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放浪記
帰りたい
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黒い紋様の件があった事もあり、パーカスが王国騎士団と何やら話し合っていた。
「…これ以上テディを危険な目に合わせたくはないのじゃ。長老に瓶詰めのこれを渡す件は引き受けたがの、討伐の同行は無理じゃ。」
僕が食堂のテーブルでチラチラとパーカスの動きを見張っていると、少しホッとした様な表情でパーカスが戻って来た。
「テディ、取り敢えず王都に戻るぞ。それから家に帰ろう。」
家?それって辺境のおうち?僕は期待を込めてパーカスに尋ねた。
「へんきょーのおうち、…帰えりゅ?」
パーカスがにっこり微笑むのを見て、僕は声を立てて笑った。ああ!本当に!?やったぁ!
僕は自分で思っているより辺境のお家の生活を懐かしく感じているのに気がついた。あの生活はゆったりとして、誰の視線を気にする事もなく僕が僕で居られる。
今の生活も楽しいし、刺激はあるけれど、色々な事が起きすぎて疲れてしまった。
そんな僕らを見ていた騎士達は、顔を見合わせて言った。
「まぁ家が良いよなぁ。こんな生活はおチビさんには酷だ。俺たちも大型魔物を倒すのに慣れたしな、いつまでもパーカス殿に頼っている訳にいかないわな。」
そう言って僕を優しく見つめるので、僕は嬉しくて口元を押さえてクフクフ笑った。ああ、早く帰りたいな。
ふと顔を上げるとロバートが僕の方を見ているのに気がついて、王国騎士団の騎士であるロバートはこのままここに残って討伐を続けるのだと思った。
「ロバート?もうブレーベル、こにゃい?」
僕が近づいて来たロバートにそう尋ねると、ロバートは寂しそうに頷いた。
「ああ、俺はもうブレーベルの騎士ではないからね。でも定期的な巡回にはそちら方面へ行くことになるから、きっとまた会えるよ。」
僕はロバートの尻尾をチラッと見つめると、コクリと頷いてそろそろと手を伸ばすと尻尾をそっと掴んで言った。
「うん。じぇったい。」
やっぱりもふもふは正義。僕がニンマリしていると、パーカスが僕を抱き上げて皆に別れの挨拶をすると部屋に戻った。そう言えばメダがいないな。パーカスが僕の服を荷造りしているのを手伝いながら、僕はパーカスに尋ねた。
「ぱーかちゅ、メダ、いない?」
パーカスは今朝まで、僕とメダが一緒に眠っていた空っぽのベッドを見つめて眉を顰めた。
「先に王都に戻ると言って何処かに行ってしまったんじゃ。龍神の考えている事はよく分からんな。とは言え、私が王都へ戻る事は言わなくても分かっていたようじゃ。」
結局あの行動不明な神さまの事を心配しても意味がないので、僕は竜化したパーカスと一緒に王都へ戻った。途中休みながらも丸一日掛けて飛び続けたパーカスは疲れ果てた様で、王都の屋敷に着くなり慌しく寝支度をして眠ってしまった。
疲れたパーカスはいびきが酷いので、僕は身体の大きな時の自分の寝室で眠ることにした。寝支度を手伝ってくれた心配げな侍女に扉だけ開けておいて貰った。
正直僕は移動中、パーカスの爪の中で爆睡して居たので目が冴えて居た。
ベッドに転がって窓の外に浮かぶ二つの月を眺めながら、すっかり見慣れた王都の部屋にホッとしていた。やっぱり借り物の部屋を転々と移動するのとは居心地の良さが比べようもない。
とは言え、小さな身体には広く感じる部屋を見回すと、いつも鬱陶しいメダも居た方がいいなと思ったのは内緒だ。
早く辺境の町に帰りたいなと思いながら、僕はゆっくり目を閉じた。
暖かな良い気分で目を開けると、メダが肘立てながら僕の事を見つめていた。
「…おはよ。どこ行っちぇた?」
