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人間の魔法使い
魔力過多?
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長老の言葉に、僕はハッとした。よく考えてみれば、ファルコンは人間の魔力親和性の体質を受け継いでいるに決まっていた。僕も幼い身体で魔法を使っていたのはそう昔の話じゃない。
ここにきてこの酷い後追いも、ファルコンの許容範囲を超えた魔力が溜まり過ぎてしまったせいかもしれないと考えると腑に落ちる。辺境の幼馴染の豹族のジェシーも、魔法適性が発動した時に原因不明の体調不良があった。
このまま放っておくとファルコンも具合が悪くなるかもしれない。だけど一体どうしたらいいのだろう。まだファルコンは赤ん坊過ぎる。
長老の腕の中で機嫌良くしているファルコンを不安に思って見つめていると、長老が言った。
「この赤ん坊の様に身体に溜まった多過ぎる魔力を調整する簡単な方法が、ある事件をきっかけに予測され、研究の結果最近実証されたのじゃ。それを皆に教えてやろう。
魔法適性が無い者が、急に適性者になると身体が慣れなくて体調を崩す事がある。薬師の魔法使いには、最近増えて来たその手の患者を扱う事もあるじゃろうから知っておいた方が良いじゃろう。」
途端に皆の顔つきが真剣な表情に変わった。魔法科には薬師志望者も多いので、実際的な話なんだろう。すると長老は僕に視線を向けると口を開いた。
「パーカスの息子よ、そなたミルをここに預けておるじゃろう?誰かに頼んでそれを持って来てはくれぬか。」
マードックが僕と顔を合わせると、ミル研究チームのギルと共に慌てて教室を出て行った。
寮生活の終わりと共に、僕の新型ミルは梟族のメンフィス先輩の研究室に預けてある。マードック始めミル班が研究の一方で、交代で管理してくれている。
走って来たのか、息を切らしたマードック達がひと抱えもあるミルの植木鉢を台車に乗せて戻って来た。以前見た時よりふた回りも大きい。大事に管理されてるみたいだ。
普通のミルより真珠色に輝く大福餅ならぬミルを前に、長老は皺の目立つ大きな手でミルを叩いた。相変わらずポフポフ水っぽい音がする。まだ目を開けるほどには大きくないので、少し瞼がピクリと動いただけだった。
長老は僕を見てニヤリとすると、ファルコンを手渡して言った。
「そなたは覚えていないかもしれぬが、以前吸虫球にへばりつかれたじゃろう。そなたの魔力を吸った吸虫球を剥がす時に使ったのはミルじゃ。欲深い吸虫球はより魔力の豊富なミルに取り付こうとした訳じゃ。
じゃが、魔物ではないそなたの魔力を吸った吸虫球はミルの魔力と反応して虹色魔石になってしまった。一方吸虫球から受け取った魔力でミルもまた変化したじゃろう?
我ら塔の者達はこの事象をヒントに色々分析と実践をして、ついにはひとつの解決を手に入れた。ファルコンの額をミルの瞼の上にピッタリとくっつけなさい。そうじゃな…、その赤らんだ顔色が普段の様になるまでの。」
僕はあの気味悪い、黒光りした4cmほどのコロンとした甲虫を思い出して眉を顰めた。虹色魔石になってしまった吸血球はともかく、肩に張り付いたあの時のゾクゾクする恐怖は、思い出せば手触りを感じるほどだ。
とは言え手で触れても特に害のないミルに、触れさせたくらいで何とかなると言うのもおかしな話だと思いつつ長老の顔を立てて、僕はファルコンの額をミルの閉じた瞼にそっとくっつけた。
その時妙な事が起きた。ミルの丸い餅的身体がさざなみを打った様に震えたと思うと、一瞬明るくなった。ハッとしてファルコンを引き剥がすと、ファルコンはさっきより目に見えて機嫌が良くなって緑色の美しい瞳を輝かせた。
「まぁま、まー?」
腕の中のファルコンをじっと観察していると、長老が覗き込んでファルコンの首周りに手を触れて呟いた。
「ふむ、熱っぽさは取れた様じゃな。」
僕はファルコンに夢中で気づくのが遅れたけれど、周囲が妙に騒ついている。
「ディー、こいつ明らかに大きくなったぞ。」
マードックが考え込みながらミルを指差した。彼らの視線の先を釣られる様に見ると、研究室のミルがひと回り大きくなっている。植木鉢からむっちりとこぼれ落ちそうだ。
「ほお。さすがそちの息子じゃな。魔力の質が良い様じゃ。ミルが受け取った過剰な魔力はこうしてミルの成長に使用されるのじゃよ。研究によって、ミルの瞼には受容体の様なものが装備されていると言う事が分かったのじゃ。
流石に我らは吸血球の様にミルに噛み付いて取り付くことは出来ぬからの。
まだ自分では魔法を使えず、魔力過多で体調を崩す者の余分な魔力を安全に移す事が出来る。対象は主に子供になると思うがの。」
「治療という面では、誰でもミルの様な魔物を持っている訳ではないと思うのですが。私は薬師志望ですが、個人的にこの様な高価なミルを持つのは難しいと思います。その場合はどうしたら良いのでしょうか?」
魔法科のクラスメイトの一人が難しい顔をしながら発言した。周囲の学生も頷いている。
僕にとってはミルは繁殖して過剰なくらいだけれど、確かに誰でも持っている様な魔物ではないかもしれない。すると長老はニンマリと作為的な笑みを浮かべて言った。
「どの場所にも今や必ずミルが存在する場所があるのじゃ。それは領主、いわばその土地を治める者じゃな。魔力豊富なミルが流通する様になって魔力適性の高い者が増えた事もあって、国から各領主にグリーンアイタイプのミル本体が譲渡されたのじゃ。
領主は薬師の治療に喜んで協力する事じゃろうの。ミルの成長は領主にとって非常に意味のある事じゃからの。」
長老の言わんとしている事は僕には良く分からなかった。けれど長老の言葉は薬師志望者をホッとさせた様で、結局皆でミルを撫でつつ授業は終わりになった。
クラスメイトに手伝ってもらいながらファルコンと帰り支度をしていると、教室を出ようとしていた長老はふと足を止めて僕の方に振り返って言った。
「パーカスの息子よ、今度塔に我を訪ねて来なさい。…タートが今のそなたに必要な本を選んでくれるじゃろうからの。ホホホ。」
言いたい事だけ言った長老は機嫌良く扉の向こうへ先生達と姿を消した。玩具をバックにしまってくれていたマードックが、教室の扉から僕の顔に視線を動かして尋ねた。
「ディーって塔にも行った事があるんだね。まぁそりゃそうか…。それよりタートってもしかして先見の獣人?」
僕はファルコンを抱っこ紐にくくりつけながらマードックに尋ねた。
「先見の獣人?何それ。」
「塔に居るって聞いた事あるぞ。何でも目の前の相手の将来必要な本を選んでくれるらしい。確か亀獣人だって話だ。そもそも亀獣人自体がお目にかかれない希少種だけどなぁ。長老のあの言い方だと、ディーはタートって獣人と面識があるんじゃないのか?」
そうクラスメイトに言われて、不意に蘇ってきた記憶があった。自分がこの世界でたった一人ぼっちの人間だと打ちひしがれていた時に藁をも掴む気持ちで塔に出向いた時の記憶だ。
あの膨大な所蔵からあの場にいた亀獣人が、人間に関する事が書かれた本を引っ張り出してくれたはずだ。そしてもう一冊。
幼かった文字も読めない僕はしばらくその本が何について書かれた本だったのか分からなかった。けれどすっかり大きく変幻したある日、パーカスが僕に一冊の本を手渡して言った。
「これは昔長老のところに行った時に、タートがテディに選んでくれた本じゃよ。タートの選ぶものに間違いは無いとは言え、私もこれをテディに渡すのは微妙な気持ちじゃ。
じゃが、今後の状況を考えるとこれも必要なのかもしれんと思ってな。…一応渡しておこう。」
気が進まない様子でパーカスが僕に渡してきたのは一冊の綺麗な本だった。けれどもその本の表紙には【賢い番の選び方】という題名が書かれていた。
僕がぎょっとして顔をあげると、パーカスは苦笑して僕に言った。
