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戦艦:2

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「ところで大将。さっきから気に為っているんだが、ソレはなんだ?」

サムソンが、レイをモニター越しに見ながら言う。


『それじゃないよっ!レイって名前があるんだからっ!』

サムソンに向かって、舌を出しながら言う。

「それは悪かった。んじゃ、レイ。さっきは悪かったな。」

ニカっと、本人は笑顔のつもりなのだろうが、いかんせん・・・怖い・・・。

サムソンの笑顔を見て、サッと悠夜の後ろに隠れるレイ。

「謝ってんだ。許してやってくれないか?レイ。

結構、良い奴だぞ。顔は悪いけど。」

悠夜がレイの頭を撫でながら言う。

「大将! そりゃねえだろぉ~。 せめて強面こわもてって言ってくれよ。」

「だそうだ。」

『分かった。宜しくね、サムソン。』

再び悠夜の右肩に乗り、サムソンに向かって言うレイ。

「おう、宜しくな。

ところで、レイはNPCノンプレイキャラクターなのか?」

サムソンの言葉に、レイが悠夜の顔を見る。

言って良いのか迷っているのだ。

「機体のこと以外は話しても良いぞ。」

レイに囁く様に小声で悠夜が言う。

『私は、竜騎兵ドラグーンの、自己確立進化型CPUメインコンピューターの、000-MUGEN。

扱い的には、NPCノンプレイキャラクター扱いで間違っていないわよ。』

サムソンに、自分の事を話し出すレイ。

「ってか。 そんな、CPUメインコンピューターが有るんだな・・・。」

感心したようにつぶやくサムソン。

「悪いけど。 その辺は話せない。 あの場に居たメンバー以外では秘密事項だ。」

「私も?」

悠夜の言葉に、その時に不在だった桂子が尋ねると。

「桂子さんには、学校で話すよ。」

「ん。」

悠夜の言葉に、頷きながら短く返事をする桂子。

「っと。 大将。渡しておく。」

そういって、サムソンが悠夜に、トレードを飛ばしてくる。

「ん?」

飛ばされたトレード品は、エネルギーパック。 それも、3個。

「1日、1個の筈だが?」

「どうせ文無しなんだろう。 貰って置け。 レイへの詫びも兼ねてってことで。」

「サンキュー。 それじゃ、遠慮なく貰って置く。」

こうして、途中何度か、敵の機体を迎撃しながら、目標の町の側に辿り着く。

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