僕がもう一度目を閉じながらそう尋ねると、メダは僕の顔や頭を指先で撫でながら呟いた。
「…まったく、我がこんなに必死になって王都を駆けずり回ることになるとは思わなかったぞ?」
メダが何を言ってるのか分からなくて、僕はもう一度目を開けた。
「…何ちぇ言った?」
メダはドサリと仰向けになると天井を向いて欠伸をした。
「お前の魔素を狙う黒い紋様にまた振り回されるのはごめんだからな。先に王都を見回ったのよ。しかし今年は当たり年なのか、目覚めの年なのか。パーカスに言って警告した方が良さそうだ。」
僕はメダの身体ににじり寄って覗き込んだ。
「メダ、やっちゅけた?ほんと?」
メダが僕のために黒い紋様の駆除を先にしてくれたって事なのかな。神さまがそんな事をしてくれるなんて思わなかった。頼んでも面倒くさいと言いそうな事だからだ。
僕はクフフと笑って、メダの肩に頭を乗せて寄り掛かると目を閉じて呟いた。
「ありがちょ。黒の、怖かっちゃから。」
メダが少し笑った気がしたけれど、結局僕らはそのまま二度寝してしまった。
侍女に起こされて目を覚ますと、僕はメダの背中に足を付けて眠っていた。寝相が悪いにも程があるな、僕。それでも起きないメダは朝まで駆けずり回っていたのかもしれない。
僕は侍女に抱っこして貰ってそっと降りると、服だけ手にしてパーカスの部屋に移動した。
パーカスは部屋で着替え終えて、何やら荷物の整理をしている所だった。僕を嬉しげに迎え入れると、僕の抱えた服を見て眉を上げた。
「メダ、おうとの黒いの、やっちゅけたって。だから、おこちたくなかっちゃ。」
僕がそう言うと、パーカスが驚いた様に目を見開いた。
「龍神さまが黒の紋様を排除してくれたとそう言ったのかの?…この王都にも潜伏していたと言う事なのか?今までほとんど聞いたことがなかったが、やはり軋みも関係あるのだろうな。
これから数年、この国は覚悟しなくてはならない事が増えそうじゃの…。」
僕が心配そうにパーカスを見上げているのに気づいたのか、パーカスは僕の服を取り上げると着せ掛けてくれた。
「テディは何も心配する事はないのじゃ。結局何百年か毎に訪れる軋みは、この竜の国の宿命の様なものじゃからな。テディはそれに巻き込まれたのじゃから、犠牲者じゃな。
だが、私はこの国の宿命に感謝せねばなるまいの。テディと出会えたのじゃからの。まぁ、そう思っている奴らは私だけじゃないかもしれんのう。」
丁度着替え終わった僕は、嬉しくなってパーカスに飛びついた。楽しい事と同じだけ不安な事も生じるこの世界で、僕を揺るぎない愛情で支えてくれるパーカスが有り難かった。
「僕も、だいちゅき!おとーさん!」
僕にキスして抱き上げたパーカスが、嬉しそうに笑いながら言った。
「では愛する息子と美味しい朝食を食べに行こうかの?身体に見合わぬ大食漢じゃからな?」
僕はパーカスと朝食を取りながら、首を傾げた。
「たちかに僕って、こんないっぱい、食べる方じゃなかっちゃ、ねー?」
パーカスは僕の食べっぷりに苦笑して、お茶のカップを口元に運んだ。
「魔素欠乏症の影響もあるのじゃろう。龍神が側に居ると言う事は、テディと同化していなくても魔素を消費しているのかも知れんのう。普通は龍神が側にいたら疲れ易くなったりと、色々影響があるものじゃ。」
僕は思わずミルをグビグビと飲み干すと、顔を顰めた。
「僕、大きくなりゅの、メダに邪魔されちぇる?」
パーカスが苦笑するのを眺めながら、メダに搾取される以上に魔素食べないと僕は大きくなれないのかと顔を顰めた。本当、メダって優しいのか優しくないのか分かんないね!
そんな事を考えながら手を果物に伸ばしていると、パーカスが言った。
「今日は長老のところへ行く予定じゃ。テディも一緒にのう。」
僕は伸ばした手を止めて、パタリとテーブルに落とした。え、嫌ですけど。嫌ですけどぉ!
「…これ以上テディを危険な目に合わせたくはないのじゃ。長老に瓶詰めのこれを渡す件は引き受けたがの、討伐の同行は無理じゃ。」
僕が食堂のテーブルでチラチラとパーカスの動きを見張っていると、少しホッとした様な表情でパーカスが戻って来た。
「テディ、取り敢えず王都に戻るぞ。それから家に帰ろう。」
家?それって辺境のおうち?僕は期待を込めてパーカスに尋ねた。
「へんきょーのおうち、…帰えりゅ?」
パーカスがにっこり微笑むのを見て、僕は声を立てて笑った。ああ!本当に!?やったぁ!
僕は自分で思っているより辺境のお家の生活を懐かしく感じているのに気がついた。あの生活はゆったりとして、誰の視線を気にする事もなく僕が僕で居られる。
今の生活も楽しいし、刺激はあるけれど、色々な事が起きすぎて疲れてしまった。
そんな僕らを見ていた騎士達は、顔を見合わせて言った。
「まぁ家が良いよなぁ。こんな生活はおチビさんには酷だ。俺たちも大型魔物を倒すのに慣れたしな、いつまでもパーカス殿に頼っている訳にいかないわな。」
そう言って僕を優しく見つめるので、僕は嬉しくて口元を押さえてクフクフ笑った。ああ、早く帰りたいな。
ふと顔を上げるとロバートが僕の方を見ているのに気がついて、王国騎士団の騎士であるロバートはこのままここに残って討伐を続けるのだと思った。
「ロバート?もうブレーベル、こにゃい?」
僕が近づいて来たロバートにそう尋ねると、ロバートは寂しそうに頷いた。
「ああ、俺はもうブレーベルの騎士ではないからね。でも定期的な巡回にはそちら方面へ行くことになるから、きっとまた会えるよ。」
僕はロバートの尻尾をチラッと見つめると、コクリと頷いてそろそろと手を伸ばすと尻尾をそっと掴んで言った。
「うん。じぇったい。」
やっぱりもふもふは正義。僕がニンマリしていると、パーカスが僕を抱き上げて皆に別れの挨拶をすると部屋に戻った。そう言えばメダがいないな。パーカスが僕の服を荷造りしているのを手伝いながら、僕はパーカスに尋ねた。
「ぱーかちゅ、メダ、いない?」
パーカスは今朝まで、僕とメダが一緒に眠っていた空っぽのベッドを見つめて眉を顰めた。
「先に王都に戻ると言って何処かに行ってしまったんじゃ。龍神の考えている事はよく分からんな。とは言え、私が王都へ戻る事は言わなくても分かっていたようじゃ。」
結局あの行動不明な神さまの事を心配しても意味がないので、僕は竜化したパーカスと一緒に王都へ戻った。途中休みながらも丸一日掛けて飛び続けたパーカスは疲れ果てた様で、王都の屋敷に着くなり慌しく寝支度をして眠ってしまった。
疲れたパーカスはいびきが酷いので、僕は身体の大きな時の自分の寝室で眠ることにした。寝支度を手伝ってくれた心配げな侍女に扉だけ開けておいて貰った。
正直僕は移動中、パーカスの爪の中で爆睡して居たので目が冴えて居た。
ベッドに転がって窓の外に浮かぶ二つの月を眺めながら、すっかり見慣れた王都の部屋にホッとしていた。やっぱり借り物の部屋を転々と移動するのとは居心地の良さが比べようもない。
とは言え、小さな身体には広く感じる部屋を見回すと、いつも鬱陶しいメダも居た方がいいなと思ったのは内緒だ。
早く辺境の町に帰りたいなと思いながら、僕はゆっくり目を閉じた。
暖かな良い気分で目を開けると、メダが肘立てながら僕の事を見つめていた。
「…おはよ。どこ行っちぇた?」
僕がもう一度目を閉じながらそう尋ねると、メダは僕の顔や頭を指先で撫でながら呟いた。
「…まったく、我がこんなに必死になって王都を駆けずり回ることになるとは思わなかったぞ?」
メダが何を言ってるのか分からなくて、僕はもう一度目を開けた。
「…何ちぇ言った?」
メダはドサリと仰向けになると天井を向いて欠伸をした。
「お前の魔素を狙う黒い紋様にまた振り回されるのはごめんだからな。先に王都を見回ったのよ。しかし今年は当たり年なのか、目覚めの年なのか。パーカスに言って警告した方が良さそうだ。」
僕はメダの身体ににじり寄って覗き込んだ。
「メダ、やっちゅけた?ほんと?」
メダが僕のために黒い紋様の駆除を先にしてくれたって事なのかな。神さまがそんな事をしてくれるなんて思わなかった。頼んでも面倒くさいと言いそうな事だからだ。
僕はクフフと笑って、メダの肩に頭を乗せて寄り掛かると目を閉じて呟いた。
「ありがちょ。黒の、怖かっちゃから。」
メダが少し笑った気がしたけれど、結局僕らはそのまま二度寝してしまった。
侍女に起こされて目を覚ますと、僕はメダの背中に足を付けて眠っていた。寝相が悪いにも程があるな、僕。それでも起きないメダは朝まで駆けずり回っていたのかもしれない。
僕は侍女に抱っこして貰ってそっと降りると、服だけ手にしてパーカスの部屋に移動した。
パーカスは部屋で着替え終えて、何やら荷物の整理をしている所だった。僕を嬉しげに迎え入れると、僕の抱えた服を見て眉を上げた。
「メダ、おうとの黒いの、やっちゅけたって。だから、おこちたくなかっちゃ。」
僕がそう言うと、パーカスが驚いた様に目を見開いた。
「龍神さまが黒の紋様を排除してくれたとそう言ったのかの?…この王都にも潜伏していたと言う事なのか?今までほとんど聞いたことがなかったが、やはり軋みも関係あるのだろうな。
これから数年、この国は覚悟しなくてはならない事が増えそうじゃの…。」
僕が心配そうにパーカスを見上げているのに気づいたのか、パーカスは僕の服を取り上げると着せ掛けてくれた。
「テディは何も心配する事はないのじゃ。結局何百年か毎に訪れる軋みは、この竜の国の宿命の様なものじゃからな。テディはそれに巻き込まれたのじゃから、犠牲者じゃな。
だが、私はこの国の宿命に感謝せねばなるまいの。テディと出会えたのじゃからの。まぁ、そう思っている奴らは私だけじゃないかもしれんのう。」
丁度着替え終わった僕は、嬉しくなってパーカスに飛びついた。楽しい事と同じだけ不安な事も生じるこの世界で、僕を揺るぎない愛情で支えてくれるパーカスが有り難かった。
「僕も、だいちゅき!おとーさん!」
僕にキスして抱き上げたパーカスが、嬉しそうに笑いながら言った。
「では愛する息子と美味しい朝食を食べに行こうかの?身体に見合わぬ大食漢じゃからな?」
僕はパーカスと朝食を取りながら、首を傾げた。
「たちかに僕って、こんないっぱい、食べる方じゃなかっちゃ、ねー?」
パーカスは僕の食べっぷりに苦笑して、お茶のカップを口元に運んだ。
「魔素欠乏症の影響もあるのじゃろう。龍神が側に居ると言う事は、テディと同化していなくても魔素を消費しているのかも知れんのう。普通は龍神が側にいたら疲れ易くなったりと、色々影響があるものじゃ。」
僕は思わずミルをグビグビと飲み干すと、顔を顰めた。
「僕、大きくなりゅの、メダに邪魔されちぇる?」
パーカスが苦笑するのを眺めながら、メダに搾取される以上に魔素食べないと僕は大きくなれないのかと顔を顰めた。本当、メダって優しいのか優しくないのか分かんないね!
そんな事を考えながら手を果物に伸ばしていると、パーカスが言った。
「今日は長老のところへ行く予定じゃ。テディも一緒にのう。」
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