「…バルトもロバートもテディの事は本気じゃ。いずれ問題は目の前に迫ってくるじゃろうからの。それを読んで自分にとって一番の選択をしなさい。私はテディがどんな選択をしても味方じゃからな?」
あの時のパーカスの苦虫を潰した様な表情を思い出して笑いながら、その後のバルトやロバートとの色々を思い起こし、目の前のファルコンをぎゅっと抱きしめて、僕はやっぱりクスクス笑って呟いた。
「ふふ、思い出したよ。確かにタートは僕に必要な本を選んでくれたよ。もし今塔に行ったらどんな本を選んでくれるのか凄く興味あるなぁ。ね、ファルコン?」
ここにきてこの酷い後追いも、ファルコンの許容範囲を超えた魔力が溜まり過ぎてしまったせいかもしれないと考えると腑に落ちる。辺境の幼馴染の豹族のジェシーも、魔法適性が発動した時に原因不明の体調不良があった。
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「パーカスの息子よ、そなたミルをここに預けておるじゃろう?誰かに頼んでそれを持って来てはくれぬか。」
マードックが僕と顔を合わせると、ミル研究チームのギルと共に慌てて教室を出て行った。
寮生活の終わりと共に、僕の新型ミルは梟族のメンフィス先輩の研究室に預けてある。マードック始めミル班が研究の一方で、交代で管理してくれている。
走って来たのか、息を切らしたマードック達がひと抱えもあるミルの植木鉢を台車に乗せて戻って来た。以前見た時よりふた回りも大きい。大事に管理されてるみたいだ。
普通のミルより真珠色に輝く大福餅ならぬミルを前に、長老は皺の目立つ大きな手でミルを叩いた。相変わらずポフポフ水っぽい音がする。まだ目を開けるほどには大きくないので、少し瞼がピクリと動いただけだった。
長老は僕を見てニヤリとすると、ファルコンを手渡して言った。
「そなたは覚えていないかもしれぬが、以前吸虫球にへばりつかれたじゃろう。そなたの魔力を吸った吸虫球を剥がす時に使ったのはミルじゃ。欲深い吸虫球はより魔力の豊富なミルに取り付こうとした訳じゃ。
じゃが、魔物ではないそなたの魔力を吸った吸虫球はミルの魔力と反応して虹色魔石になってしまった。一方吸虫球から受け取った魔力でミルもまた変化したじゃろう?
我ら塔の者達はこの事象をヒントに色々分析と実践をして、ついにはひとつの解決を手に入れた。ファルコンの額をミルの瞼の上にピッタリとくっつけなさい。そうじゃな…、その赤らんだ顔色が普段の様になるまでの。」
僕はあの気味悪い、黒光りした4cmほどのコロンとした甲虫を思い出して眉を顰めた。虹色魔石になってしまった吸血球はともかく、肩に張り付いたあの時のゾクゾクする恐怖は、思い出せば手触りを感じるほどだ。
とは言え手で触れても特に害のないミルに、触れさせたくらいで何とかなると言うのもおかしな話だと思いつつ長老の顔を立てて、僕はファルコンの額をミルの閉じた瞼にそっとくっつけた。
その時妙な事が起きた。ミルの丸い餅的身体がさざなみを打った様に震えたと思うと、一瞬明るくなった。ハッとしてファルコンを引き剥がすと、ファルコンはさっきより目に見えて機嫌が良くなって緑色の美しい瞳を輝かせた。
「まぁま、まー?」
腕の中のファルコンをじっと観察していると、長老が覗き込んでファルコンの首周りに手を触れて呟いた。
「ふむ、熱っぽさは取れた様じゃな。」
僕はファルコンに夢中で気づくのが遅れたけれど、周囲が妙に騒ついている。
「ディー、こいつ明らかに大きくなったぞ。」
マードックが考え込みながらミルを指差した。彼らの視線の先を釣られる様に見ると、研究室のミルがひと回り大きくなっている。植木鉢からむっちりとこぼれ落ちそうだ。
「ほお。さすがそちの息子じゃな。魔力の質が良い様じゃ。ミルが受け取った過剰な魔力はこうしてミルの成長に使用されるのじゃよ。研究によって、ミルの瞼には受容体の様なものが装備されていると言う事が分かったのじゃ。
