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王都へ
夜会の招待の顛末※
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結局皆で色々話し合った結果、今回の様な事があったとしても僕の色の能力が有れば事前に防げるだろう事、僕が一人にならない事を約束して様子を見ることにした。
「沢山ジュリアン宛に招待状を預かってきたんだけどねぇ。まぁ、シン君も目当てには違いないけれど。
夜会はどうする?」
話が終わって皆が出て行った後にルカ様が僕らの方を向いて聞いてきた。
ジュリアンは渋い顔をしてこんな事もあったんだから断れとルカ様に言い放っていたけれど、僕は後見のリール公爵家の立場もあるのではと考えた。
「ジュリアン、僕はリール公爵家の後見を受けています。参加できそうなものは是非参加させて下さい。」
ルカ様は僕の言葉を聞いて少し安心した様に笑って言った。
「シン君がそう言ってくれると助かるよ。ジュリアンに言っても中々難しいだろう?母上も楽しみにしてるからさ。」
ん?母上?ああぁ、もしかしてまたおもちゃにされるパターンなのか…。僕は苦笑を浮かべると、ジュリアンの方を見た。
ジュリアンはそれ見た事かと、呆れ顔だった。早く言ってよ…ジュリアン。
それから何度か僕はジュリアンと一緒に王都の有名な夜会へ参加した。
参加する度に沢山の貴族達が僕の所へやって来て話しかけるのだけど、いつの間にか側に戻ってきたジュリアンが睨みを聴かせるので、僕はあまり親しい友人を作れなかった。
その中でも黒騎士団の弓隊の貴族である騎士達とは顔見知りもあって比較的仲良くしていたけれど、やっぱりジュリアンが睨んでくるので皆苦笑いだ。
ジュリアンの寝支度を手伝いながら僕は言った。
「今日も弓隊のマーク様と話してる時にジュリアンが邪魔しに来たでしょう?このままじゃ、ジュリアンがいい笑い者になってしまいますよ?」
ジュリアンははだけたローブで僕の前に立ちはだかりながら僕の腰を抱き止めて言った。
「私はいつでもシンを独り占めしたいんだ。特に二人きりのこんな時はシンの口からマークとやらの名前を聞くのも耐えられない。」
そう言いながらニヤリと笑うと僕の唇につくかつかないかの距離で、ジュリアンの既に立ち上がった昂りを僕のお腹にグリグリと押し当てた。
僕は煽られて身体があっという間に熱くなると、焦らし続けるジュリアンの首に両手で抱きついて唇を押し当てた。
ジュリアンの少し湿った分厚い唇の柔らかさと、お腹に押し付けられた逞しい昂りがビクビクと蠢く感触に僕は呻いてジュリアンに囁いた。
「ジュリアン、僕もジュリアンだけ。僕はジュリアンだけのものだよ。」
「沢山ジュリアン宛に招待状を預かってきたんだけどねぇ。まぁ、シン君も目当てには違いないけれど。
夜会はどうする?」
話が終わって皆が出て行った後にルカ様が僕らの方を向いて聞いてきた。
ジュリアンは渋い顔をしてこんな事もあったんだから断れとルカ様に言い放っていたけれど、僕は後見のリール公爵家の立場もあるのではと考えた。
「ジュリアン、僕はリール公爵家の後見を受けています。参加できそうなものは是非参加させて下さい。」
ルカ様は僕の言葉を聞いて少し安心した様に笑って言った。
「シン君がそう言ってくれると助かるよ。ジュリアンに言っても中々難しいだろう?母上も楽しみにしてるからさ。」
ん?母上?ああぁ、もしかしてまたおもちゃにされるパターンなのか…。僕は苦笑を浮かべると、ジュリアンの方を見た。
ジュリアンはそれ見た事かと、呆れ顔だった。早く言ってよ…ジュリアン。
それから何度か僕はジュリアンと一緒に王都の有名な夜会へ参加した。
参加する度に沢山の貴族達が僕の所へやって来て話しかけるのだけど、いつの間にか側に戻ってきたジュリアンが睨みを聴かせるので、僕はあまり親しい友人を作れなかった。
その中でも黒騎士団の弓隊の貴族である騎士達とは顔見知りもあって比較的仲良くしていたけれど、やっぱりジュリアンが睨んでくるので皆苦笑いだ。
ジュリアンの寝支度を手伝いながら僕は言った。
「今日も弓隊のマーク様と話してる時にジュリアンが邪魔しに来たでしょう?このままじゃ、ジュリアンがいい笑い者になってしまいますよ?」
ジュリアンははだけたローブで僕の前に立ちはだかりながら僕の腰を抱き止めて言った。
「私はいつでもシンを独り占めしたいんだ。特に二人きりのこんな時はシンの口からマークとやらの名前を聞くのも耐えられない。」
そう言いながらニヤリと笑うと僕の唇につくかつかないかの距離で、ジュリアンの既に立ち上がった昂りを僕のお腹にグリグリと押し当てた。
僕は煽られて身体があっという間に熱くなると、焦らし続けるジュリアンの首に両手で抱きついて唇を押し当てた。
ジュリアンの少し湿った分厚い唇の柔らかさと、お腹に押し付けられた逞しい昂りがビクビクと蠢く感触に僕は呻いてジュリアンに囁いた。
「ジュリアン、僕もジュリアンだけ。僕はジュリアンだけのものだよ。」
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