7 / 149
新学期
佐藤に聞く
しおりを挟む
放課後教室で待ってると、選択授業を終えた佐藤が席に戻ってきた。
「ごめん。ここじゃ内容がアレだから別のところ行こう。どこがイイかな?」
「…だったら僕の寮室来る?同室の奴、部活で遅いからゆっくり話出来ると思うよ。」
「マジで?じゃあ、何か飲み物買って行こ?奢る。」
佐藤のいつも通りの柔らかな態度に僕は少々油断してたと言わざるを得ない。僕はもう少し、この爛れた学校のリアルを胸に留めておくべきだったんだろう。
佐藤の相部屋はそこそこ片付いていて、水回りを挟んだ佐藤コーナーはもっとスッキリと居心地が良かった。ベッド周りもホテルの様なキッチリ感で、案外この男子は潔癖で、見かけより中身が違うかもしれないなと考えていた。
佐藤はデスクチェアに座ると、僕は当然の様にベッドに座ることになる訳で。
まぁこのベッドは良い香りがするし、いわゆる男子高校生のホルモン臭の漂う様な座るのに躊躇するベッドでなかったのでホッとした。
「で?聞きたい事って?」
佐藤は炭酸を飲みながら、こちらに流し目を送ってきた。僕は少々気まずい思いで思い切って切り出した。
「僕、しばらく病欠してたし、あまり周囲と交流してなかったからこの学校の事情とかに疎いんだけどさ、昼に何か怖い事言ってたじゃん?ウケとかセメとか、色々。あれってみんなが皆そうじゃ無いよね?」
「…んー、どう思う?去年ケンケンは取り付く島もない不遜な態度だったから、多分皆も遠目に見てたんだと思うんだけど。でも結構目立つ方だし注目はされてたよね。ちなみに僕はゲイでは無いかな?
トモなんかすっかりウケにハマって、ほぼゲイに移行してる感じだけど。僕はどっちかというと、ノンケ寄りの環境的バイという感じ。女の子が側に居ないから時々身体だけ肉欲解消的な?
今のケンケンはちょっと隙があるというか、今も僕の部屋のベッドに座って無防備だしね。きっとこれから色々狙われると思うよ。」
僕はベッドに座ってる身体が硬直したのを感じた。ああっそうじゃん。やばい。密室2人きりだよ!僕は焦って、縋る様に佐藤を見て言った。
「佐藤は嫌がる相手に無理矢理とかは無いよね…?」
佐藤はにっこり笑うと立ち上がりながら言い放った。
「もちろん無理矢理とかは趣味じゃないよ。楽しくないし。でも同意を取るのは得意な方なんだよね。」
そう言うとスルリと僕の隣に座りながら僕の顎を掴んで唇を合わせてきた。佐藤の柔らかな唇が、自分の唇にゆっくりと押し付けられたかと思う間もなく、強めに押し付けられて、ちゅっと吸われたのを感じた。
僕は余りの早技に呆然として結構間抜けな顔をしてたんだろう。
「どう?嫌な感じがしないなら、ケンケンは男もいけるんだと思うけど。というか、そんな顔してたら襲われちゃうと思うよ?」
「ごめん。ここじゃ内容がアレだから別のところ行こう。どこがイイかな?」
「…だったら僕の寮室来る?同室の奴、部活で遅いからゆっくり話出来ると思うよ。」
「マジで?じゃあ、何か飲み物買って行こ?奢る。」
佐藤のいつも通りの柔らかな態度に僕は少々油断してたと言わざるを得ない。僕はもう少し、この爛れた学校のリアルを胸に留めておくべきだったんだろう。
佐藤の相部屋はそこそこ片付いていて、水回りを挟んだ佐藤コーナーはもっとスッキリと居心地が良かった。ベッド周りもホテルの様なキッチリ感で、案外この男子は潔癖で、見かけより中身が違うかもしれないなと考えていた。
佐藤はデスクチェアに座ると、僕は当然の様にベッドに座ることになる訳で。
まぁこのベッドは良い香りがするし、いわゆる男子高校生のホルモン臭の漂う様な座るのに躊躇するベッドでなかったのでホッとした。
「で?聞きたい事って?」
佐藤は炭酸を飲みながら、こちらに流し目を送ってきた。僕は少々気まずい思いで思い切って切り出した。
「僕、しばらく病欠してたし、あまり周囲と交流してなかったからこの学校の事情とかに疎いんだけどさ、昼に何か怖い事言ってたじゃん?ウケとかセメとか、色々。あれってみんなが皆そうじゃ無いよね?」
「…んー、どう思う?去年ケンケンは取り付く島もない不遜な態度だったから、多分皆も遠目に見てたんだと思うんだけど。でも結構目立つ方だし注目はされてたよね。ちなみに僕はゲイでは無いかな?
トモなんかすっかりウケにハマって、ほぼゲイに移行してる感じだけど。僕はどっちかというと、ノンケ寄りの環境的バイという感じ。女の子が側に居ないから時々身体だけ肉欲解消的な?
今のケンケンはちょっと隙があるというか、今も僕の部屋のベッドに座って無防備だしね。きっとこれから色々狙われると思うよ。」
僕はベッドに座ってる身体が硬直したのを感じた。ああっそうじゃん。やばい。密室2人きりだよ!僕は焦って、縋る様に佐藤を見て言った。
「佐藤は嫌がる相手に無理矢理とかは無いよね…?」
佐藤はにっこり笑うと立ち上がりながら言い放った。
「もちろん無理矢理とかは趣味じゃないよ。楽しくないし。でも同意を取るのは得意な方なんだよね。」
そう言うとスルリと僕の隣に座りながら僕の顎を掴んで唇を合わせてきた。佐藤の柔らかな唇が、自分の唇にゆっくりと押し付けられたかと思う間もなく、強めに押し付けられて、ちゅっと吸われたのを感じた。
僕は余りの早技に呆然として結構間抜けな顔をしてたんだろう。
「どう?嫌な感じがしないなら、ケンケンは男もいけるんだと思うけど。というか、そんな顔してたら襲われちゃうと思うよ?」
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる