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新学期

和也side漆原は可愛くてエロい

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いつ俺の中で漆原の評価が変わったのか、手を繋ぎながら考えていた。


この指だって細くて折れそうだ。
部屋でキスレクチャーされた時には、この指が俺の髪や耳をくすぐって随分ゾクゾクさせられた。

はっきり漆原が気になる様になったのは、あの時からかもしれないな。
経験がない訳じゃない。どちらかと言うと経験豊富な方なのに、漆原のキスは忘れがたかった。

実際煽られて後で発散したし…。こんなに男に振り回されるとかなんだろう。

今日だってオーバサイズの白パーカーでモノトーン決めとか、めっちゃ可愛い。
萌え袖でドリンク飲んでてお前は女子かって、ツッコみたいけど似合いすぎなんだよね。

さっき急に赤くなってそっぽ向いた顔なんて、ツンデレの極みで抱きしめたくなった…。
文句言ってた恋愛映画も、涙流してるし。いつもあんなにぶっきらぼうなのにギャップ凄い。

「ほら。」

俺がティシュを渡すと漆原は一瞬固まったけれど、小さく礼を言うとグスグス鼻をかんだ。

画面に照らされた漆原の泣き濡れた顔、潤んだ瞳に見つめられて俺は思わず手を伸ばして抱き寄せてキスしてた。
一瞬漆原は固まったけど、啄む様に優しくキスするとゆっくり力を抜いて俺に委ねてきた。

吐息と共に漆原が少し口を開けたのがわかって、俺はゆっくり舌を伸ばした。
漆原の小さめの舌を軽く吸うと、漆原は口を大きく開けて自分から大胆に舌を絡めてきた。

ほんのりサイダー風味の甘くて柔らかな濡れたその感触に、俺はすっかり夢中になった。
こんな場所で少し勃ち上がった分身に焦りながら、漆原自身に手を伸ばしたけれど漆原のソレは柔らかで全然反応していなかった。

佐藤の百戦錬磨の言葉が頭をよぎった。
これ以上は俺が無理だなとしぶしぶキスを止めた俺に、漆原は我に返った様に身体を強張らせるとギクシャクと姿勢を戻した。

映画館を出て気まずげに前を歩く漆原の背中を見ながら、俺は漆原に随分振り回されてるなと一人ぼやいた。
うっかり近づいては我に返った様に離れていく野良猫を懐かせてるみたいだ。


「お腹すいたな。何か食べて帰ろ。」

今もさっきの事なんて、なかった様にケロッとした顔をして涼しげな切長の目をこっちに流してくる。
俺は漆原が食べたいものを喋り続けるぷりっとした口元を見るとも無しに見つめた。

生返事をしながら、これじゃ食事の間もヤキモキさせられそうだとこっそりため息をついた。


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