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二度目の砦生活
シンとの遭遇
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揺らめく渦が終わる頃、私は気を引き締めて待った。足元に柔らかな絨毯が触れるのを感じた瞬間、私は剣を構えた。
まだ夜の開け切らない薄暗い中で、周囲を見渡すと閨の遮断幕の向こうからシンの喘ぎ声と囁き声が聞こえた。もっと口づけて?今聞こえたのは私の幻聴だろうか。
私は心が凍りつくような気持ちになったが、用心深く足音を立てないように近づいた。
その時、遮断幕を巻き込みながらドサっと何か重量のあるものがベッドから落ちた。私が飛び退いて剣を突き出すと、そこには金色の長い髪の男が倒れ込んでいた。私は咄嗟に第二王子と思われるその男を手近にあった紐のようなもので拘束した。
ベッドの上にはほとんど裸の状態で苦しげに息を荒げているシンがいた。
「シン⁉︎大丈夫か!」
シンは指を唇に立てて私に静かにするように指示すると、虚な扇情的な眼差しで途切れ途切れに囁いた。
「…いま、男に白の魔法を…直接注ぎ込んだんです…。閨の魔法が…強くて…僕…、動けない…。」
私は閨の魔法が効きすぎて朦朧としているシンに口づけると、ゆっくり自分の魔力を注いだ。他人の魔力をシンの身体に馴染んだ私の魔力で中和させてみた。シンはゆっくり目を開けて大きく息を吐くと、ふらつきながらも立ち上がった。
「…なんとかなりそう。ジュリアン、…この男はどうしますか。」
私は足元に転がっている裸の第二王子を苦々しく見下ろして言った。
「この男は夜の国の第二王子だ。生かしておいては危険だ。またシンが狙われる。」
シンは私の剣を握った手を押さえると言った。
「この男が第二王子…。もし王子を殺したら、夜の国は総力で…我が国に向かってくるでしょう?…それでは砦は持ちません。私達は素知らぬフリで…、ここを脱出しましょう。僕もこの状態では…逃げるので精一杯です。」
シンは息を切らしながら、囁いた。じんわりと濡れる汗がまだ閨の魔法の影響下にある事を伺わせた。
私は昏倒している第二王子の拘束を強めるとベッドに転がして、シンの代わりにクッションを押し込んで閨の偽装をした。
その間に、シンは第二王子のシャツとズボンを引っ張り出してきて、呻きながら着ると窓を指差した。
扉の前には護衛が詰めているだろうから、窓から逃げるというのだろうか。私は頭の中に敵の砦の縮図を思い浮かべた。
シンは私の前に立ち塞がると、私の腕を掴みながら真っ直ぐに見つめてきて言った。
「砦の中を行くには、…今の動きの悪い僕を連れて行くにはジュリアンでも勝算が低いです…。僕は壁ならロープで降りる事が出来る。地上に降りたら、ジュリアンには戦ってもらう必要があるかもしれないけど…。僕はジュリアンを犠牲にしたくない。
僕を愛してるなら、…必ず生きて戻って。」
まだ夜の開け切らない薄暗い中で、周囲を見渡すと閨の遮断幕の向こうからシンの喘ぎ声と囁き声が聞こえた。もっと口づけて?今聞こえたのは私の幻聴だろうか。
私は心が凍りつくような気持ちになったが、用心深く足音を立てないように近づいた。
その時、遮断幕を巻き込みながらドサっと何か重量のあるものがベッドから落ちた。私が飛び退いて剣を突き出すと、そこには金色の長い髪の男が倒れ込んでいた。私は咄嗟に第二王子と思われるその男を手近にあった紐のようなもので拘束した。
ベッドの上にはほとんど裸の状態で苦しげに息を荒げているシンがいた。
「シン⁉︎大丈夫か!」
シンは指を唇に立てて私に静かにするように指示すると、虚な扇情的な眼差しで途切れ途切れに囁いた。
「…いま、男に白の魔法を…直接注ぎ込んだんです…。閨の魔法が…強くて…僕…、動けない…。」
私は閨の魔法が効きすぎて朦朧としているシンに口づけると、ゆっくり自分の魔力を注いだ。他人の魔力をシンの身体に馴染んだ私の魔力で中和させてみた。シンはゆっくり目を開けて大きく息を吐くと、ふらつきながらも立ち上がった。
「…なんとかなりそう。ジュリアン、…この男はどうしますか。」
私は足元に転がっている裸の第二王子を苦々しく見下ろして言った。
「この男は夜の国の第二王子だ。生かしておいては危険だ。またシンが狙われる。」
シンは私の剣を握った手を押さえると言った。
「この男が第二王子…。もし王子を殺したら、夜の国は総力で…我が国に向かってくるでしょう?…それでは砦は持ちません。私達は素知らぬフリで…、ここを脱出しましょう。僕もこの状態では…逃げるので精一杯です。」
シンは息を切らしながら、囁いた。じんわりと濡れる汗がまだ閨の魔法の影響下にある事を伺わせた。
私は昏倒している第二王子の拘束を強めるとベッドに転がして、シンの代わりにクッションを押し込んで閨の偽装をした。
その間に、シンは第二王子のシャツとズボンを引っ張り出してきて、呻きながら着ると窓を指差した。
扉の前には護衛が詰めているだろうから、窓から逃げるというのだろうか。私は頭の中に敵の砦の縮図を思い浮かべた。
シンは私の前に立ち塞がると、私の腕を掴みながら真っ直ぐに見つめてきて言った。
「砦の中を行くには、…今の動きの悪い僕を連れて行くにはジュリアンでも勝算が低いです…。僕は壁ならロープで降りる事が出来る。地上に降りたら、ジュリアンには戦ってもらう必要があるかもしれないけど…。僕はジュリアンを犠牲にしたくない。
僕を愛してるなら、…必ず生きて戻って。」
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