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王都
パーカスsideテディの真実
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テディが苦しげに胸を押さえて前に倒れ込むのを見た瞬間、私はテディを塔に連れて来るべきではなかったと後悔した。タートから渡された本を見た時の苛立ちなど、テディの苦しむ姿を見てしまっては、もうどうでも良かった。
「テディ!大丈夫か!?テディ!」
すっかり意識を失ったテディを抱えて呆然としていると、長老が私に言った。
「ほれ、さっさと服を脱がせて寝かせるんじゃ。破れてしまうぞ?」
こんな時に何を言っているのかと長老に文句を言おうとしたその瞬間、テディに変化が起き始めた。明らかに少しずつ大きくなり始めている。私はギョッとしたものの、長老の言った、破れてしまうと言った言葉が現実を帯びて、慌てて手を動かした。
脱がせた側から、むくむくとテディの身体は成長を始めて、むちむちとした肌はすんなりとして、手足は伸びた。ぽっちゃりとした顔はゆっくりと痩せて骨格が変化していく。柔らかな髪はどんどん伸びていつの間にかハリのある美しい真っ直ぐな黒髪になった。
音を立てる様に成長する姿を見るという不思議な状況に呆然と見入っていると、突然テディの成長は止まった。歳の頃は成人前の若者という感じだろうか。
「なるほど、本来の坊主の姿はそれなのであろう。…パーカス、話が終わるまでこれを掛けてやりなさい。」
長老に渡された掛け布を、ぐっすり眠っている小さなテディだった者にそっと掛けると、私は大きく息を吐き出した。
「‥これは一体どういう事なのですかの…。目の前で起きたこととは言え信じ難い。」
すると、長老は開いた手紙と日記の様なものを私の前に差し出した。
「これを坊主が読むのはどうかと思ってのう。あるべき姿に一時的に変化させてみたのじゃよ。人間はこの世界への迷い人じゃ。どういう理屈かは分からぬ。ただ以前にも別の世界から迷い込んだ様じゃ。来ることはあっても、戻ることは出来ぬ様じゃの。」
私はそれを聞いて、安堵の息を吐き出した。テディは少なくともここに留まるという事だ。私はすっかり別人の様に変わってしまった、青年というにはまだ幼い、美しい若者になったテディをもう一度見つめた。
「この変幻は一体どういう…。テディは元々この様な若者だったと?確かにテディは普段から賢い幼児じゃ。文字もあっという間に読める様になって驚かされたし、子供の様に癇癪を起こしたり、わがままを言ったりしないのじゃから。
確かに言葉を選んで話す所や、時々妙に悲観的になって泣いて落ち込む様子は妙に大人びておる。もし内面がこのくらいの若者だったとすれば、しっくりくるのは間違いないじゃろう。
じゃが、テディは以前の事はほとんど覚えていない様子じゃったが、言い出せないだけじゃったのか…?」
私がそう言うと、長老は青い魔石がぶつかった本の中に入っていた、一通の手紙を私に指し示した。
「これを読んでみるんじゃ。ここに答えが書いてあるのでな。」
私は妙に緊張した気持ちでその年月の経った手紙を広げてみた。そこには美しい文字で簡潔に私の欲しい答えが書かれていた。
『この世界に迷込んだ人間の貴方へ
もし貴方が人間ならば、幼くなってしまった事や慣れない状況にも、不安になったり、悲しむ必要はありません。この世界は少しだけ種族として違う人達が居るだけで、彼らは人間と内面は変わらぬ人達です。彼らは寿命が私達人間より明らかに長いですが、私は愛する番いを得た事で、人間として定められていた寿命はとっくに何倍も超えています。
私が人間の頃の記憶を失ってしまっても、この世界で幸せに過ごしている様に、貴方もきっと楽しく幸せになれるはずです。怖がらないでこの世界の人達に心を開いて下さい。
