90 / 217
トラブルメーカー
吸い取られて
しおりを挟む
『あ、ずるっ!』
シンディのそんな声を耳にしながら、僕はぶちゅっとゲオルグにキスされていた。でも何だろう。突き飛ばすほど嫌でもない、どちらかと言うと心地良いゲオルグとのキスは、僕に大胆な行動を取らせた。
僕は焦っていたのかな。同級生達とは遥かに出遅れている僕の成熟経験を巻き返そうと、無意識に背伸びしたのかもしれない。だからゲオルグに思わず抱きついて、もっとキスを強請った様に見えてもしょうがなかった。
途端にゲオルグが喉の奥で低く笑って、僕の唇を喰んだ。唇に唇を挟まれて軽く引っ張られると、妙な気分になる。それは以前ロバートにされたキスを思い出した。
僕のドキドキは明らかに激しくなって、それと同時にゲオルグの攻撃は深くなった。甘やかす様な揶揄いは気づけば僕の唇の内側を舌でなぞっていて、僕は妙な疼きを感じてため息をついた。
呼吸と一緒に入って来たゲオルグの舌が僕の口の中の粘膜をなぞると、僕はハッとして目を見開いた。これは、行き過ぎたチュウだ。僕は思わず動揺してゲオルグの胸を突き飛ばした。
何を考えているのか分からないゲオルグの顔を見つめながら、すっかりふらついた身体をよろめかせて後ろに後ずさると、僕は祭壇の前の生贄の台に足を取られて座り込んだ。
途端にビリッと何か感じた気がして、僕は手をついて立ちあがろうとしたんだ。けれども僕の手は吸い付いたように離れなくなった。僕はその灰色の台が僕のついた手を中心にして、赤いシミが広がる様に色が変わるのを呆然と眺めていた。
やばい。身体が動かない。僕の身体がゆっくり祭壇の上に吸い付く様に倒れ込むのを感じた。同時にゲオルグとシンディの慌てた様な僕を呼ぶ声も聞こえたけれど、僕の瞼は塞がってもう何も見えなくなった。
薄れる意識の中、僕はまたもや何かとんでも無いことに巻き込まれたのを感じたんだ。ああ、パーカスがまた心配しちゃう…。
妙に白い部屋のベッドに僕は横たわっていた。湾曲した部屋は天井付近の穴から太陽光を取り入れて柔らかな明るさに包まれている。でも僕にはまるで見覚えのないこの景色に、目を覚まそうと何度か目を瞬いた。
丁度その時、部屋に入って来たのは薄紫色のローブを着た立派な巻き角の獣人だった。彼は穴から伸びる棒を操作すると、僕のベッドまで近づいて来た。
僕はこの見覚えのある薄紫のローブを何処で見たのか思い出して、目をぱっちり開けた。すると優しげな顔の獣人さんは僕と目を合わせてハッと息を呑んだ。
「…!目覚めたのですか?ああ、良かった。長老もお喜びでしょう。ああそうだ、先ずはパーカス殿に連絡しないと。何か飲みますか?ちょっと待っててくださいね。」
そう慌ただしく部屋から出ていくと、白い部屋はまた物音ひとつ聞こえない静けさに包まれた。
一体どうなってるんだろう。今長老と言ってたし、あのローブは塔で見たやつだ。という事は僕は塔の部屋に居るって事なの?何でここに居るんだろう…。
僕はまだ頭の中がぼんやりして何も考えられなかった。どうしてここに居るのか、まるで思い出せなかった。もう一度吸い込まれる様にウトウトと眠気に誘われていると、開いた扉の前に数人やって来た気配がした。
「テディ!テディ、目が覚めたのかの!?」
