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エリアミッション:11
しおりを挟む* * * 同時期 視点:健太 * * *
「つおおおおおおおっ!」
「健ちゃん!」
大量のミサイルの雨が、健太の駆るオランタム1に降りかかる。
デススパイダーの範囲攻撃から、頼子の駆るオランタム2を護るように、オランタム1が拳と足にバリアフィールドを張り巡らせて迎撃するも、大量のミサイル攻撃を全て迎撃出来る訳もなく、数十発以上は被弾してしまう。
それでも、健太の奮闘の御蔭とも言うべきか、オランタム2への着弾の被害は最小限にとどめられた。
「頼ちゃん。 無事か?」
メインスクリーンの右端に、健太の顔が映される。
「うん。 健ちゃんのお陰で、20%の損傷で済んだよ。 ありがとね、健ちゃん。」
「そか。 良かった。」
「でも、健ちゃん。 オランタム1は動けるの?」
「うぅ~ん。 ちとヤバいかも。」
ちらりと、自分のHPゲージに目をやれば、オランタム1のHPは辛うじて注意域だが、危険域手前だと判るほどには減っている。
しかも、内部ダメージも相当受けたよう模様で、機体の動きが目に見えて分かるほどに鈍い。
「健ちゃん。 後方に下がって合体するわよ。」
「ん。 悪いけど、頼ちゃんに任せるよ。」
「タクヤ! 健ちゃんと、一緒に後方に下がるから援護をお願い!」
「分かった。」
タクヤが、自身の機体の盾を翳しながら、デススパイダーの攻撃を受け止めて時間を稼ぎ出す。
タクヤの返事を聞き終わらないうちに、オランタム2が、オランタム1の腰部分に腕を回して、抱え込むようにして急いで、その場を離脱する。
離脱したオランタム1と2は、戦艦セラフィエルの傍にまで下がってくると合体を始める。
「チェンジ! オランタムスナイパー!」
頼子の声に反応して、オランタム2の脚の部分がパージされる。
パージされた両脚は、前後に繋がれて両脚部分が巨大な四角い筒状の物に変形する。
一方のオランタム1は、頭部の部分が切り離《パージ》》されて、頭部より下の部分はそのままで、腰の部分から90度曲がり、両手を地面に着ける形になる。
其処に、分離されたオランタム2が、オランタム1の人間で言えば、お尻の部分に乗っかる形で繋がり切り離《パージ》さ長方形の形を取ったオランタム1の両足をオランタム2が手に持つ。
最後に、オランタム1の頭部が、オランタム1の背中の部分に繋がり、繋がったオランタム1の頭部の上に四角い巨大な筒《砲身》が置かれる。
今の状態を簡潔に言うなれば。
四足歩行の姿に為ったオランタム1の上に、オランタム2の機体が乗っかり。
巨大な長方形の塊を、オランタム1の頭部で固定して構えている。
★オランタムスナイパー★
本来の初期段階では、神話に出てくる半人半馬のケンタウルスを模す予定だったが。
試作段階で、ケンタウロス型に模すと、巨大な銃を持たせた時に、機体の重心が前に掛かり過ぎ機体重心が不安定に為る事が発覚。
止む無く、オランタム2の上半身を、後部に設置させる事で安定性を出し、前部にオランタム1の頭部を固定台の代わりにする事で命中率の向上を上げた。
「モードスナイプッ!」
頼子の声に反応して、巨大な長方形をした物体の前方部分が、さらに伸びながら先端は細くなっていく。
そして、オランタム2が伸ばした手の部分には、いつの間にかトリガーの様な形態になっている。
★オランタムスナイパー:モードスナイプ★
エネルギー収束率を高めた結果、貫通能力が飛躍的に向上して聖騎士の持つ盾すらも容易く貫通できる威力を誇る。
ただし、収束率変換重視の為に、エネルギー伝導率が落ちた結果、連射は不可能。
「回避は任せたかんねっ! いくよ!」
「おう!」
頼子の声に、健太も勢いよく答える。
「撃ち貫くっ!」
オランタムスナイパーの指がトリガーを引くと、長方形の箱型をした銃身にエネルギーが収束して、その銃口から見た目には心許ない一条の光の帯がデススパイダーに向かって放たれた。
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