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文化祭の打ち上げ

はやる心

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そろそろ帰るクラスメイトに紛れて、僕とキヨくんも帰路に着いた。電車が最寄駅に近づくにつれて、お互い黙りこくってしまったのは、さっきのトイレでの話しのせいだろうか。

駅の改札を出て、家の方へ歩き出しながら、僕はチラッとキヨくんを盗み見た。さっきキヨくんは後でと言ったけれど、それってどういう事なんだろう。それに、これって何処に二人の関係が向かっているのかも僕にはよく分からない。


するとキヨくんが僕に言った。

「玲、うちに来る?多分親は夕方まで帰らないから、少し話せると思う。俺、玲に話しがあるから。」

僕はドキドキしながら、頷いた。僕たちは幼馴染として急激に接近して、今やもしかしたらそれ以上の関係に進むのかもしれない。もう、なんて言うかキャパオーバーだ。…でもまさか身体だけ関係求められたり?え?ないよね?


僕は一人でこんがらがりながら、キヨくんの家に上がり込んだ。

「お邪魔します。」

キヨくんは冷蔵庫から冷えた麦茶をグラスに注ぐと、トレーに乗せて自分の部屋へと先に立って歩き出した。階段を登りながら、僕はバランスの良いキヨくんの後ろ姿を見上げた。

キヨくんはカッコいい。僕よりずっとスタイルが良くて、筋肉もあって。眼鏡を掛けているのがまた知的な感じで、狡いくらいだ。そりゃ女子大生にも声を掛けられるよ。


僕がそんな事を考えながら部屋に入ると、キヨくんは僕にグラスを渡して、ベッド座る様に言うと部屋のノブを引っ張って閉めた。カチリと言う音が、僕を現実に引き戻した。僕とキヨくん部屋に二人だけだ。何なら家にも誰も居ないし。

慌てて手の中のグラスを傾けてゴクゴクと飲むと、冷たい麦茶が美味しかった。そんな僕をじっと見つめながらキヨくんも立ったままひと息に麦茶を飲み干した。空っぽの二つのグラスを見つめながら、僕たちにはもう、誤魔化せるものが何も無くなった。


ギシリと僕の隣にキヨくんが座って、ベッドが沈んだ。僕は思わずキヨくんを見つめた。キヨくんは見た事のない真剣な表情で、僕に尋ねた。

「俺、玲と昔みたいに仲良くなれて凄い嬉しいんだ。相変わらず、危なっかしくてハラハラするけどな。…でも昔の様な仲良しごっこじゃ、もう我慢できない。やっぱり俺は玲が好きなんだ。…キスしたいくらい。男同士だけど玲と付き合いたい。…玲は?俺と付き合える?」

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