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ミッションボス:2

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* * * 視点:桂子 * * *



剣を手に、桂子に向かって近接してくる敵2機。


「バリアフィールを常時展開しつつ、回避と防御はハナ任せたわよ。」

『了解。』

桂子の言葉に、メイデスのCPUメインコンピューターのハナが答える。

ハナに回避運動のすべてを任せた代わりに、メイデスの機体の照準が手動マニュアルになる。

両手にスティックを握りしめ、桂子は向かって来る敵機2体に自ら接近する。

左右から、敵の攻撃が繰り出されるが。回避と防御はCPUメインコンピューターに任せているので桂子自身が判断を下すよりも迅速に処理してくれる。

CPUメインコンピューターのハナが、メイデスの機体を操り、敵の攻撃を躱し受け止める。

その一瞬の間に、桂子が両手に持ったスティックからビームが伸びて敵2機に当たる。

だが、当たりが浅かったのか。

1機は、胴体部分から頭部を切り落とすのに成功し、クリティカル判定が出て機体ダメージが80%を超えたのに。

もう1機は、ほとんどダメージを受けていなかった。

桂子は、すかさずダメージの大きい方の機体に、脚部のドリルミサイルを撃ち込む。

★ドリルミサイル:外部武装★
*ドリルの様に回転しながら、装甲を貫き内部で爆発するミサイル。

だが、これが、メイデスの回避運動を遅らせた。

もう1機の敵機が、メイデスの右側から残った敵が剣で切り付けてきた。

ズズン。と、メイデスの機体が揺れて、右腕が切り落とされる。

『部位破損。このミッション中は、右腕の仕様が不可能になりました。』


CPUメインコンピューターのハナが桂子に告げる。


★部位破損★
*敵味方関係なく、各部位:頭部・腕部・脚部の破壊に成功すること。


桂子けいこは、アクセルを踏み込んで敵からの距離をとる。

「今のは?」

『ハーモニック・スカルペルでの攻撃です。』


★ハーモニック・スカルペル(Harmonic scalpel):外部武装★
*秒間数千回の振動を発する実剣。高周波ブレードとも呼ばれている。
*振動時の発する熱で、装甲を溶断(溶かして切る)する。


『ハーモニック・スカルペルの前では、バリアフィールドは意味を為さなくなります。』


「みたいだね。 バリアフィールドを解除。 武器をビームブレードから、ツインブレードに持ち替えるよ。」


★ツインブレード:外部武装★
*手に持つ柄の所から、片方が実剣で、片方が任意でビームブレードを伸ばす事のできる仕込み武器。



『了解。』


ビームブレードの刃を仕舞い、脚部の側面が開き。 開いた部分に向かって柄を差し込むと、一気に引き抜く。

すると、柄の先には実剣が装備されていた。

左腕だけで、正眼の構えをとる桂子。
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