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感情システム

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サムソンとタクヤが左側の敵の処理に向かう。

雑魚処理に、他のメンバーが向かっている頃。

健太けんた頼子よりこの駆るオランタム・ファイターは、着実にアグレイアのHP耐久値を削っている。

「健太君! 残り時間5分を切ったよっ!」

アグレイアのHP耐久値は、残り4分の1程度だが、先程から攻撃パターンが変わって、オランタム・ファイターへの被弾率も上がっている。

頼子よりこさん! 一気に蹴りを付けようと思うんだけど!?」

健太けんた君の判断に任せるわっ! 今から距離を取って、オランタム・ガンナーに合体し直すの無理だしっ!」

「失敗したらゴメンよっ!」

「失敗しても文句は言わないから安心なさいっ!」

そう、むしろ健太は良くやっている方だと言えるだろう。

なにせ、ボスを相手に回避壁タンクをしながら、攻撃を当ててHP耐久値を削っているのだから。


感情エモーションシステム起動! バリアフィールドを機体全体に展開!」

『ラジャー。』

健太の声に、オランタム・ファイターのCPUが答える。


「「おおおおおおおおおおおっ!!」」

健太と頼子が、気合を入れる。

通常なら、気合を入れた所で、ゲームの中での機体の性能の向上などは在り得ないのだが。

健太が起動させた、感情エモーションシステムは、パイロットの気持ちの高まりに反応して、機体の性能を無理やり上げる事の出来るシステムだ。


但し、感情Emotionシステムの作動時間は僅かに60秒。

しかも、60秒経つと、機体冷却の為に30秒の間は動けなくなると言うオマケ付き。


「タイラント・リミット・ブレイクッ!!」

アグレイアの攻撃を躱し、隙を見て健太が叫びながらトリガーを引く。

★タイラント・リミット・ブレイク:必殺技★
感情エモーションシステム起動時にしか使えないスキル
*機体に纏わせたバリアフィールドで、4回の拳での攻撃、4回の蹴り技の攻撃を放ち。最後に、踵落としを決める。超荒業。

健太の駆る、オランタムファイターの攻撃スキルを食らっても、尚も残るアグレイアのHP耐久値ゲージ。

大技を放って、スキル硬直に入ったオランタムファイター目掛けて、アグレイアの持つビームサーベルが振り下ろされる!

オランタムファイターは、振り下ろされるビームサーベルに向かって機体を押し込むように密着させた。


そう、技後硬直に陥っては居るが、頼子よりこがサブパイロットの特権とも言える機体制御を行使してオランタムファイターをアグレイアに密着させたのだ。
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