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二学期
司先輩side可愛いメイド
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今年一番の文化祭の話題と言えばアレだろう。
漆原の男の娘だ。元々綺麗な顔をしていて、女王様の名を冠する漆原の事だ。前評判はいい線いくんじゃないかと、他の女装コスプレの学生達の中でも注目の的だった。
僕ら三年は受験前の最後の祭りという事で、この時だけはっちゃける奴らが多かった。僕のクラスはホラーがテーマのコスプレフォトショップで、お客さんと写真を撮るという簡単なものだ。
いつの間にか決まっていた僕の吸血鬼の衣装は評判が良くて、僕は漆原にも見せようと密かに思っていたんだけれど。
漆原のメイド姿がセンセーショナル過ぎて、店に入るのも予約制。番犬達のガードも硬く、店に入らないと姿が見れないというレアものになっていて、予約もプレミアチケット扱いだった。
流れてきた写真は、なるほどの清純系メイドコスプレだった。だが、見た学生達が口を揃えて、清純なのに妙にエロいと言うので益々人気が出た様だ。
僕は生徒会のツテでチケットをゲットして、2日目にようやく漆原と会えることになった。事件が起きたのはその時だった。
僕の少し前の方で注目を集めていた一般客が、入店するなり漆原にディープキスをしたと大騒ぎになった。
どうも漆原の友人だったみたいだが、あまりの騒ぎに漆原がバックヤードに引っ込んだらしい。僕はバックヤードの裏口に行くと、漆原を呼び出してもらった。
以前彼から騒動の中心にはなるけれど、意図してない所で巻き込まれると本人から聞いていたので、また凹んでいるのではと心配になったからだ。
僕の前に現れた漆原は目を奪う様なメイド姿だった。噂以上の女の子らしさで、いや、女の子なんじゃ無いか?疲れた顔が儚げで、僕は思わずマントを着せ掛けて連れ出した。指先に感じた素肌の柔らかさが僕を益々考え込ませたけれど。
僕が漆原に出店の食べ物を買ってあげて、一緒にひと気の無い裏庭のベンチで食べ始めた頃には、だいぶ漆原の気分も良くなっていた。
「僕の地元の親友たちに男の娘をしてるのがバレちゃって、それでお仕置きのキスされちゃって。もう、ほんとにあいつらふざけ過ぎなんだ。」
口を尖らせて文句を言う漆原は、なるほどキスしたい気持ちが分かる愛らしさで。いつものツンとしてる感じが消えていて、無防備なのは女装のせいなのか、僕の前にいるせいなのか…。
僕は無意識に前に座る漆原の食べっぷりを見るとも無しに眺めていたのだけど、フランクフルトはいけなかった。いや、目に毒だったというのか。この僕がムラムラするなんてそう無いのに…。
僕は自分に呆れて密かにため息をつくと、知らず苦笑いを浮かべた。
漆原の男の娘だ。元々綺麗な顔をしていて、女王様の名を冠する漆原の事だ。前評判はいい線いくんじゃないかと、他の女装コスプレの学生達の中でも注目の的だった。
僕ら三年は受験前の最後の祭りという事で、この時だけはっちゃける奴らが多かった。僕のクラスはホラーがテーマのコスプレフォトショップで、お客さんと写真を撮るという簡単なものだ。
いつの間にか決まっていた僕の吸血鬼の衣装は評判が良くて、僕は漆原にも見せようと密かに思っていたんだけれど。
漆原のメイド姿がセンセーショナル過ぎて、店に入るのも予約制。番犬達のガードも硬く、店に入らないと姿が見れないというレアものになっていて、予約もプレミアチケット扱いだった。
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どうも漆原の友人だったみたいだが、あまりの騒ぎに漆原がバックヤードに引っ込んだらしい。僕はバックヤードの裏口に行くと、漆原を呼び出してもらった。
以前彼から騒動の中心にはなるけれど、意図してない所で巻き込まれると本人から聞いていたので、また凹んでいるのではと心配になったからだ。
僕の前に現れた漆原は目を奪う様なメイド姿だった。噂以上の女の子らしさで、いや、女の子なんじゃ無いか?疲れた顔が儚げで、僕は思わずマントを着せ掛けて連れ出した。指先に感じた素肌の柔らかさが僕を益々考え込ませたけれど。
僕が漆原に出店の食べ物を買ってあげて、一緒にひと気の無い裏庭のベンチで食べ始めた頃には、だいぶ漆原の気分も良くなっていた。
「僕の地元の親友たちに男の娘をしてるのがバレちゃって、それでお仕置きのキスされちゃって。もう、ほんとにあいつらふざけ過ぎなんだ。」
口を尖らせて文句を言う漆原は、なるほどキスしたい気持ちが分かる愛らしさで。いつものツンとしてる感じが消えていて、無防備なのは女装のせいなのか、僕の前にいるせいなのか…。
僕は無意識に前に座る漆原の食べっぷりを見るとも無しに眺めていたのだけど、フランクフルトはいけなかった。いや、目に毒だったというのか。この僕がムラムラするなんてそう無いのに…。
僕は自分に呆れて密かにため息をつくと、知らず苦笑いを浮かべた。
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