ダンジョンはモンスターでいっぱい!! ~スライムと成り上がる最弱冒険者の物語〜

なか

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ウォーウルフ

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 アレンはゴンゾウに起こされ目が覚める。

「なに?もう朝?」

 時間的に夜明け前といったところか、薄く明るくなっていっているダンジョン。
 まだ朝霧が晴れてなく視界は怪しい。

「ん?まだ夜明けじゃんか。ゴンゾウもう少し寝かせてくれよ、、、」

 見えない周りを見回しアレンが眠そうに答える。


「きゅい!」

 ゴンゾウは必死にアレンにぶつかり起こしている。
 アレンは呑気に答えていたが横で寝ていたはずのニアがすでに杖を持ち険しい顔をしていた。

「何この感じ。気持ち悪い。すごい殺気、、、」

 額から汗が滴るニア。
 この階層にここまで異常性のある殺気を放つモンスターなどいないはず。
 そもそもまだモンスターが現れるには早すぎる。
 妙な緊張感に手汗を握る。

「えっ?何も感じないぞ。おい。」

 アレンは腰を上げないままニアとゴンゾウに交互に声をかける。
 しかしゴンゾウもすでに戦闘態勢に入っている。

 ダンジョン全体に切れそうな糸を張り巡らしたような居た堪れない緊張感がニアを襲っていた。

 そしてその悪意はやっとアレンの鈍感な感性でも感じ取ることができた。
 体に鋭く針を刺されているような鋭利な殺意。

 急いで飛び起きて二人の後ろに隠れる。
 徐々に近づくその気配。
 おそらくアレンたちはすでに発見されているのだろう。

 ニアは持っていた杖を強く握り直し心を固める。

「来る。」

 その言葉とほぼ同時に殺意のもとが姿を現す。

 グルルルルるるぅぅぅぅ!!!

 低く地鳴るその威嚇音、圧倒的殺意がアレンたちを襲う。

「これって、、、」

 アレンが口を開く。
 さすがのアレンでも見たことがある影。
 霧からゆっくりと全体が見え始める。

「なんでこんな奴がここにいるのよ。」

 その姿を目の当たりにしてガチガチと歯を鳴らしながら怯えてしまうニア。
 足にももはや力は入っていない。
 アレンよりも危機察知能力が高いニア。
 それが仇となったか強大すぎる殺気をまともに浴び硬直状態になってしまった。

 それは地上から頭までの高さがゆうに8m以上はあり1本の大木よりも太い前足が姿を現す。
 体毛は所々が血で染まっており自身の傷なのか何人かの冒険者が犠牲になったのだろうか?
 銀色の体毛はあらゆる魔法効果を退けその爪は鋼鉄の鎧でさえ簡単にひしゃげ、潰してしまう。
 そしてロングソードのように鋭利になった牙はどんな高名な剣でも切り落とせそうになかった。
 荒く呼吸するその息でさえ並みの冒険者を震え上がらせるのに十分な邪悪さを秘めている。

 それはあまりにも有名だった。個体種としてあまりにも有名で幾多の冒険者を買えりうちにしてきた最強のモンスター、70階層のヌシ「ウォーウルフ」だった。

 個体種とはダンジョンで生まれたのではなく地上の生物がダンジョンに迷い込み長年魔素をその体にため続けた結果モンスター化してしまった種類である。
 普通はダンジョンで地上生物が迷い込んだとしてもすぐにモンスターに食い殺されてしまうが、
 もともと戦闘能力が高い生物だったため何とか生き残り長年かけて体に魔素をため込みモンスター化した生物だ。
 特徴としては個体数が1匹しかおらず普通のモンスターとは一線をがすほどの強さがある。
 縄張り意識が強く自分の縄張りからはまず出ない性質があるのだが、、、

 このウォーウルフ、70階層をねぐらにし何年も冒険者たちの行く手を阻んできた怪物だ。
 ゆえにアレンたちも歌や書物などでその存在を知っているというのがある。
 なによりこの感じたこともない殺気。
 これがこの生物はウォーウルフだと証明しているようなものだった。

 ニアは今立てているのも不思議だが恐怖のあまり座ることもできなくなっている。
 文字通り身動きが取れなくなっているのだ。

 感覚の鈍いアレンはニアの現状を見て

「くそ、出口を押さえられてる。逃げるのは無理だ。やるしかないのか。」

 ウォーウルフは魔法への強力な耐性、固有種特有の恐ろしく高いステータスを持ち合わせたまさに化け物だ。
 1流の冒険者たちを阻み続けた悪魔のようなモンスター。

「やりあって勝てる相手じゃない。何とか隙を作らないと。」

 いくらアレンでもこの戦力差を理解できないわけはない。

 しかしウォーウルフはアレンたちの逃げようとした心の揺れを感じ取ったのかアレンたちに標的を定め、大きな口をさらに大きく開け けたたましい雄たけびをダンジョンに響き渡らせた。
 音にならない強烈な咆哮を受けビリビリと肌が揺れダンジョン内が揺れ動く。
 それは今まで何とか立てていたニアが、声も出せずにぺたんと尻もちをつき絶望するに十分な威力を発揮したといえる。。

