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新しい力:7

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特に、香織さんの視線は、自分と同じような顔と体型をした、ミニサイズ香織に釘付けだった。


『あ!挨拶がまだだったね。

私は、イーグルに搭載されていたCPUメイン・コンピューターが進化したCPUメイン・コンピューター

形式番号【000-MUGEN】だよ。』

そう言って、俺に頭を下げた後に。メインスクリーンに映るみんなに向かって頭を下げて挨拶をする。


「聞いても良いかしら?000-MUGENさん。」

スクリーンに映る香織さんから、000ーMUGENに尋ねる。


『お答えできる範囲で良いのなら、なんでも答えるよ。』

そう言って、香織さんの方を向く 000-MUGEN。

「なんで、私と同じ顔をしているの?」

うん・・・。やっぱり、それを聞くよね・・・。

俺も同じことを思っていたし・・・・。

サイズこそは違えど、香織さんと全く同じ姿形をして眼鏡まで掛けている 000-MUGEN。

『それはね。私の姿を構築する時に。

機体のメモリの中に在った記録を検索した時に、この姿のメモリが一番多かったの。

私が、この世界での姿を構築するのに、機体の保管メモリの登録されていた人物の中で、一番多い人物のメモリを借りただけだよ。』

ちょっ!何言ってんのコイツ!

俺は慌てて、000-MUGENを右手で鷲掴みにして自分の方に引き寄せる。

『きゃっ! どこ触ってんのよっ! 変態! スケベ!』

手の中で、ジタバタと暴れる 000-MUGEN。

恐る恐る、顔を上げてメインスクリーンに目を向けると・・・・。

健太とアイザックは、ムカつく様な表情でニヤニヤしているし。

アイラは、うつろな目で俺を見てるし。

香織さんはと言えば・・・・。

顔をうつ伏せているのだが、スクリーン超しでも判るくらいに耳まで真っ赤になっていた。

俺・・・オワタ・・・・。

『いい加減離してよぉ!

じゃないと!本当にコードが発動して、私が消えちゃうからっ!』


000-MUGENの言葉に反応して、俺は慌てて手に握っていた000-MUGENを開放する。


「どう言う事だ?」

恥ずかしさが残る中、何とか自制して000-MUGENをに尋ねる。
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