ぼく、魔王になります

楢山幕府

文字の大きさ
上 下
14 / 61
本文

012

しおりを挟む
 ガルが胡座を組み、対面する形でぼくを膝の上に座らせる。
 両足を開くと、反り立った自身がスカートを捲った。

「デカいのは知ってたけど、実際に見ると……デケぇな」
「ひ、引いた……?」

 スカートが捲れた先を、ガルがまじまじと見る。

「いや、引きはしねぇけど……改めてお前も雄なんだって思うと、クルもんがあるな」

 そう言って、ごくりと喉を鳴らされた。
 じっくり見られるのは流石に恥ずかしい。
 互いの中心を合わせている状態では、今更かもしれないけど。

「あ、あんまり見ないで……」
「さっきまで俺の咥えてたクセに」

 顎を持ち上げられ、むにっと親指で下唇を押される。
 自分がしていたことを思いだすと、一気に顔が熱くなった。

「あああ、あれは必死で!」
「そうだな、ちっせぇ口で、頑張ってくれてたよな」
「ううう」

 身悶えるぼくに、ガルが背中を丸める。
 顔が近付き、自然と唇が重なった。
 軽く合わせるだけだったキスが、次第に深まっていく。

「ふっ……」

 漏れる息は、どちらのものかわからない。
 ぬるりとした舌の感触に、腰が震える。

「ん、ん……っ」

 もっとガルを感じたくて、ぶら下がるように首へ腕を回した。
 快感を求めて腰が揺れるのを止められない。
 熱を持ったガルの大きな手が、ぼくの背中を撫でる。
 指先が脇腹にかかるとぞくぞくした。
 それが太ももにきたときには、堪らずガルの首から手を放す。
 ぼくも、負けていられない。
 ガルの指先が、皮膚の薄い部分をなぞるのを感じながら、目の前にあったおっぱいに吸い付く。

「っ……」

 微かにガルが息を詰めたのがわかって、舌で硬くなった尖端を転がす。
 味はないのに、おいしいと感じる。
 谷間に汗が伝うのが視界の端に見えて、情欲を煽られた。
 ちゅうっと時折強く吸いながら、ガルの感じるところを探っていく。

「は……っ……」

 自分がされたように脇腹をくすぐり、下腹部へと手を伸ばす。
 ぬめりの残った中心に触れると、上からガルの手が重なった。

「扱くぞ」
「ん……」

 低い声に耳朶を撫でられ、頷く。
 ぼくもガルに合わせて手を動かした。
 大きな手で上下に扱かれる中、ぼくは互いの亀頭を手の平でくすぐる。

「はっ、はっ……」

 浅くなるガルの呼吸に、ドキドキが止まらない。
 自身も限界が近ければ尚更。
 耳の裏に心臓があるようだった。
 額から流れた汗に、視界を遮られる。
 ぬちゃぬちゃと聞こえる水音が、どこまでも卑猥だ。

「うっ、イク……っ」

 手の中で、互いの竿が脈打った。
 放出される熱と臭いに頭がくらりと揺らぐ。
 ぼんやりする頭で、ガルの口付けを受けた。
 舌の裏や上顎を舐められ、口内を貪られる。
 溢れた唾液が顎を伝って落ちていくのを感じると、むくむくと下腹部に集まるものがあった。

「ぁ……ガル、ぼく……」
「どうした?」
「ぼく、ガルに挿れたい……」

 もっと深くガルと繋がりたかった。
 ダメかなぁ、と泣きそうな声で強請るぼくに、ガルが笑う。

「仕方ねぇなぁ」
「いいの……?」
「俺のをお前に挿れるのは無理だからな」

 確かに。

「体が成長したら、できるかな?」
「その言葉、覚えとけよ」

 せめてもう頭一つ分は大きくならないとなぁと、頭を撫でられる。

「やり方はわかるんだよな?」
「うん、潤滑油もまだあるし……無理そうだったら言ってね!」

 いくらガルが大きくても、すんなり入るとは限らない。
 仰向けになって足を開いてもらい、まずは指を挿入してみる。

「これはこれで、結構アレな格好だな……」
「全部丸見えだもんね」

 ぼくの答えにガルが口を一文字に結ぶ。
 眉間にも皺が寄って顔付きが怖くなったけど、照れているのがわかって可愛い。
 潤滑油のおかげで、指はすんなり入った。
 目の前で揺れる玉袋に、つい吸い付く。