流石に我らは吸血球の様にミルに噛み付いて取り付くことは出来ぬからの。
まだ自分では魔法を使えず、魔力過多で体調を崩す者の余分な魔力を安全に移す事が出来る。対象は主に子供になると思うがの。」
「治療という面では、誰でもミルの様な魔物を持っている訳ではないと思うのですが。私は薬師志望ですが、個人的にこの様な高価なミルを持つのは難しいと思います。その場合はどうしたら良いのでしょうか?」
魔法科のクラスメイトの一人が難しい顔をしながら発言した。周囲の学生も頷いている。
僕にとってはミルは繁殖して過剰なくらいだけれど、確かに誰でも持っている様な魔物ではないかもしれない。すると長老はニンマリと作為的な笑みを浮かべて言った。
「どの場所にも今や必ずミルが存在する場所があるのじゃ。それは領主、いわばその土地を治める者じゃな。魔力豊富なミルが流通する様になって魔力適性の高い者が増えた事もあって、国から各領主にグリーンアイタイプのミル本体が譲渡されたのじゃ。
領主は薬師の治療に喜んで協力する事じゃろうの。ミルの成長は領主にとって非常に意味のある事じゃからの。」
長老の言わんとしている事は僕には良く分からなかった。けれど長老の言葉は薬師志望者をホッとさせた様で、結局皆でミルを撫でつつ授業は終わりになった。
クラスメイトに手伝ってもらいながらファルコンと帰り支度をしていると、教室を出ようとしていた長老はふと足を止めて僕の方に振り返って言った。
「パーカスの息子よ、今度塔に我を訪ねて来なさい。…タートが今のそなたに必要な本を選んでくれるじゃろうからの。ホホホ。」
言いたい事だけ言った長老は機嫌良く扉の向こうへ先生達と姿を消した。玩具をバックにしまってくれていたマードックが、教室の扉から僕の顔に視線を動かして尋ねた。
「ディーって塔にも行った事があるんだね。まぁそりゃそうか…。それよりタートってもしかして先見の獣人?」
僕はファルコンを抱っこ紐にくくりつけながらマードックに尋ねた。
「先見の獣人?何それ。」
「塔に居るって聞いた事あるぞ。何でも目の前の相手の将来必要な本を選んでくれるらしい。確か亀獣人だって話だ。そもそも亀獣人自体がお目にかかれない希少種だけどなぁ。長老のあの言い方だと、ディーはタートって獣人と面識があるんじゃないのか?」
そうクラスメイトに言われて、不意に蘇ってきた記憶があった。自分がこの世界でたった一人ぼっちの人間だと打ちひしがれていた時に藁をも掴む気持ちで塔に出向いた時の記憶だ。
あの膨大な所蔵からあの場にいた亀獣人が、人間に関する事が書かれた本を引っ張り出してくれたはずだ。そしてもう一冊。
幼かった文字も読めない僕はしばらくその本が何について書かれた本だったのか分からなかった。けれどすっかり大きく変幻したある日、パーカスが僕に一冊の本を手渡して言った。
「これは昔長老のところに行った時に、タートがテディに選んでくれた本じゃよ。タートの選ぶものに間違いは無いとは言え、私もこれをテディに渡すのは微妙な気持ちじゃ。
じゃが、今後の状況を考えるとこれも必要なのかもしれんと思ってな。…一応渡しておこう。」
気が進まない様子でパーカスが僕に渡してきたのは一冊の綺麗な本だった。けれどもその本の表紙には【賢い番の選び方】という題名が書かれていた。
僕がぎょっとして顔をあげると、パーカスは苦笑して僕に言った。
「…バルトもロバートもテディの事は本気じゃ。いずれ問題は目の前に迫ってくるじゃろうからの。それを読んで自分にとって一番の選択をしなさい。私はテディがどんな選択をしても味方じゃからな?」
あの時のパーカスの苦虫を潰した様な表情を思い出して笑いながら、その後のバルトやロバートとの色々を思い起こし、目の前のファルコンをぎゅっと抱きしめて、僕はやっぱりクスクス笑って呟いた。
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