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夏休み
漆原のいとこ
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けいちゃんが漆原のいとこ。
このタクミからのカミングアウトに、僕と和也は合わないピースがぱっちりハマった様なスッキリ感を感じていた。なぜか和也は凄くホッとした様子だった。
僕はと言えば、違ったモヤモヤが生まれて来ていた。けいちゃんに惹かれていたのは、漆原に似ていたからなのか。関係なくけいちゃんに惹かれたのかとか。
それこそ、けいちゃんと漆原を並べてみれば、はっきりしそうだけど。まぁそんなのナンセンスだ。あんなに漆原を気に入っていたタクミがけいちゃんにぞっこんなのは、やっぱり女の子が好きだからとか?
はぁ、ひとつスッキリして、もっとモヤモヤしてきた。意外だったのはトモだ。
漆原とけいちゃんが親戚なんて話にはもの凄く食いついてくるかと思っていたのに、随分静かだ。でも、トモのこんな感じは後からとんでもない事を持ち込むので用心しておいたほうがいい。
結局僕たちはそこで彼らと別れた。タクミはけいちゃんに話に行ったけれど、玲って男に邪魔されていたから先行きは中々手強いだろう。
別荘に戻って色々あり過ぎた今日にどっと疲れた僕たちは、リビングでのんびりと寛いでいた。さっきまで異様に静かだったトモは、急に目を光らせて言った。
「ねぇ、今日会ったけいちゃん、どう思った?」
「どうって。けいちゃんは最高に可愛いじゃん。」
タクミはニヤついて言った。僕はみんなの顔を眺めると言った。
「僕は最初、知らない人のはずなのに知ってる気がして不思議だったんだけど。漆原の親戚って聞いて納得したというか。漆原が女の子だったら、あんな感じになるのかなって思った。和也はどう思った?」
「…俺は、ああ従姉妹なんだって思っただけ。確かによく似てたかも。」
「ふーん。案外みんな、見えるべきものが見えてないんだね。それともあえて見ないようにしてるのかな?それってどーゆう事なんだろ。」
トモは一人で訳のわからない事を言い出したので、和也がトモを遮って聞いた。
「お前、何言ってんのか分かんないんだけど。分かるように言えよ。」
「まぁ教えてあげても良いんだけどね。確証はないけど、まず間違いないと思うよ。聞きたい?」
タクミが焦れてトモを睨んだけれど、次のトモの言葉を聞いて凍りついた。僕も。和也も。
「けいちゃんは、漆原だよ。」
「…えっ?お前、何言っちゃってんの?けいちゃんは女の子で、漆原は男なんだけど。」
タクミは半ば呆然としながらトモに言い返した。
「そう。でもけいちゃと漆原は同一人物。じゃあ、女の子、男の子どっちだと思う?」
トモは美味しいものを前にした魔物のように怪しく微笑んでいた。
このタクミからのカミングアウトに、僕と和也は合わないピースがぱっちりハマった様なスッキリ感を感じていた。なぜか和也は凄くホッとした様子だった。
僕はと言えば、違ったモヤモヤが生まれて来ていた。けいちゃんに惹かれていたのは、漆原に似ていたからなのか。関係なくけいちゃんに惹かれたのかとか。
それこそ、けいちゃんと漆原を並べてみれば、はっきりしそうだけど。まぁそんなのナンセンスだ。あんなに漆原を気に入っていたタクミがけいちゃんにぞっこんなのは、やっぱり女の子が好きだからとか?
はぁ、ひとつスッキリして、もっとモヤモヤしてきた。意外だったのはトモだ。
漆原とけいちゃんが親戚なんて話にはもの凄く食いついてくるかと思っていたのに、随分静かだ。でも、トモのこんな感じは後からとんでもない事を持ち込むので用心しておいたほうがいい。
結局僕たちはそこで彼らと別れた。タクミはけいちゃんに話に行ったけれど、玲って男に邪魔されていたから先行きは中々手強いだろう。
別荘に戻って色々あり過ぎた今日にどっと疲れた僕たちは、リビングでのんびりと寛いでいた。さっきまで異様に静かだったトモは、急に目を光らせて言った。
「ねぇ、今日会ったけいちゃん、どう思った?」
「どうって。けいちゃんは最高に可愛いじゃん。」
タクミはニヤついて言った。僕はみんなの顔を眺めると言った。
「僕は最初、知らない人のはずなのに知ってる気がして不思議だったんだけど。漆原の親戚って聞いて納得したというか。漆原が女の子だったら、あんな感じになるのかなって思った。和也はどう思った?」
「…俺は、ああ従姉妹なんだって思っただけ。確かによく似てたかも。」
「ふーん。案外みんな、見えるべきものが見えてないんだね。それともあえて見ないようにしてるのかな?それってどーゆう事なんだろ。」
トモは一人で訳のわからない事を言い出したので、和也がトモを遮って聞いた。
「お前、何言ってんのか分かんないんだけど。分かるように言えよ。」
「まぁ教えてあげても良いんだけどね。確証はないけど、まず間違いないと思うよ。聞きたい?」
タクミが焦れてトモを睨んだけれど、次のトモの言葉を聞いて凍りついた。僕も。和也も。
「けいちゃんは、漆原だよ。」
「…えっ?お前、何言っちゃってんの?けいちゃんは女の子で、漆原は男なんだけど。」
タクミは半ば呆然としながらトモに言い返した。
「そう。でもけいちゃと漆原は同一人物。じゃあ、女の子、男の子どっちだと思う?」
トモは美味しいものを前にした魔物のように怪しく微笑んでいた。
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