ここだけの話、私達人間は運命の番というものは分かりません。けれども私を運命の番いだと感じる者は何人もいたのです。それは少し困った事になるかもしれませんが、選ぶのは貴方。気持ちのままに幸せになってくださいね。
追伸 人間は魔素を溜め過ぎてしまうので、時々魔力を放出してくださいね。具合が悪くなりますから。 かつての迷い人より』
私は手紙を読み終えて、隣のソファで横たわっている成長したテディを見つめた。タートが渡した本といい、手紙の内容といい、そして成長しても儚げなテディの顔を見つめていると、これから起きる色々な事が予想できる気がしたのだった。
「パーカス、本来のテディの姿はぬしだけが知っておれば良い。どのみち魔法で一時的に解放しただけなのでな。ただ、時々こうして見合った器と本来の精神のバランスを整えるのは必要かもしれんの。…簡単に出来る方法を考えてみることにしようぞ。…そろそろ魔力が切れるぞ。」
そう言う長老の言葉に、ハッとしてテディに目をやると、なるほどテディは今度はしなやかな若者から、ゆっくりと子供に変幻していった。そしていつもの見慣れた幼な子のテディになった。
私はホッと息を吐き出して、素っ裸のテディを起こさない様に優しく服を着せ掛けた。やはり私はこの姿に愛着を持っているのだと苦笑するしかなかった。ゆっくり大きくおなり、テディ。
「しかしタートの選んだ本は、何とも手紙の内容を予見させるものじゃないかの?ホホホ。」
そう楽しげに笑う長老を私は睨んだ。
「長老は楽しいかもしれませんが、絶対的な保護者である私には頭の痛い問題ですぞ。今の幼な子のテディでさえ、既に二人ばかり思い当たる節があるのですから。
確かにテディはひと目を惹きます。この世界では珍しい幼さ故だと考えていた私は、どうも甘かった様ですな。あの様に成長すれば、それはそれでやはり惹きつけられるでしょうからの。」
私はため息をつきながら、タートからテディに渡された本の表紙をなぞった。【賢い番いの選び方】と書かれた、まるで適齢期の獣人や竜人がこっそり読む様なこの本をテディに選んだ理由は考えたくもないけれど、テディがこの世界基準ではあっという間に成長すると考えると、直ぐに必要になるのかもしれない。
それから私は長老に、人間は魔素を貯める体質なので訓練すれば魔法を使う事が出来るかもしれない事、身体の成長が早い分、情緒が不安定になり易い事、番の概念は感覚として分からない事、この世界に無い知識や考え方を持っているので影響力がある事、そして人間だと知られると危険だと言う事を教えられた。
「危険?なぜですかの。」
私が眉を顰めて長老に尋ねると、長老は私の目をじっと見つめて言った。
「ぬしもこの子から人間という言葉を聞いた時に、何か感じなかったかのう?私に手紙をよこしたのはなぜじゃ?何処かで聞いた事があったからでは無いかの?国の中心に近い者なら誰でも知っているのじゃ。それが何かは知らなくても調べれば色々出てくるのじゃよ。
この国ではこの塔にくればわかる様に、他の国だとて人間の事が伝わっていないとは言えないじゃろう?珍しいもの、魅力あるもの、魔法が使えるものは狙われる…。そういう事じゃ。パーカス、ぬしも引退などしておれんのではないかの?」
ぐっすり眠るテディを抱えて塔の階段をゆっくり降りながら、私は今後の身の振り方をじっくり考える必要があるのだと感じていた。テディのためならばそれも致し方ないだろう。この子を今守ってやれるのは私しかいないのだ。
そんな私達を地上出口まで送ってくれた塔の管理者である白鷺の獣人は、腕の中のテディを暗い眼差しで見つめながら呟いた。
