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人間の魔法使い
興奮
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目の前に明らかに大型の魔物が迫ってくるのを感じて、僕は周囲の騎士科仲間に叫んだ。
「来るよ!大きさは7/10だ!油断するな!」
僕の言葉で、周囲の仲間達が一気に緊張と闘志を滲ませたのが分かった。背中に貼り付く汗を感じながら、僕は緊張と興奮を感じていた。
もしかしてこれって…。目の前の木々がバキバキと踏み荒らされる音と共に、牙が三本ついた猪に似た大型魔物が飛び出て来た。ビンゴだ。
「極上!見かけよりすばしっこいぞ!」
僕の言葉と共に、騎士科の連中が慣れた様子で次々と足元を狙って剣を振るった。僕は足元を取られて動きの鈍った魔物の顔周りに水球を作りながら、息が出来なくて暴れる魔物を見つめた。
「ディー、助かる!」
参謀のジョッシュが白い飾り羽根をひらめかせて、騎士科のリーダーと二人掛かりで魔物の首に勢いよく剣を突き立てた。僕たちの研究通り、この魔物の弱点は耳から顎にかけてのラインの下側だった様で、水球の中でゴボゴボと激しく苦しんで口から血を吐き出すと、ドウっと地面に倒れ込んだ。
戦闘中周囲を警戒していた赤マントのチーター族のケドナーが、ホッとした様子で僕の側にやって来た。
「やれやれ、ディーと一緒の班で本当に良かった。こんな大物、普通に剣だけじゃ死闘だぞ。」
僕は肩で息をしてる仲間を見回すと、ケドナーに言った。
「ケドナー、くっちゃべってないで魔石取り出してよ。早く血抜きしないと魔肉の味が落ちるからさ。知ってる?この魔物めちゃくちゃ美味しいって。」
疲れた顔の仲間の視線がケドナーに突き刺さって、彼は慌てて首の下側の硬い皮膚を小型魔剣で切り割いた。想像より大きな拳サイズの黒い魔石を取り出すと、ケドナーは手のひらにそれを載せて僕に突き出した。
「黒い魔石か、結構珍しいよね。」
僕が魔石についた血を水魔法で洗い流していると、ジョッシュが声を掛けてきた。
「ディー、あの頭の周りの水球、止めてくれないか。」
僕は皆に下がる様に言うと、手を伸ばして魔物の息を奪った水魔法を止めた。予想より大量の水が地面に吸い込まれていくのを僕がぼんやり眺めていると、ジョッシュ達が振るった剣が魔物の首を切り落とした。
魔物の血が流れ出るのを待ちながら、僕たちはしばしの休憩を取った。サポート係のケドナーが、背負ったリュックの中から取り出した魔素バーを一人ずつに手渡すと、皆嬉しそうに緊張を解いて笑顔を見せた。
「ああ、俺この味好きなんだ。最近配給される魔素バーの種類増えたよな。ちーず味ってのはまだ食べた事ないが、かなり美味いらしいぜ。」
騎士科の一人がそう言いながら美味しそうにナッツ入りを食べている。僕は自分のハーブタイプを食べながら、頷いて言った。
「確かに。僕が初めて作った時より格段に味が向上してるよ。流石にプロに作らせると別物だね。」
周囲の仲間達が顔を見合わせる中、ジョッシュが戸惑いながら僕に尋ねてきた。
「えーと?この魔素バー、ディーが考えたって聞こえたけど。」
僕は口を動かすのに忙しかったので、ウンウンと頷いて水筒を傾けて喉に流し込んだ。もう少し唾液を吸われない様に改良してもらおうかな。
「けふ。…ああ、魔素バーのこと?魔素体質の僕は、魔素が欠乏すると結構やばいんだ。それでいつでも摂取できる方法がないかなってこの魔素バーを作ってみたわけ。結構便利でしょ?また新味考えなくちゃね。何かリクエストある?」
僕を見つめていた仲間達が顔を見合わせてため息をついた。
「まぁ、これしきのことで驚いてちゃダメだな。ディーは色々規格外で、だいぶ俺たちも慣らされてきたって言うかさ。この感じで子持ちなんだからなぁ。ディーって子育てちゃんと出来てるのか?」
仲間の一人がそう言うので、なんて失礼な事を言うのかと僕は眉を顰めた。
するとジョッシュが僕を庇う様に代わりに言ってくれた。
「まぁ、あまり想像つかないかもしれないけど、見に行った時はちゃんと親っぽかったぞ。パーカス殿がまめに面倒見てたし、ほら、バルト様や、ロバート様が父親だから、ディーは寝転がってても問題ないって言うか。」
ん?ジョッシュの援護が援護になっていない様な気がする。僕が自分の親らしいことを弁明する前に、皆はガヤガヤと立ち上がって戻る支度を始めた。
「…。僕だってちゃんとファルコンのまましてるのに。」
僕はぶつぶつ言いながら緑の回収信号を空に打ち上げた。魔肉回収の助っ人達が来る前に、僕らもこの極上の肉を解体しなくてはいけない。まぁ、ここは得意な僕がやらせてもらうけど。
手際良く解体して小分けしていると、ゾロゾロと回収班がやって来た。回収班に参加すると余分に肉が食べられるとあって、結構学生に人気のバイトの様なものだ。
「今回の回収班は幸運だぞ。ディー曰く極上の魔肉らしいからな。」
そうリーダーが言うと、回収班に参加していた下級生の一人が嬉しそうに言った。
「やっぱり今回参加して正解でした!ディー先輩の討伐班は結構な率で魔肉回収がエグいって聞いてたんで、期待してたんですよ!楽しみだな!」
いや、僕留年してるからね?先輩って言われるとちょっと複雑な気持ちになっちゃうんだけど。とは言え皆のテンションが上がっている様なので、僕はそこはスルーして言った。
「魔肉の量が多いから、ちょっと頑張って貰ったら家族の分もお持ち帰りでお土産にしてあげれると思うよ。」
途端に班の仲間まで目の色が変わった。
「マジか。いつも家族が羨ましがって視線が痛かったんだ。なかなかこんな鮮度の良い美味い魔肉は手に入らないからな!」
僕はクスクス笑って答えた。
「確かに王都だと魔肉の鮮度がどうしても落ちるよね。こうやって討伐とかでもないと、この手の極上の大型魔物の魔肉は手に入らないし。最近王立学校への討伐以来が来るのって、もしかしてその関係もあるのかな。
全部学校内で消費してるとは思えないし。」
「まぁ、学校も余剰があれば市場に引き取って貰ってるはずだからな。さぁ、皆んな美味い魔肉のために多少重くても担いで行くぞ!」
食べ盛りの若者の威勢のいい声に思わず笑ってしまうと、僕は周囲の警戒を強めた。ここで何かがあっては魔肉に関わる。僕もお肉をお土産に持って帰って大事な彼らに食べさせたい。
ファルコンはまだミルも飲んでいるけど、最近はパーカスが離乳食を始めたみたいだった。すっかり保父さんと化した爺じのパーカスは育児のスペシャリストになり始めている。
『テディ、今度魔鳥狩りにいかんか。赤ん坊の最初の魔肉は魔鳥のすり潰しペーストが良いらしいのじゃ。確かにテディも小さい頃大好きだったからのう。
しかし王都には適当な狩場が無いから、少し遠出になるじゃろう。まだ辺境へ行くにはファルコンはチビすぎるから心配じゃ。』
そう言ってすっかりウキウキになっているパーカスを面白い気持ちで眺めながら、僕はファルコンに言った。
『ファルコン、爺じがピクニックに連れて行ってくれるって!美味しい魔鳥狩りだよ?楽しみだね~。』
するとファルコンは背中のパタパタを凄い勢いで羽ばたかせながら唇から涎をダバっと垂らして、僕と同じ明るい緑色の瞳をキラキラさせた。
『…ファルコンも食い意地が張ってる様じゃ。テディそっくりじゃわい。』
まだファルコンは魔鳥の味を知らないはずなのに、美味しいものに反応するところはパーカスの言う通りなんだろう。今夜の特別な魔肉の宴は僕らの様子をキーキー言いながら食べさせろと暴れそうだなと、僕はもう一度想像して笑ってしまった。
近いうちに君のために魔鳥狩りに行くからね、ファルコン!
★【後天性オメガの僕、セフレアルファから逃げてます】
新作連載、好評です!アルファホイホイのベータの主人公の不憫受けの話です。
よろしくお願いします💕
「来るよ!大きさは7/10だ!油断するな!」
僕の言葉で、周囲の仲間達が一気に緊張と闘志を滲ませたのが分かった。背中に貼り付く汗を感じながら、僕は緊張と興奮を感じていた。
もしかしてこれって…。目の前の木々がバキバキと踏み荒らされる音と共に、牙が三本ついた猪に似た大型魔物が飛び出て来た。ビンゴだ。
「極上!見かけよりすばしっこいぞ!」
僕の言葉と共に、騎士科の連中が慣れた様子で次々と足元を狙って剣を振るった。僕は足元を取られて動きの鈍った魔物の顔周りに水球を作りながら、息が出来なくて暴れる魔物を見つめた。
「ディー、助かる!」
参謀のジョッシュが白い飾り羽根をひらめかせて、騎士科のリーダーと二人掛かりで魔物の首に勢いよく剣を突き立てた。僕たちの研究通り、この魔物の弱点は耳から顎にかけてのラインの下側だった様で、水球の中でゴボゴボと激しく苦しんで口から血を吐き出すと、ドウっと地面に倒れ込んだ。
戦闘中周囲を警戒していた赤マントのチーター族のケドナーが、ホッとした様子で僕の側にやって来た。
「やれやれ、ディーと一緒の班で本当に良かった。こんな大物、普通に剣だけじゃ死闘だぞ。」
僕は肩で息をしてる仲間を見回すと、ケドナーに言った。
「ケドナー、くっちゃべってないで魔石取り出してよ。早く血抜きしないと魔肉の味が落ちるからさ。知ってる?この魔物めちゃくちゃ美味しいって。」
疲れた顔の仲間の視線がケドナーに突き刺さって、彼は慌てて首の下側の硬い皮膚を小型魔剣で切り割いた。想像より大きな拳サイズの黒い魔石を取り出すと、ケドナーは手のひらにそれを載せて僕に突き出した。
「黒い魔石か、結構珍しいよね。」
僕が魔石についた血を水魔法で洗い流していると、ジョッシュが声を掛けてきた。
「ディー、あの頭の周りの水球、止めてくれないか。」
僕は皆に下がる様に言うと、手を伸ばして魔物の息を奪った水魔法を止めた。予想より大量の水が地面に吸い込まれていくのを僕がぼんやり眺めていると、ジョッシュ達が振るった剣が魔物の首を切り落とした。
魔物の血が流れ出るのを待ちながら、僕たちはしばしの休憩を取った。サポート係のケドナーが、背負ったリュックの中から取り出した魔素バーを一人ずつに手渡すと、皆嬉しそうに緊張を解いて笑顔を見せた。
「ああ、俺この味好きなんだ。最近配給される魔素バーの種類増えたよな。ちーず味ってのはまだ食べた事ないが、かなり美味いらしいぜ。」
騎士科の一人がそう言いながら美味しそうにナッツ入りを食べている。僕は自分のハーブタイプを食べながら、頷いて言った。
「確かに。僕が初めて作った時より格段に味が向上してるよ。流石にプロに作らせると別物だね。」
周囲の仲間達が顔を見合わせる中、ジョッシュが戸惑いながら僕に尋ねてきた。
「えーと?この魔素バー、ディーが考えたって聞こえたけど。」
僕は口を動かすのに忙しかったので、ウンウンと頷いて水筒を傾けて喉に流し込んだ。もう少し唾液を吸われない様に改良してもらおうかな。
「けふ。…ああ、魔素バーのこと?魔素体質の僕は、魔素が欠乏すると結構やばいんだ。それでいつでも摂取できる方法がないかなってこの魔素バーを作ってみたわけ。結構便利でしょ?また新味考えなくちゃね。何かリクエストある?」
僕を見つめていた仲間達が顔を見合わせてため息をついた。
「まぁ、これしきのことで驚いてちゃダメだな。ディーは色々規格外で、だいぶ俺たちも慣らされてきたって言うかさ。この感じで子持ちなんだからなぁ。ディーって子育てちゃんと出来てるのか?」
仲間の一人がそう言うので、なんて失礼な事を言うのかと僕は眉を顰めた。
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「…。僕だってちゃんとファルコンのまましてるのに。」
僕はぶつぶつ言いながら緑の回収信号を空に打ち上げた。魔肉回収の助っ人達が来る前に、僕らもこの極上の肉を解体しなくてはいけない。まぁ、ここは得意な僕がやらせてもらうけど。
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『ファルコン、爺じがピクニックに連れて行ってくれるって!美味しい魔鳥狩りだよ?楽しみだね~。』
するとファルコンは背中のパタパタを凄い勢いで羽ばたかせながら唇から涎をダバっと垂らして、僕と同じ明るい緑色の瞳をキラキラさせた。
『…ファルコンも食い意地が張ってる様じゃ。テディそっくりじゃわい。』
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よろしくお願いします💕
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