パーカスだ。少しやつれている気がするのは気のせいじゃないみたいだ。ここが塔なら、僕はまたもやパーカスに心配を掛けてしまったに違いない。
パーカスの大きな乾燥した手が、僕の頭を撫でるのを感じながら、僕は喉がカラカラなのに気がついた。少し咳き込んだ僕に慌ててパーカスが甘い蜜の様な飲み物を飲ませてくれた。後で知ったんだけど、薄めたポーションだったみたいだ。
「…ぼく、ちっちゃい。」
パーカスに抱き抱えられて、もう少しコクコクと飲んだ僕は、目の前に見える小さな手を見つめて呟いた。ぼんやりと記憶が蘇ってくる。僕はパーカスが用心深く僕を見つめているのを感じた。何だろう、いつもと違うな…。
「テディはブレーベルの高等学院で意識を失ったのじゃよ。まったく大騒ぎだったぞ。あの学院にまさか祭壇があるなど…。じゃが、調べてみると祭壇があるのは公然の秘密だった様じゃ。
獣人や竜人には、何の影響もなかったのでな。長い間、単なる空き部屋としてしか認識されていなかった様じゃ。」
僕はパーカスに促されて、新しいポーションを飲ませられた。さっきより濃厚なそれは、口にするとサラリと喉に流れていった。
「…おいちい。」
しかしどうにも色々分からないことが多過ぎる。かと言って僕もまだ食いついてパーカスに色々尋ねるほどエネルギーが無かった。
そう言えばパーカスの後ろに控えているのは、さっきの巻き角の人だった。ポーションの入った箱を抱えて居る。まさかあれ全部飲めとか言わないよね…?
「マクロス、ブレーベルの領主のブレート殿にテディが目覚めた事を通信しておいてくれるかの。随分と心配しておったからのう。」
僕はハッとしてシンディとゲオルグの事を思い出した。僕が生贄の石台に触れた後の記憶がないという事は、彼らに助けてもらったという事なのかな。
「ぱーかちゅ、しんでぃたちは…?」
するとパーカスは僕の様子を、少し潤んだ瞳で観察しながら言った。
「…まだ本調子ではないからのう。詳しくは元気になってからじゃ。テディはあの部屋で倒れて以来、10日も目覚めなかったのじゃ。ポーションを唇に垂らして飲ませるくらいしか出来なかったからのう。
これから詳しく身体も調べないといけないからの。今はもう少しお眠り…。」
そう言ってそっと大きな枕に僕を寝かせた。ポーションが効いたのか、僕は温かさを感じて目を開けていられなくなった。パーカスが優しく僕の身体を叩いてくれたので、その心地良いリズムにつられてあっという間に眠ってしまった。
次に目が覚めたのは、マクロスと呼ばれた薄紫のローブを着た山羊の様な角の獣人が、やっぱり部屋の窓を操作して居るのに気づいた時だった。外が明るいから夜ではないだろう。
「…おはよう。んーちょ、まくろす?」
僕がマクロスの背中にそう声を掛けると、マクロスがハッと振り返って満面の笑みを見せた。
「ええ、おはようございます。テディ様。ご気分はいかがですか?…随分と顔色が良くなりましたね。可愛らしい神子様とこの身のあるうちにお会い出来るとは、末代までの誉れでございます。」
そう言ってマクロスは僕のベッドに跪くと、うやうやしく僕の手をとって自分の額に押し当てた。ん?今マクロス、僕を何て呼んだ?それにこの態度、何か得体の知れない出来事が起きてる気がする!