「…パーカス様、この幼な子は一人で多くの者に影響を与える運命の道筋に立っておりますね。それはきっと混乱と争いを巻き起こすでしょう。長老が何と言ったかは分かりませんが、私ならばこの世界の平穏のために、彼を皆の目に触れぬ様に育てるでしょう。それが一番です。そうは思いませんか?」
「テディ!大丈夫か!?テディ!」
すっかり意識を失ったテディを抱えて呆然としていると、長老が私に言った。
「ほれ、さっさと服を脱がせて寝かせるんじゃ。破れてしまうぞ?」
こんな時に何を言っているのかと長老に文句を言おうとしたその瞬間、テディに変化が起き始めた。明らかに少しずつ大きくなり始めている。私はギョッとしたものの、長老の言った、破れてしまうと言った言葉が現実を帯びて、慌てて手を動かした。
脱がせた側から、むくむくとテディの身体は成長を始めて、むちむちとした肌はすんなりとして、手足は伸びた。ぽっちゃりとした顔はゆっくりと痩せて骨格が変化していく。柔らかな髪はどんどん伸びていつの間にかハリのある美しい真っ直ぐな黒髪になった。
音を立てる様に成長する姿を見るという不思議な状況に呆然と見入っていると、突然テディの成長は止まった。歳の頃は成人前の若者という感じだろうか。
「なるほど、本来の坊主の姿はそれなのであろう。…パーカス、話が終わるまでこれを掛けてやりなさい。」
長老に渡された掛け布を、ぐっすり眠っている小さなテディだった者にそっと掛けると、私は大きく息を吐き出した。
「‥これは一体どういう事なのですかの…。目の前で起きたこととは言え信じ難い。」
すると、長老は開いた手紙と日記の様なものを私の前に差し出した。
「これを坊主が読むのはどうかと思ってのう。あるべき姿に一時的に変化させてみたのじゃよ。人間はこの世界への迷い人じゃ。どういう理屈かは分からぬ。ただ以前にも別の世界から迷い込んだ様じゃ。来ることはあっても、戻ることは出来ぬ様じゃの。」
私はそれを聞いて、安堵の息を吐き出した。テディは少なくともここに留まるという事だ。私はすっかり別人の様に変わってしまった、青年というにはまだ幼い、美しい若者になったテディをもう一度見つめた。
「この変幻は一体どういう…。テディは元々この様な若者だったと?確かにテディは普段から賢い幼児じゃ。文字もあっという間に読める様になって驚かされたし、子供の様に癇癪を起こしたり、わがままを言ったりしないのじゃから。
確かに言葉を選んで話す所や、時々妙に悲観的になって泣いて落ち込む様子は妙に大人びておる。もし内面がこのくらいの若者だったとすれば、しっくりくるのは間違いないじゃろう。
じゃが、テディは以前の事はほとんど覚えていない様子じゃったが、言い出せないだけじゃったのか…?」
私がそう言うと、長老は青い魔石がぶつかった本の中に入っていた、一通の手紙を私に指し示した。
「これを読んでみるんじゃ。ここに答えが書いてあるのでな。」
私は妙に緊張した気持ちでその年月の経った手紙を広げてみた。そこには美しい文字で簡潔に私の欲しい答えが書かれていた。
『この世界に迷込んだ人間の貴方へ
もし貴方が人間ならば、幼くなってしまった事や慣れない状況にも、不安になったり、悲しむ必要はありません。この世界は少しだけ種族として違う人達が居るだけで、彼らは人間と内面は変わらぬ人達です。彼らは寿命が私達人間より明らかに長いですが、私は愛する番いを得た事で、人間として定められていた寿命はとっくに何倍も超えています。
私が人間の頃の記憶を失ってしまっても、この世界で幸せに過ごしている様に、貴方もきっと楽しく幸せになれるはずです。怖がらないでこの世界の人達に心を開いて下さい。
ここだけの話、私達人間は運命の番というものは分かりません。けれども私を運命の番いだと感じる者は何人もいたのです。それは少し困った事になるかもしれませんが、選ぶのは貴方。気持ちのままに幸せになってくださいね。
