1
プラスチック ×2
どうなんだろう?
材料はしょぼそうだけど。
とりあえず木の板はザッと見ただけでも海にたくさん漂流してる。
それ以外にもたくさん漂流している物もある。
おそらくこの程度のものなら簡単に作れないとこの先生き残るのは難しい。
「せめてライフラインは簡単に確保させてくれよ。」
俺はそんな事をつぶやきながら生きる希望とかじゃないけどとりあえず死なないようにこの世界で生きてみようと思った。
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