その時部屋に入って来たのはパーカスと長老だった。長老は目をギラっと光らせてニンマリ笑って言った。
「まったくこう何度も驚かせてくれるとは、誠に稀有な存在じゃのう。パーカスの養い子、いや、息子はこの世界で唯一無二の存在になったわ。オホホホ。」
シンディのそんな声を耳にしながら、僕はぶちゅっとゲオルグにキスされていた。でも何だろう。突き飛ばすほど嫌でもない、どちらかと言うと心地良いゲオルグとのキスは、僕に大胆な行動を取らせた。
僕は焦っていたのかな。同級生達とは遥かに出遅れている僕の成熟経験を巻き返そうと、無意識に背伸びしたのかもしれない。だからゲオルグに思わず抱きついて、もっとキスを強請った様に見えてもしょうがなかった。
途端にゲオルグが喉の奥で低く笑って、僕の唇を喰んだ。唇に唇を挟まれて軽く引っ張られると、妙な気分になる。それは以前ロバートにされたキスを思い出した。
僕のドキドキは明らかに激しくなって、それと同時にゲオルグの攻撃は深くなった。甘やかす様な揶揄いは気づけば僕の唇の内側を舌でなぞっていて、僕は妙な疼きを感じてため息をついた。
呼吸と一緒に入って来たゲオルグの舌が僕の口の中の粘膜をなぞると、僕はハッとして目を見開いた。これは、行き過ぎたチュウだ。僕は思わず動揺してゲオルグの胸を突き飛ばした。
何を考えているのか分からないゲオルグの顔を見つめながら、すっかりふらついた身体をよろめかせて後ろに後ずさると、僕は祭壇の前の生贄の台に足を取られて座り込んだ。
途端にビリッと何か感じた気がして、僕は手をついて立ちあがろうとしたんだ。けれども僕の手は吸い付いたように離れなくなった。僕はその灰色の台が僕のついた手を中心にして、赤いシミが広がる様に色が変わるのを呆然と眺めていた。
やばい。身体が動かない。僕の身体がゆっくり祭壇の上に吸い付く様に倒れ込むのを感じた。同時にゲオルグとシンディの慌てた様な僕を呼ぶ声も聞こえたけれど、僕の瞼は塞がってもう何も見えなくなった。
薄れる意識の中、僕はまたもや何かとんでも無いことに巻き込まれたのを感じたんだ。ああ、パーカスがまた心配しちゃう…。
妙に白い部屋のベッドに僕は横たわっていた。湾曲した部屋は天井付近の穴から太陽光を取り入れて柔らかな明るさに包まれている。でも僕にはまるで見覚えのないこの景色に、目を覚まそうと何度か目を瞬いた。
丁度その時、部屋に入って来たのは薄紫色のローブを着た立派な巻き角の獣人だった。彼は穴から伸びる棒を操作すると、僕のベッドまで近づいて来た。
僕はこの見覚えのある薄紫のローブを何処で見たのか思い出して、目をぱっちり開けた。すると優しげな顔の獣人さんは僕と目を合わせてハッと息を呑んだ。
「…!目覚めたのですか?ああ、良かった。長老もお喜びでしょう。ああそうだ、先ずはパーカス殿に連絡しないと。何か飲みますか?ちょっと待っててくださいね。」
そう慌ただしく部屋から出ていくと、白い部屋はまた物音ひとつ聞こえない静けさに包まれた。
一体どうなってるんだろう。今長老と言ってたし、あのローブは塔で見たやつだ。という事は僕は塔の部屋に居るって事なの?何でここに居るんだろう…。
僕はまだ頭の中がぼんやりして何も考えられなかった。どうしてここに居るのか、まるで思い出せなかった。もう一度吸い込まれる様にウトウトと眠気に誘われていると、開いた扉の前に数人やって来た気配がした。
「テディ!テディ、目が覚めたのかの!?」
パーカスだ。少しやつれている気がするのは気のせいじゃないみたいだ。ここが塔なら、僕はまたもやパーカスに心配を掛けてしまったに違いない。
パーカスの大きな乾燥した手が、僕の頭を撫でるのを感じながら、僕は喉がカラカラなのに気がついた。少し咳き込んだ僕に慌ててパーカスが甘い蜜の様な飲み物を飲ませてくれた。後で知ったんだけど、薄めたポーションだったみたいだ。
「…ぼく、ちっちゃい。」
パーカスに抱き抱えられて、もう少しコクコクと飲んだ僕は、目の前に見える小さな手を見つめて呟いた。ぼんやりと記憶が蘇ってくる。僕はパーカスが用心深く僕を見つめているのを感じた。何だろう、いつもと違うな…。
「テディはブレーベルの高等学院で意識を失ったのじゃよ。まったく大騒ぎだったぞ。あの学院にまさか祭壇があるなど…。じゃが、調べてみると祭壇があるのは公然の秘密だった様じゃ。
獣人や竜人には、何の影響もなかったのでな。長い間、単なる空き部屋としてしか認識されていなかった様じゃ。」
僕はパーカスに促されて、新しいポーションを飲ませられた。さっきより濃厚なそれは、口にするとサラリと喉に流れていった。
「…おいちい。」
しかしどうにも色々分からないことが多過ぎる。かと言って僕もまだ食いついてパーカスに色々尋ねるほどエネルギーが無かった。
そう言えばパーカスの後ろに控えているのは、さっきの巻き角の人だった。ポーションの入った箱を抱えて居る。まさかあれ全部飲めとか言わないよね…?