追伸 人間は魔素を溜め過ぎてしまうので、時々魔力を放出してくださいね。具合が悪くなりますから。 かつての迷い人より』
私は手紙を読み終えて、隣のソファで横たわっている成長したテディを見つめた。タートが渡した本といい、手紙の内容といい、そして成長しても儚げなテディの顔を見つめていると、これから起きる色々な事が予想できる気がしたのだった。
「パーカス、本来のテディの姿はぬしだけが知っておれば良い。どのみち魔法で一時的に解放しただけなのでな。ただ、時々こうして見合った器と本来の精神のバランスを整えるのは必要かもしれんの。…簡単に出来る方法を考えてみることにしようぞ。…そろそろ魔力が切れるぞ。」
そう言う長老の言葉に、ハッとしてテディに目をやると、なるほどテディは今度はしなやかな若者から、ゆっくりと子供に変幻していった。そしていつもの見慣れた幼な子のテディになった。
私はホッと息を吐き出して、素っ裸のテディを起こさない様に優しく服を着せ掛けた。やはり私はこの姿に愛着を持っているのだと苦笑するしかなかった。ゆっくり大きくおなり、テディ。
「しかしタートの選んだ本は、何とも手紙の内容を予見させるものじゃないかの?ホホホ。」
そう楽しげに笑う長老を私は睨んだ。
「長老は楽しいかもしれませんが、絶対的な保護者である私には頭の痛い問題ですぞ。今の幼な子のテディでさえ、既に二人ばかり思い当たる節があるのですから。
確かにテディはひと目を惹きます。この世界では珍しい幼さ故だと考えていた私は、どうも甘かった様ですな。あの様に成長すれば、それはそれでやはり惹きつけられるでしょうからの。」
私はため息をつきながら、タートからテディに渡された本の表紙をなぞった。【賢い番いの選び方】と書かれた、まるで適齢期の獣人や竜人がこっそり読む様なこの本をテディに選んだ理由は考えたくもないけれど、テディがこの世界基準ではあっという間に成長すると考えると、直ぐに必要になるのかもしれない。
それから私は長老に、人間は魔素を貯める体質なので訓練すれば魔法を使う事が出来るかもしれない事、身体の成長が早い分、情緒が不安定になり易い事、番の概念は感覚として分からない事、この世界に無い知識や考え方を持っているので影響力がある事、そして人間だと知られると危険だと言う事を教えられた。
「危険?なぜですかの。」
私が眉を顰めて長老に尋ねると、長老は私の目をじっと見つめて言った。
「ぬしもこの子から人間という言葉を聞いた時に、何か感じなかったかのう?私に手紙をよこしたのはなぜじゃ?何処かで聞いた事があったからでは無いかの?国の中心に近い者なら誰でも知っているのじゃ。それが何かは知らなくても調べれば色々出てくるのじゃよ。
この国ではこの塔にくればわかる様に、他の国だとて人間の事が伝わっていないとは言えないじゃろう?珍しいもの、魅力あるもの、魔法が使えるものは狙われる…。そういう事じゃ。パーカス、ぬしも引退などしておれんのではないかの?」
ぐっすり眠るテディを抱えて塔の階段をゆっくり降りながら、私は今後の身の振り方をじっくり考える必要があるのだと感じていた。テディのためならばそれも致し方ないだろう。この子を今守ってやれるのは私しかいないのだ。
そんな私達を地上出口まで送ってくれた塔の管理者である白鷺の獣人は、腕の中のテディを暗い眼差しで見つめながら呟いた。
「…パーカス様、この幼な子は一人で多くの者に影響を与える運命の道筋に立っておりますね。それはきっと混乱と争いを巻き起こすでしょう。長老が何と言ったかは分かりませんが、私ならばこの世界の平穏のために、彼を皆の目に触れぬ様に育てるでしょう。それが一番です。そうは思いませんか?」
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