「んおっ……お前、吸うの好きだな……」
「ん、好きかも……指は、どう?」
「あー微妙に違和感があるが、大丈夫だ」

 ガルの返事を受けて本数を増やし、前立腺を探る。そこがいい場所なんだよね。
 指を動かしながら、会陰から玉袋の筋へと舌を這わせた。
 濃い臭いが鼻をつくけど、それがガルの臭いだと思うと堪らない。

「はっ……ぁ、なぁ、もう挿れろよ」
「でも」
「俺も早く繋がりたいんだよ!」

 腰に足を回される。
 体が密着して、否が応でも中心がガルの秘部に触れた。

「お前だってバッキバキじゃねぇか」
「それはそうだけど……」

 大丈夫かな? と思いつつも指を引き抜き、亀頭を押し当てる。
 性急に強請られて留まれるほど、ぼくは大人じゃなかった。

「っ……」
「痛かったら、言ってね」

 ゆっくり挿入を試みる。
 締め付けは、指の比じゃなかった。
 中に入った尖端からきゅうきゅうと絞られる。
 知らない感覚に、頭が真っ白になりそうだった。

「ぁ……ガル、なんか、凄い……」

 痛みなのか快感なのかわからない熱に、こめかみをチリチリと焼かれる。
 潤滑油を追加で垂らしながら、腰を進めた。

「あっ、あ……ガル、入っていくよ。大丈夫?」
「んう……」

 襞がぼくの形に広がっていた。
 顔を真っ赤にするガルを見守りながら、馴染むのを待つ。

「ふっ……っ……動いて、いいぞ」
「うん、ガルのいいとこ、教えて」

 指では探せなかった前立腺を、自身で探る。
 場所にあたりをつけては、亀頭で押し上げた。
 数度試している内に、ガルの反応が変わってくる。

「あ、ぁあ……! そこ……っ」
「ここ? ここが感じるの?」

 ぐっぐっと腰で突いて、同じところを責める。

「んおぉっ、そこ、やば……っ!」

 感じてくれてるんだ。
 ぼくので、ガルが感じてくれてる。
 それが嬉しくて、何度も執拗に抽送を繰り返した。

「おっ、あっ……! もう、ダメだ……リゼ……!」
「うん、いっぱい感じて?」

 次第に一度のストロークも長くなっていく。
 挿入が深まるほど、自身を飲み込まれる快感にぼくも震えた。
 亀頭、かり首、竿への圧力が増し、吐息に熱がこもる。

「ガルの中、よすぎて、何も、考えられなくなる……っ」
「くっ、あっ、あっ……リゼのが、奥まで、入って……んおぉぉっ!」

 一際大きく喘ぐと、ガルがイッた。
 しかし射精はない。
 屹立した尖端から透明な液を垂らし、ビクビクと体を震わすのが繋がった場所から伝わってくる。
 肉壁が収縮し、搾り取られる感覚に、理性が焼かれた。
 律動を止められなくて、ガルを責め続ける。
 ぶつかり合う音に煽られ、熱が体の中心で奔流となっていく。

「あひっ、あっ……! リゼ、やばい、もう……感じ、すぎて……!」
「ガル、ガル……!」

 肉を打つたびに、汗が飛び散った。
 重いガルの体に押されるけど、それが余計ぼくの中心を深く飲み込むことになる。

「あっ、ぁあ……奥、突かれて、頭、おかしく、なるぅ……! リゼ、りぜぇ……っ!」
「ふっ、ガル、好き、ガル……っ」

 最後はお互いの名前を呼びながら、ぼくたちは果てた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

私はあなたの母ではありませんよ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:9,585pt お気に入り:3,613

【完結】さわって言いなり♡催眠セックス

BL / 完結 24h.ポイント:234pt お気に入り:515

裏クラウドファンディングへようこそ

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:289

貴方の子どもじゃありません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:18,989pt お気に入り:3,882

アデルの子

BL / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:572

かわいい息子がバリタチだった

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:315

王道じゃなくて悪かったな

BL / 完結 24h.ポイント:78pt お気に入り:622

作り物は嫌ですか?

BL / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:55

処理中です...