 アレンは手を前で交差させ何とか咆哮をやり過ごそうとする。、

「ぐぅううう、ちくしょう!!」

 ジリジリと気圧されるアレン。
 徐々に体が硬直していくアレン。

 絶体絶命の中ただひとり、いや1匹がその咆哮に怯まずまっすぐウォーウルフを見据えていた。
 そしてけたたましい音が鳴りやむそのタイミングを狙って、ゴンゾウはその場からフッと消えたかと思うと
 瞬間的にウォーウルフの顔の前まで移動し渾身の斬撃を繰り出す。

 直撃した斬撃は プシュ と鼻先に切り傷をつけウォーウルフを痛がらせるほどのダメージしか与えられなかった。
 そして斬り終わりの体制を見逃すウォーウルフではない。
 顔の前で空中に浮いている状態のゴンゾウには躱す手立てがない。強力な噛みつきがゴンゾウを襲った。

 バクン!!!

 閉じきられた口、その光景を見てやっと動けるようになったアレンが

「ゴンゾウ!!!」

 とウォーウルフに口の中にいるはずの友に叫ぶが。

「キュ!!」

 ゴンゾウはすでにアレンの隣に戻っており雷切を構えている。

「な、さっきまであそこにいたのに、、」

 アレンはゴンゾウを見ながら何が起こったのか理解できない。
 ゴンゾウは鋭い目線を敵から離さない。
 すぐにまた消えるようにいなくなりウォーウルフの目の前に現れ攻撃に移った。
 ウォーウルフも切られながらも激しく応戦している。

「縮地、、、」

 腰の抜けたニアが気の抜けた声でつぶやく

「上り詰めた剣士がさらに上り詰め到達できる極み。相手との距離をゆがめ縮めて移動する移動術の極み、、、
 なんてことなの、あんなの隠してたなんて。あの子今まで全然本気で戦ってなかったんだわ。」

 ぶつぶつと独り言のようにつぶやくニア。
 ゴンゾウは【縮地】を使い華麗にウォーウルフの攻撃を回避しながら斬撃を与えていく。

 しかしウォーウルフの逆立った体毛は斬撃を受け火花を散らしながらゴンゾウ共々攻撃を弾き飛ばす。

「何のことかわかんねぇーけどこのままじゃやばいだろ。
 ダメージ与えられてねぇーだろあれ!!」

 とはいえウォーウルフの攻撃はとどまることはない。

 激しい攻撃と慣れない【縮地】での戦闘に早くもゴンゾウの息が上がり始めた。
 体全体を大きく上下させて呼吸しているように見える。

 意識なくその光景を見ていたニアだがゴンゾウの雷切が徐々に帯電し始めているのに気付く。
 まさか、、、
 ニアは委縮してしまった自分に足に思いっきり爪を立て血が流れるまでそれを食い込ませた。
 痛みでほんの少しだけ感覚がはっきりしてくる。

「時間がないわ。私の感があってるならまだあの子、奥の手を持ってる。
 そんな戦い方をしてる。」
「じゃあなんで使わないんだよ。このままじゃ。てかお前その足どうしたんだよ!!」

 ニアの足が血に染まっている。
 慌てるアレンにニアが檄を飛ばす。

「今はそんな事どうでもいい!!どうせここをしのがないと全員死ぬわ!!。」
「だから、、、」

 ニアはアレンの肩につかまりながら力の入らない足で何とか立ち上がる。

「あの子が奥の手を始動するまでの間、あたしが時間を稼ぐ。あんたはあたしの情けない足の代わりをやってほしい。」

 敵を見据えて答えるニア。
 アレンはその眼の中にある覚悟を読み取ったのか

「あーなんかよくわかんねぇけど足だな足!!俺は足だ!!」

 アレンは自らを奮い立たせるため大声で叫びニアを背中に乗せおんぶの形をとった。。

「これでいけるだろ!!頼む!!ニア!!」

 柔らかなお尻の感触が手に伝わり、ニアのふくよかな胸がアレンの背中に押し付けられる。
 すこし手の位置が気になったがすぐに詠唱に入るニア。

 この呪文は今ニアが使える最も強力な呪文だろう。
 しかし詠唱時間が長く、普段の実践では使い物にならない。

 今はゴンゾウが時間を稼いでくれている。
 しかしゴンゾウがつかまるのも時間の問題だろう。

 ガチャン!!!!!!

