上 下
50 / 140

決闘:3

しおりを挟む

俺が、マシンガンからの攻撃範囲から逃れたのを確認すると。

サムソンは、機体の足の部分から、小型のミサイルが発射される。

ミサイルは、まっすぐ竜騎兵ドラグーンに向かって追いかけてくる。

追尾ホーミング付きだよ。』

レイが慌てる事なく言う。

俺は、後ろ向きにホバリング移動しながら、胸の胸部に付けられているビームバルカンを、向かって来るミサイルに向かって発射する。


ドドドンッ!


的が外れる事無く、ビームバルカンがミサイルを迎撃する。


一瞬、視界が爆炎で覆われる。


その爆炎の中から、サムソンの機体が、ビームサーベルを右手に構えて、竜騎兵ドラグーンに向かって突進してきた。



右手の内側が開き、筒状の物が射出され、竜騎兵ドラグーンの右手の部分が、その筒状の物を握るとビームブレードの形を作り出し、サムソンの機体のビームサーベルとビームブレードがぶつかり合い火花を散らせる。

「以外に、早いな。」

サムソンの機体を、スクリーン越しに見ながら言葉が漏れた。


『機体コード:MI-HA2:人型ヒューマンタイプ
 機体名:サラマンダー

 機体ランク:8
 機体サイズ:M

 体高:23メートル
 全幅:4.3メートル


 機体の大きさの割に機動性は高く、運動性能も装甲値もそれなりに高い。
 中・近距離の攻撃が得意で、近距離武装の【炎獄の手ファイアハンド】は、多少分厚い装甲だろうが溶かすわ。』

レイが早口で、サムソンの機体の特徴を言う。

「ふ~ん。向こうも、機動性重視の機体なのか。」

サムソンの攻撃を躱しながら言う。

『でも、竜騎兵ドラグーンには及ばないからね。』

何度も、攻撃を仕掛けてくるサムソンのサラマンダー。

しかし、俺は回避と防御だけを行い、サラマンダーの攻撃を受けない様に徹底している。

「だいぶ慣れてきたな。 レイ。ギアを上げていくぞ。」

『了解!』


「おらっ! 逃げてばかりじゃ、俺は倒せないぞっ!」

サムソンが、機体の拡散スピーカーを使い、安い挑発をしてくる。



「悪い悪い。前の機体から進化させたばっかりでね。慣らしがてらの操縦だから。

だけど、慣れてきたんでね。こっからは、本気で行かせて貰う。」
しおりを挟む

処理中です...