「マクロス、ブレーベルの領主のブレート殿にテディが目覚めた事を通信しておいてくれるかの。随分と心配しておったからのう。」
僕はハッとしてシンディとゲオルグの事を思い出した。僕が生贄の石台に触れた後の記憶がないという事は、彼らに助けてもらったという事なのかな。
「ぱーかちゅ、しんでぃたちは…?」
するとパーカスは僕の様子を、少し潤んだ瞳で観察しながら言った。
「…まだ本調子ではないからのう。詳しくは元気になってからじゃ。テディはあの部屋で倒れて以来、10日も目覚めなかったのじゃ。ポーションを唇に垂らして飲ませるくらいしか出来なかったからのう。
これから詳しく身体も調べないといけないからの。今はもう少しお眠り…。」
そう言ってそっと大きな枕に僕を寝かせた。ポーションが効いたのか、僕は温かさを感じて目を開けていられなくなった。パーカスが優しく僕の身体を叩いてくれたので、その心地良いリズムにつられてあっという間に眠ってしまった。
次に目が覚めたのは、マクロスと呼ばれた薄紫のローブを着た山羊の様な角の獣人が、やっぱり部屋の窓を操作して居るのに気づいた時だった。外が明るいから夜ではないだろう。
「…おはよう。んーちょ、まくろす?」
僕がマクロスの背中にそう声を掛けると、マクロスがハッと振り返って満面の笑みを見せた。
「ええ、おはようございます。テディ様。ご気分はいかがですか?…随分と顔色が良くなりましたね。可愛らしい神子様とこの身のあるうちにお会い出来るとは、末代までの誉れでございます。」
そう言ってマクロスは僕のベッドに跪くと、うやうやしく僕の手をとって自分の額に押し当てた。ん?今マクロス、僕を何て呼んだ?それにこの態度、何か得体の知れない出来事が起きてる気がする!
その時部屋に入って来たのはパーカスと長老だった。長老は目をギラっと光らせてニンマリ笑って言った。
「まったくこう何度も驚かせてくれるとは、誠に稀有な存在じゃのう。パーカスの養い子、いや、息子はこの世界で唯一無二の存在になったわ。オホホホ。」
263
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
大好きな獅子様の番になりたい
あまさき
BL
獣人騎士×魔術学院生
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カナリエ=リュードリアには夢があった。
それは〝王家の獅子〟レオス=シェルリオンの番になること。しかし臆病なカナリエは、自身がレオスの番でないことを知るのが怖くて距離を置いてきた。
そして特別な血を持つリュードリア家の人間であるカナリエは、レオスに番が見つからなかった場合彼の婚約者になることが決まっている。
望まれない婚姻への苦しみ、捨てきれない運命への期待。
「____僕は、貴方の番になれますか?」
臆病な魔術師と番を手に入れたい騎士の、すれ違いラブコメディ
※第1章完結しました
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
長編です。お付き合いくださると嬉しいです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
黒豹拾いました
おーか
BL
森で暮らし始めたオレは、ボロボロになった子猫を拾った。逞しく育ったその子は、どうやら黒豹の獣人だったようだ。
大人になって独り立ちしていくんだなぁ、と父親のような気持ちで送り出そうとしたのだが…
「大好きだよ。だから、俺の側にずっと居てくれるよね?」
そう迫ってくる。おかしいな…?
育て方間違ったか…。でも、美形に育ったし、可愛い息子だ。拒否も出来ないままに流される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる