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王立学校
懐かしい顔
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周囲を見ても誰も驚いていないので、新入生が一時的に寮生活を送る事は周知の事実だったのかな。僕は事前準備が足りなかったと反省しながら、皆の様にローブを広げて背中に巻きつけた。
フードタイプのアイボリー色のローブは、肩のところにしっかりした留め金があって案外収まりがいい。それに見た目よりずっと軽い。僕の様に華奢な人間には毎日身につけるものだから助かった。
しかしローブを身につけると、急に凄腕の魔法使いになった様な気分になるけどね。案外形から入るのも大事なのかな。
「このローブは魔法学の生徒用に仕立ててある特別なものだ。魔法に関わる様々な火傷などの危険からそこそこ守ってくれる仕様だ。だから授業に関わらず、普段から常に身につけている様に。…特に体格的に劣っている者はそうした方が良いぞ。」
リーダーの上級生が、部屋の扉から出る間際に思い出した様に僕らに忠告した。一瞬僕と目が合った気がしたけど、僕を見て最後の言葉を付け足したとかじゃ無いよね。
確かに僕は周囲の新入生とは体格的には劣るけども、魔法の実力は負けてないはずだよ。
僕はこの時に多分飛び級で入学したと言う自負もあって、少しいい気になっていたのかも知れなかった。僕は明らかに井の中の蛙状態で田舎者だった。
少し疲れた気持ちで三つの校舎から伸びる廊下が集まる最初の広場に歩き戻ると、そこには黒いローブと赤いローブを身につけた新入生達が明るい顔で騒めいていた。
皆顔見知り同士で話しが盛り上がっている様子で、知り合いのいない僕は何となく居心地が悪い。
もうさっさと帰ろうと歩き出した僕の前に、赤いローブの青年が立ち塞がった。
「もう帰るのか?もし良かったら、うちに寄って行かないか。ジャックにディーの事を話したら、凄く会いたがってるんだ。それにテディの事も聞きたいみたいで。お茶の一杯だけでも。どうかな?」
祝賀会で知り合った、元砦の警備隊長の次男、白鷹族の青年が少し早口になりながらそう言った。
「ジャックのお兄さん…。えーと、ごめん、名前なんだったかな。」
明らかにガッカリした様子のジャックのお兄さんは、苦笑しながら青い目を細めて言った。
「…私はジャックにかなり負けてるみたいだね。私の名前はジョッシュだ。忘れないでくれよ?それでさっきの件だけど、どうかな。多分家に着く頃にはジャックも学校から帰って来る筈だよ。」
僕はジョッシュ自身の事は全然知らないけど、警備隊長もジャックもよく知っていたので、特に考えることもなく頷いていた。
「うん、いいよ。僕もジャックに会いたかったし。4年ぐらい会ってないから、きっと随分と大きくなったんだろうね。」
思わずジャックに会える事に嬉しくなって微笑むと、ジョッシュが僕をせき立てる様に歩き出した。
「ごめん、ちょっと邪魔が入りそうだったから。君の事を知ってる人がほとんど居ないせいで、皆隙あらばお近づきになろうと狙っているんだよ。私は家族から少し君の事を聞いたからね、色々事情があるんだろう?
君がパーカス様のご子息だとまだ知られていないから良いものの、それが発覚したら今よりもっと酷い事になるよ。この前のテーブルの仲間には一応口止めしておいたよ。」
ジョッシュが色々気遣って言ってくれてたけれど、僕にはその真意がよく理解出来ていなかった。
「あの、僕がパーカスの息子だと何かアレなの?」
するとジョッシュが戸惑った様子で、言葉を選びながら話してくれた。「パーカスの息子」が際立って優秀だという噂や、筋骨隆々で逞しい竜人だと思われていると言う事などは、僕の目を丸くさせた。
「…だから、きっとディーがご子息だと発覚したら、結構センセーショナルな事になる気がするんだ。それだけパーカス様が注目に値する方だと言う事もあるけどね。」
僕も苦笑してジョッシュに言った。
「確かに僕の前じゃ単なる心配性で過保護な父親だけど、王国騎士団では結構な実績があるみたいだよね、お父さんって。そっか、僕って変に期待されちゃってるんだね。なんか期待に添えられそうもないから申し訳ない気がしてきたよ。」
するとジョッシュは慌てて首を振って言った。
「いや、全然。期待とは別の意味で凄い期待以上なんだよ、ディーはさ。矛盾した言い方だけど、その、ディーってあんまり居ないタイプっていうか。ま、とにかく私の知り合いに捕まる前に出よう。」
結局ジョッシュにせき立てられるまま、僕はジョッシュの家へ向かう鳥車に乗り込んだ。当然の様に迎えの鳥車が用意されている辺り、王都の東エリアの警備隊長というのは権力があるのかも知れない。
「ディーの迎えの鳥車は大丈夫だったのかい?」
僕は首を傾げた。そもそも学校まで王都に走る借りダダ鳥で来たのだし、その方が色々面倒が無くて良い。
「僕?僕はダダ鳥に乗って来たよ。ほら学校の近くに乗り捨て場があるだろう?あれって便利だよね。自分のダダ鳥だと、降りた後ちゃんと家まで無事に帰れるか心配になっちゃうからさ。」
するとジョッシュは動揺した様子で言った。
「え、それって冗談じゃないの?借りダダ鳥って当たり外れがあるだろう?たまに気性の荒い奴がいて振り落とされるとか聞くけど。だから借りダダ鳥使うのって、成人の竜人か逞しい獣人しか借りないと思ってたよ。
まさかディーが借りダダ鳥を使ってるとかイメージじゃなかったな。パーカス様は反対しなかったのかい?」
僕はクスクス笑って言った。
「そうなの?僕にしてみれば懐いちゃって困るくらいなのに。ふふ。」
ジョッシュに発光キノコについて話す訳にも行かなくて、僕は笑って誤魔化した。確かに王都で借りられるダダ鳥は体格の良いものが多くて、初めて乗るにはちょっとしたコツが居るかもしれない。
僕の発光キノコの欠片のお陰で、朝のダダ鳥はとてもお利口さんだった。離れる時に可愛い声で鳴いていたくらいだ。まぁ、発光キノコありきだろうけど。
そうか、そのせいで乗り捨て場の管理人のおじさんが、僕をまじまじと見ていたのかもしれないな。
そうこう話している間に、ジョッシュの屋敷に到着した様だった。
似た様な屋敷が並ぶ一角にあるその屋敷は、白を基調とした優美なもので少し目立っていた。でもクールな印象の警備隊長のイメージ通りと言えばそうだったので、僕は興味深げに周囲を見回した。
「白鷹族って、こんなイメージだなぁ。優美で気高い感じ。君のお父上の雰囲気そのものだよね。」
僕がそう言うと、ジョッシュは目を丸くした。
「え?私の父上ってそんな感じ?私にとってはなかなか厳しい父上だけどね。確かに粗野ではないけど…。」
僕はジョッシュをジロジロ見て微笑んだ。
白い飾り羽のせいなのか、スラリとした姿と知的を感じる青い目は警備隊長一家に通じるものがある。
「うん。ジョッシュも似てるよ。騎士科だとマッチョ系のイメージだけど、ジョッシュは頭脳戦で勝つ感じだ。あくまで印象だけだけどね。」
すると少し顔を赤らめたジョッシュが額を指で撫でながら呟いた。
「なんかありがとう。正直嬉しいよ。でも私の兄上を見たらちょっと違う印象を持つかもしれないよ。兄上は猛々しいから。…あ、もうバレたみたい。」
ジョッシュの視線の先を見ると、足早に戸惑った顔をしたジャックが僕らに近づいて来る所だった。
「兄上、おかえりなさい!王立学校はどうでしたか?…あの、お客様ですか?」
そう言ったジャックは、振り返った僕を見てハッとした様子で呟いた。
「…辺境のお兄さん?え?本当に?」
小さな僕のお世話をやいてくれていた8歳の賢そうな少年から、すっかり背も伸びて大人びた12歳のジャックに嬉しくなった僕は、無意識に頭ひとつ小さなジャックに抱きついて笑った。
「ジャック!久しぶり!随分大きくなったね!?」
フードタイプのアイボリー色のローブは、肩のところにしっかりした留め金があって案外収まりがいい。それに見た目よりずっと軽い。僕の様に華奢な人間には毎日身につけるものだから助かった。
しかしローブを身につけると、急に凄腕の魔法使いになった様な気分になるけどね。案外形から入るのも大事なのかな。
「このローブは魔法学の生徒用に仕立ててある特別なものだ。魔法に関わる様々な火傷などの危険からそこそこ守ってくれる仕様だ。だから授業に関わらず、普段から常に身につけている様に。…特に体格的に劣っている者はそうした方が良いぞ。」
リーダーの上級生が、部屋の扉から出る間際に思い出した様に僕らに忠告した。一瞬僕と目が合った気がしたけど、僕を見て最後の言葉を付け足したとかじゃ無いよね。
確かに僕は周囲の新入生とは体格的には劣るけども、魔法の実力は負けてないはずだよ。
僕はこの時に多分飛び級で入学したと言う自負もあって、少しいい気になっていたのかも知れなかった。僕は明らかに井の中の蛙状態で田舎者だった。
少し疲れた気持ちで三つの校舎から伸びる廊下が集まる最初の広場に歩き戻ると、そこには黒いローブと赤いローブを身につけた新入生達が明るい顔で騒めいていた。
皆顔見知り同士で話しが盛り上がっている様子で、知り合いのいない僕は何となく居心地が悪い。
もうさっさと帰ろうと歩き出した僕の前に、赤いローブの青年が立ち塞がった。
「もう帰るのか?もし良かったら、うちに寄って行かないか。ジャックにディーの事を話したら、凄く会いたがってるんだ。それにテディの事も聞きたいみたいで。お茶の一杯だけでも。どうかな?」
祝賀会で知り合った、元砦の警備隊長の次男、白鷹族の青年が少し早口になりながらそう言った。
「ジャックのお兄さん…。えーと、ごめん、名前なんだったかな。」
明らかにガッカリした様子のジャックのお兄さんは、苦笑しながら青い目を細めて言った。
「…私はジャックにかなり負けてるみたいだね。私の名前はジョッシュだ。忘れないでくれよ?それでさっきの件だけど、どうかな。多分家に着く頃にはジャックも学校から帰って来る筈だよ。」
僕はジョッシュ自身の事は全然知らないけど、警備隊長もジャックもよく知っていたので、特に考えることもなく頷いていた。
「うん、いいよ。僕もジャックに会いたかったし。4年ぐらい会ってないから、きっと随分と大きくなったんだろうね。」
思わずジャックに会える事に嬉しくなって微笑むと、ジョッシュが僕をせき立てる様に歩き出した。
「ごめん、ちょっと邪魔が入りそうだったから。君の事を知ってる人がほとんど居ないせいで、皆隙あらばお近づきになろうと狙っているんだよ。私は家族から少し君の事を聞いたからね、色々事情があるんだろう?
君がパーカス様のご子息だとまだ知られていないから良いものの、それが発覚したら今よりもっと酷い事になるよ。この前のテーブルの仲間には一応口止めしておいたよ。」
ジョッシュが色々気遣って言ってくれてたけれど、僕にはその真意がよく理解出来ていなかった。
「あの、僕がパーカスの息子だと何かアレなの?」
するとジョッシュが戸惑った様子で、言葉を選びながら話してくれた。「パーカスの息子」が際立って優秀だという噂や、筋骨隆々で逞しい竜人だと思われていると言う事などは、僕の目を丸くさせた。
「…だから、きっとディーがご子息だと発覚したら、結構センセーショナルな事になる気がするんだ。それだけパーカス様が注目に値する方だと言う事もあるけどね。」
僕も苦笑してジョッシュに言った。
「確かに僕の前じゃ単なる心配性で過保護な父親だけど、王国騎士団では結構な実績があるみたいだよね、お父さんって。そっか、僕って変に期待されちゃってるんだね。なんか期待に添えられそうもないから申し訳ない気がしてきたよ。」
するとジョッシュは慌てて首を振って言った。
「いや、全然。期待とは別の意味で凄い期待以上なんだよ、ディーはさ。矛盾した言い方だけど、その、ディーってあんまり居ないタイプっていうか。ま、とにかく私の知り合いに捕まる前に出よう。」
結局ジョッシュにせき立てられるまま、僕はジョッシュの家へ向かう鳥車に乗り込んだ。当然の様に迎えの鳥車が用意されている辺り、王都の東エリアの警備隊長というのは権力があるのかも知れない。
「ディーの迎えの鳥車は大丈夫だったのかい?」
僕は首を傾げた。そもそも学校まで王都に走る借りダダ鳥で来たのだし、その方が色々面倒が無くて良い。
「僕?僕はダダ鳥に乗って来たよ。ほら学校の近くに乗り捨て場があるだろう?あれって便利だよね。自分のダダ鳥だと、降りた後ちゃんと家まで無事に帰れるか心配になっちゃうからさ。」
するとジョッシュは動揺した様子で言った。
「え、それって冗談じゃないの?借りダダ鳥って当たり外れがあるだろう?たまに気性の荒い奴がいて振り落とされるとか聞くけど。だから借りダダ鳥使うのって、成人の竜人か逞しい獣人しか借りないと思ってたよ。
まさかディーが借りダダ鳥を使ってるとかイメージじゃなかったな。パーカス様は反対しなかったのかい?」
僕はクスクス笑って言った。
「そうなの?僕にしてみれば懐いちゃって困るくらいなのに。ふふ。」
ジョッシュに発光キノコについて話す訳にも行かなくて、僕は笑って誤魔化した。確かに王都で借りられるダダ鳥は体格の良いものが多くて、初めて乗るにはちょっとしたコツが居るかもしれない。
僕の発光キノコの欠片のお陰で、朝のダダ鳥はとてもお利口さんだった。離れる時に可愛い声で鳴いていたくらいだ。まぁ、発光キノコありきだろうけど。
そうか、そのせいで乗り捨て場の管理人のおじさんが、僕をまじまじと見ていたのかもしれないな。
そうこう話している間に、ジョッシュの屋敷に到着した様だった。
似た様な屋敷が並ぶ一角にあるその屋敷は、白を基調とした優美なもので少し目立っていた。でもクールな印象の警備隊長のイメージ通りと言えばそうだったので、僕は興味深げに周囲を見回した。
「白鷹族って、こんなイメージだなぁ。優美で気高い感じ。君のお父上の雰囲気そのものだよね。」
僕がそう言うと、ジョッシュは目を丸くした。
「え?私の父上ってそんな感じ?私にとってはなかなか厳しい父上だけどね。確かに粗野ではないけど…。」
僕はジョッシュをジロジロ見て微笑んだ。
白い飾り羽のせいなのか、スラリとした姿と知的を感じる青い目は警備隊長一家に通じるものがある。
「うん。ジョッシュも似てるよ。騎士科だとマッチョ系のイメージだけど、ジョッシュは頭脳戦で勝つ感じだ。あくまで印象だけだけどね。」
すると少し顔を赤らめたジョッシュが額を指で撫でながら呟いた。
「なんかありがとう。正直嬉しいよ。でも私の兄上を見たらちょっと違う印象を持つかもしれないよ。兄上は猛々しいから。…あ、もうバレたみたい。」
ジョッシュの視線の先を見ると、足早に戸惑った顔をしたジャックが僕らに近づいて来る所だった。
「兄上、おかえりなさい!王立学校はどうでしたか?…あの、お客様ですか?」
そう言ったジャックは、振り返った僕を見てハッとした様子で呟いた。
「…辺境のお兄さん?え?本当に?」
小さな僕のお世話をやいてくれていた8歳の賢そうな少年から、すっかり背も伸びて大人びた12歳のジャックに嬉しくなった僕は、無意識に頭ひとつ小さなジャックに抱きついて笑った。
「ジャック!久しぶり!随分大きくなったね!?」
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