 おそろしい牙による噛みつきがゴンゾウを襲う。
 今のは危なかった。1撃でも食らえば即終わりだ。
 それほど攻撃力に差がある。

 しかしもう息が持たない。
 一瞬ゴンゾウの気が遠のいていく。しまった。瞬間、噛みつきではなく前足による打撃が襲い掛かった。
 反応が遅れた。避けれない。

 雷切で防御姿勢をとる。その時。

「風の王よ。命の礎を守る壁となって我に力をさし示さん!!グラウンドウォール!!!」

 ニアの詠唱と共に地面から鋭く力強く、そして大きな風の壁が現れた。
 それが津波のように一気にウォーウルフに衝突する。

 一瞬気がグラウンドウォールに向いたおかげで攻撃の手が止まり、すぐに縮地で脱出するゴンゾウ。

「ゴンちゃん!!時間はわたし達が稼ぐ。あなたはあいつを倒せるだけの力を!!お願い!!!」

 杖をウォーウルフに向け叫ぶニア。
 おぶっているアレンも苦しそうだ。

 ゴンゾウはコクっと体全体で頷きまず縮地で乱れた息を整える。

 その間もウォーウルフは恐ろしい剣幕でグランドウォールを押し返してくる。

 ぎゃごあああ!!!!ぐぎゃおおお!!!

 ニアの額に汗が滴る。

 思ったより長く持たない。
 だけど今これが解けたら完全に終わる。みんな死んじゃう。それだけは!!

 ウォーウルフを渾身の力で押し返すニア。

「ぐおおおおお!!!!」

 すべての衝撃がアレンにのしかかる。

 暴風荒れ乱れるその場所でゴンゾウは息を整え静かに目を瞑る。
 周りの喧騒が消え、水面に落ちる雫すら聞こえそうな静寂が広がる。
 力の流れをイメージして血液のように流れる魔力を感じて、、、刀に流す!!!

 ゴンゾウの持っていた雷切が恐ろしい金切り音と共に電撃をまといだす。

 がりりりぎぃぃぃいいいいい!!!!

 放電し始める雷切。
 刀身は熱を帯び赤みを帯びている。

「キュァアアアアアア!!!」

 ゴンゾウの雄たけびがダンジョンに響く。
 ニアはその言葉を合図にグランドウォールを解除する。
 自由になったウォーウルフはニアとアレンを標的にし襲い掛かろうとするが

 時すでに遅し、
 ゴンゾウは力をためた渾身の跳躍で体を加速させる。
 ボッと空気を切り裂く音が聞こえその瞬間【縮地】を使いゴンゾウが消える。
 先ほどまでいた場所が時間差で地面がエグレ、隆起する。


 加速した体と雷をまとった刀身。自身の体を回転させながらウォーウルフの顔めがけて斬撃を繰り出す。
 消えたゴンゾウを捕らえる暇もなくウォーウルフは額から右目にかけてを深々と切り裂かれた。

 ぐぎゃぁぁぁあああおおおおお!!!!!

 血が吹き走り悲鳴を上げるウォーウルフ。
 しかしその悲鳴が終わる間もなく、斬った部分から放電が発生しウォーウルフの巨大な体に電撃が走る。
 けたたましい電撃音にアレンもニアも耳をふさぐ。

 ぎゃぎゃぎゃぎゃあああありりりりり!!!

 ものすごい衝撃派が波紋のように広がりアレンとニアは吹き飛ばされた。
 電撃が収まったときウォーウルフの体は煙を出しよろよろとふらついたていた。

「やった!!!やりやがった!!!!」

 アレンがニアをおぶりながら飛び上がる。

「すごい。私たち、、、信じられない、、、」

 ニアも喜びに涙ぐむ。

 ヨロヨロと倒れそうになるウォーウルフ。
 しかしまだ意識を狩り切れてはいなかった。
 残った力で四肢に踏ん張りをアレンとニアに前足での1撃をふるまう。

 油断していた。
 二人はそのかろうじて放つ弱った一撃さえも即死を連想させるのに十分な威力が備わっていた。
 ゆっくりと近づく前足に死神がまとわりつく。
 大きな鎌を持った死神が。
 二人は死を速やかに受け入れ連想してしまったのだ。

 触れれば終わりという実力差。
 絶望的だった。

 もうだめだと目を瞑った二人だったが
 そんな自分たちにやらかい衝撃が襲う。
 それはウォーウルフのものではなくもっと小さな体で繰り出した衝撃だった。
 水色でゼリーのようなフニフニしていて
 いつもヘラヘラしたような表情のあいつ。

 後ろに吹き飛ばされる映像の中
 すべてがスローモーションに見えウォーウルフの前足がゴンゾウの体を弾き飛ばした。

 ゴギャァ!!!!

 鈍い衝撃音と共に世界の速さが元に戻り、目では捕らえられないスピードでゴンゾウは岩壁に叩きつけられた。

 岩が陥没し砂煙がたっている。
 それほどの衝撃。
 自分たちなら即死だった。

「は、はは、は、、」

 一瞬、死という名の脅威を感じてしまったニアは今度こそ心が折れた。
 意識はしっかりしている。
 だがもう体は動いてくれなかった。

 そういうものに鈍感なアレンはすぐにゴンゾウに駆け寄る。
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